魔法少女はダンプカー運転手?

木mori

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第一章

第二十六部分

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「うわあ。きゃあ。びゃあ。」
「うるさい。静かにしろ!」
「うわ~!スピード違反で死んでも知らないわよ!」
ヴァーティは思いっきりアクセルを踏んだ。
『ゴゴゴー!』
激烈過ぎる轟音を暴発させながら、走り出す貨物自動車。
『ドカーン!グシャグシャ~!ドクンドクン。』
「巨大な壁にぶつかったわ。あたし、顔面が破壊されて、血みどろだわ。もうあたし、灰色の空につながる高速道路を進んでいるのね。バタン。」
自分の終末を語りながら生命の尊厳を喪失した。
「おいおい、運転しないというのは職務放棄だぞ。」
「あたしは星の女神になったのよ。現世ではもう呼ばないで。」
「変なことを言うな。もう三キロは走ってるぞ。なかなかうまい運転だぞ。最初にアクセルを全力で踏んですごくエンジンを吹かしていたがな。でもこの小型貨物自動車の排気量は2000CCだから、爆発的なスピードが出ないぞ。」
「あたし、迫り来る危険を察知して夢魔法を使っていたのね。それでもちゃんと運転できるなんて、さすがあたしだわ。」

こうして運転技能に問題なく、学校に到着した。
『ジトーッ。』
蔑むような視線がヴァーティをチクチクと刺していく。
「やっぱり、学校の送迎車はベンツよね。貨物自動車なんてこう丸無恥という罵詈雑言があふれかえってるわ。すごく恥ずかしい、屈辱だわ。」
ヴァーティの思いとは裏腹に、周囲の女子たちはやけに静かである。
『ジトーッ。』
「それにしては、この肌にのっぺり張り付くようなものは何かしら。蔑むとはちょっと、いやかなり違うような?」
ヴァーティはへいげいして、軽く頬を叩いて自分の中の空気を入れ替えた。
「いろいろあったけど、あたしはこの学校に転入転入して、教室に行くのかと思ったヴァーティ。ちょっとワクワク。」
五竜は教室に行く。 
ヴァーティが追随しようとすると、高原に腕を取られた。
「お前がこれから毎日通うのはこっちだ。」
ヴァーティは高原に教室の校舎とは別の校舎に連れて行かれる。
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