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第1話『代表の恋のお相手』
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「そろそろ出会ってもおかしくないよね」
ポールが誰ともなしに言った。
「何が?」
キーツが聞き返すと、呆れたように言い放つ。
「レンナちゃんの恋のお相手!」
「ああ、そうね」
オリーブがパチンと手を叩く。
「フローラ様が側にいらっしゃるから、まず変な男が近寄れないところがありがたいけどな」
マルクが諸事情を絡めて言った。
フローラというのは、パラティヌス北端国セライの王女で、国の鎮守府の最高神官、斎官である。さらに、第三層降霊界の霊地の一つ、マンダラーヴァの内宮の位に就く神聖な存在だ。
なぜレンナの下宿に住んでいるのかは公にされていない。
「逆にそれがハンデになって、付き合いが制限されるんだけどな」
アロンが別の視点で言う。
「レンナちゃんって昔気質な教育受けてるから、ちょうどいいんじゃないの。世俗的なことは例のファイアートだけで十分カバーしてるよ」
ナタルの発言に、吹き出す者数名。
「例の、ね」
「確かに」
トゥーラとタイラーが納得する。
ちなみにファイアートというのは、南端国メーテスの出奔王子で、レンナのはとこでフローラの幼馴染。医療大学に通うインテリのくせに、抜け目のない商売っ気と世を忍ぶ発信力で、鳥俯瞰者ながら童話の里では特殊な立場にいる。
「ポールとキャラ被ってるけど、知性の切れ味が違うんだよね。どうしてだろ?」
このキーツの発言に、ポールが黙っているはずがなく……。
「聞き捨てならないな! あいつがリマインドの天才なら、俺はリニューアルの鬼才なの!」
「はいはい、でもって両雄並び立つのよね」
オリーブがまとめると、ポールは盛大に鼻を鳴らした。
「ふん!!」
「まぁ、なんでもいいけど、敢えて俺たちの中でレンナちゃんの恋の相手になるなら、どのタイプだろうな」
アロンが切り出すと、オリーブが素っ頓狂な声を上げた。
「この中で⁈」
「そのリアクションはないだろ、オリーブ」
「あ、ごめん」
アロンの心外な声に、オリーブはすぐ引き下がった。
「強いて言うなら……マルクかタイラーじゃないかしらね。あまり振れ幅が大きい人はレンナちゃんの真面目さが受け付けないと思う」
「そりゃそうだよね。俺、自分でもやってけないと思うもん」
トゥーラの意見にナタルが賛同する。
「情けなや、男の器量と度量は容姿じゃないよ。ここだよ、ここ!」
ポールが親指で胸のあたりを盛んに差した。
「……ポールって、マルクとタイラーに劣ってるのは容姿だけだと思ってんの? おめでたいなぁ!」
キーツが大きな目をしばたかせて驚いた。
「何を――っ⁈ ちょっとキーツ、ずいぶんじゃない。俺のどこが二人に比べて狭量だっての」
「ついでにポールの中で、マルクとタイラーに勝ってる能力って何?」
アロンが抑揚なく聞いた。
「プレゼンテーション!」
ポールが胸を張って言うと、オリーブが人差し指を立てた。
「うん、それは文句なしだわ」
「でしょー?」
そこで突然、ルイスが声を張り上げた。
「エリックがいるじゃないですか!」
しん、と静まり返ったが、ポールがすかさず言った。
「あのさ、あのウルトラ美少女を、修法者になったからって三枚目のエリックが落とせるって、本気で思ってるの?」
ルイスが食い下がる。
「わからないじゃないですか! あいつだって根性入れ直して修法者になって立派になれば、レンナちゃんだって惚れ直しますよ」
「ルイス、現実は残酷だよ。こればっかりは頑張ったから報われるとは限らない。レンナちゃんは修法者らしく博愛だけど、12歳の時点でエリックをちゃんと断ってるんだからな。それだけ見ても恋愛観もしっかりしてるよ。強い女の子は自分より弱い男は選ばないと思う。エリックでは……周りが納得しないと思う」
「アロンさんまで!」
「それは誰にもわからないけれど。——そうね、レンナちゃんが選ぶ人は、人格的にも非の打ち所のない一角の人物だと思うわ。そうじゃないと恋愛にまで進展しないと思うのよ」
「トゥーラさん……」
ルイスは頼りなげに視線を彷徨わせた。
ポールが誰ともなしに言った。
「何が?」
キーツが聞き返すと、呆れたように言い放つ。
「レンナちゃんの恋のお相手!」
「ああ、そうね」
オリーブがパチンと手を叩く。
「フローラ様が側にいらっしゃるから、まず変な男が近寄れないところがありがたいけどな」
マルクが諸事情を絡めて言った。
フローラというのは、パラティヌス北端国セライの王女で、国の鎮守府の最高神官、斎官である。さらに、第三層降霊界の霊地の一つ、マンダラーヴァの内宮の位に就く神聖な存在だ。
なぜレンナの下宿に住んでいるのかは公にされていない。
「逆にそれがハンデになって、付き合いが制限されるんだけどな」
アロンが別の視点で言う。
「レンナちゃんって昔気質な教育受けてるから、ちょうどいいんじゃないの。世俗的なことは例のファイアートだけで十分カバーしてるよ」
ナタルの発言に、吹き出す者数名。
「例の、ね」
「確かに」
トゥーラとタイラーが納得する。
ちなみにファイアートというのは、南端国メーテスの出奔王子で、レンナのはとこでフローラの幼馴染。医療大学に通うインテリのくせに、抜け目のない商売っ気と世を忍ぶ発信力で、鳥俯瞰者ながら童話の里では特殊な立場にいる。
「ポールとキャラ被ってるけど、知性の切れ味が違うんだよね。どうしてだろ?」
このキーツの発言に、ポールが黙っているはずがなく……。
「聞き捨てならないな! あいつがリマインドの天才なら、俺はリニューアルの鬼才なの!」
「はいはい、でもって両雄並び立つのよね」
オリーブがまとめると、ポールは盛大に鼻を鳴らした。
「ふん!!」
「まぁ、なんでもいいけど、敢えて俺たちの中でレンナちゃんの恋の相手になるなら、どのタイプだろうな」
アロンが切り出すと、オリーブが素っ頓狂な声を上げた。
「この中で⁈」
「そのリアクションはないだろ、オリーブ」
「あ、ごめん」
アロンの心外な声に、オリーブはすぐ引き下がった。
「強いて言うなら……マルクかタイラーじゃないかしらね。あまり振れ幅が大きい人はレンナちゃんの真面目さが受け付けないと思う」
「そりゃそうだよね。俺、自分でもやってけないと思うもん」
トゥーラの意見にナタルが賛同する。
「情けなや、男の器量と度量は容姿じゃないよ。ここだよ、ここ!」
ポールが親指で胸のあたりを盛んに差した。
「……ポールって、マルクとタイラーに劣ってるのは容姿だけだと思ってんの? おめでたいなぁ!」
キーツが大きな目をしばたかせて驚いた。
「何を――っ⁈ ちょっとキーツ、ずいぶんじゃない。俺のどこが二人に比べて狭量だっての」
「ついでにポールの中で、マルクとタイラーに勝ってる能力って何?」
アロンが抑揚なく聞いた。
「プレゼンテーション!」
ポールが胸を張って言うと、オリーブが人差し指を立てた。
「うん、それは文句なしだわ」
「でしょー?」
そこで突然、ルイスが声を張り上げた。
「エリックがいるじゃないですか!」
しん、と静まり返ったが、ポールがすかさず言った。
「あのさ、あのウルトラ美少女を、修法者になったからって三枚目のエリックが落とせるって、本気で思ってるの?」
ルイスが食い下がる。
「わからないじゃないですか! あいつだって根性入れ直して修法者になって立派になれば、レンナちゃんだって惚れ直しますよ」
「ルイス、現実は残酷だよ。こればっかりは頑張ったから報われるとは限らない。レンナちゃんは修法者らしく博愛だけど、12歳の時点でエリックをちゃんと断ってるんだからな。それだけ見ても恋愛観もしっかりしてるよ。強い女の子は自分より弱い男は選ばないと思う。エリックでは……周りが納得しないと思う」
「アロンさんまで!」
「それは誰にもわからないけれど。——そうね、レンナちゃんが選ぶ人は、人格的にも非の打ち所のない一角の人物だと思うわ。そうじゃないと恋愛にまで進展しないと思うのよ」
「トゥーラさん……」
ルイスは頼りなげに視線を彷徨わせた。
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