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第1話『NWSのお給料形態』
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「しかし、修法者ってすごいよね。一つ仕事すると一生遊んで暮らせるぐらいの額もらうんだから」
ナタルが言うと、ランスが一度首を振った。
「すごいのはレンナさんですよ。自分は役職手当しかもらわないで、あとは私たちに還元してくれるんですから」
「それで百人以上の人間を養ってるんですものね。他ではありえない給与システムだと思うのよ。感謝しなくては」
トゥーラが感じ入ると、ポールが勢い込んで言った。
「初仕事の時なんて報酬ほぼ山分けじゃなかった? 太っ腹だな、この子ってひたすら感心したの覚えてる」
給料が口座に振り込まれ、6千万円がきっちり入っていた時の飽和状態は堪えられないものがあった。
「レンナちゃんが税金のことを失念してて、上から言われて100万単位は役職手当に戻したんだったよな。やっぱり子どもだなって嬉しくなったりして」
アロンが方々に頭を下げて回るレンナを思い出して微笑ましくなった。
万世の秘法で管轄する仕事をした際の給与は、因果界以上の上層世界が秘匿されている事情から、特殊な納税システムが取られている。
特殊法人税という各拠点ごとの位階制割で、方向者が1年の所得の10%。ついで平面者が16%。鳥俯瞰者が20%。
所得が鳥俯瞰者の約10倍の修法者は28%を負担する(童話の里調べ)。
税金は一括これのみなので、煩わしさがなく、そういうところからも待遇の厚さが垣間見えるだろう。
「結局、修法者も支払総額の10分の1が手取りって言うオチがな。環境修復の場合は経済効果見込みのプール金になる辺りがシビアだよな」
タイラーはその当時に見聞きした事実に苦笑せざるを得なかった。
「俺はちょっと興味持って、代表にプール金の使い道を調べてもらったことがある」
マルクが勤勉なエピソードを持ち出した。
「よくそんなことに労力割くねー!」
オリーブがうんざり口調で言った。トゥーラが問い返す。
「で、どうだったの?」
マルクは二度首を振って言った。
「どうもこうも。国家予算と同じで1E単位まで、きっちりびっちり税金に組み込まれてたよ。見事な二重帳簿だった」
「だろうな」
アロンが夥しい税金の内訳を頭の中でスクロールさせた。
「こうなってくると、俺は修法者を目指すのも一つの義務だと思うぞ」
タイラーの言葉にみんな唸った。
「確かにね。団体を別に持とうって考えてるわけじゃないけど。レンナちゃんをサポートする人間がいるに越したことはないよね」
キーツがやっぱり考えていたように言った。
「ルイス、エリックが本当に戻ってくるかどうかというのは、まだ不透明なのよね?」
トゥーラが聞くと、ルイスは本当のところを話した。
「はい……実はよくわからないんですよ。たまに手紙をやり取りするんですが、万世の秘法の裏事情がわかってきて、あっちにもこっちにも興味がわいてる状態みたいで」
「グローバルな考え方ができるようになったってことかしらね」
「そうだと思います」
「やっぱりあれか、修法者が一人で仕事を請け負うようになるのと関係あるかもな」
「そうですね、技術の向上に伴って、気構えそのものも変わるのかもしれません」
マルクとランスの意見が一致した。
「俺はさ……レンナちゃん、どこか別のところに引っ張られる気がしてしょうがないんだ。例えばPOAとか」
ナタルの言葉に何人かが頷いた。
「そうなんだよな。そういう話は一切したことがないけど、代表は裏の修法者でもあるわけで。POAにスカウトされないのが不思議なくらいだ」
マルクは連絡係をしている都合上、隠し立てがないことを明かした。
万世の秘法の裏とは、六大精霊界の力を得た戦闘技術のことで、総称を『万武・六色』という。
オリーブが続いた。
「まったく関わりがないというわけではないみたいなのよね。ウィミナリスで修法行してた時には、現統治者のヤヌアリウス様とも懇意だったみたいだし」
「あのPOA長官の?」
キーツが驚くと、オリーブは頷いた。
「そう、知らない? 初仕事の仕上げに霊長砂漠で植樹した時、わざわざレンナちゃんを訪ねていらしたのよ」
「知らなかった。えっ、じゃあさ、今のなぁなぁの状況って逆に不自然じゃない? 打って出ないのかなぁ」
「だからさ、つまりはそういうことだよ。打って出た時には、NWSの代表を続けけて行くのは無理があるんじゃないいかってこと」
ポールが述べて、キーツを納得させた。
「なるほどね。僕たちもいつまでもレンナちゃんに甘えてられない、と」
「うん」
何人かが頷く。
「じゃあ誰かが代わりを務める意味でも、準備は進めた方がいいよね。一番修法者に近いのは――マルクとアロン、それにランスさんか。我こそはという人は?」
ナタルが言うと、ランスが一度首を振った。
「すごいのはレンナさんですよ。自分は役職手当しかもらわないで、あとは私たちに還元してくれるんですから」
「それで百人以上の人間を養ってるんですものね。他ではありえない給与システムだと思うのよ。感謝しなくては」
トゥーラが感じ入ると、ポールが勢い込んで言った。
「初仕事の時なんて報酬ほぼ山分けじゃなかった? 太っ腹だな、この子ってひたすら感心したの覚えてる」
給料が口座に振り込まれ、6千万円がきっちり入っていた時の飽和状態は堪えられないものがあった。
「レンナちゃんが税金のことを失念してて、上から言われて100万単位は役職手当に戻したんだったよな。やっぱり子どもだなって嬉しくなったりして」
アロンが方々に頭を下げて回るレンナを思い出して微笑ましくなった。
万世の秘法で管轄する仕事をした際の給与は、因果界以上の上層世界が秘匿されている事情から、特殊な納税システムが取られている。
特殊法人税という各拠点ごとの位階制割で、方向者が1年の所得の10%。ついで平面者が16%。鳥俯瞰者が20%。
所得が鳥俯瞰者の約10倍の修法者は28%を負担する(童話の里調べ)。
税金は一括これのみなので、煩わしさがなく、そういうところからも待遇の厚さが垣間見えるだろう。
「結局、修法者も支払総額の10分の1が手取りって言うオチがな。環境修復の場合は経済効果見込みのプール金になる辺りがシビアだよな」
タイラーはその当時に見聞きした事実に苦笑せざるを得なかった。
「俺はちょっと興味持って、代表にプール金の使い道を調べてもらったことがある」
マルクが勤勉なエピソードを持ち出した。
「よくそんなことに労力割くねー!」
オリーブがうんざり口調で言った。トゥーラが問い返す。
「で、どうだったの?」
マルクは二度首を振って言った。
「どうもこうも。国家予算と同じで1E単位まで、きっちりびっちり税金に組み込まれてたよ。見事な二重帳簿だった」
「だろうな」
アロンが夥しい税金の内訳を頭の中でスクロールさせた。
「こうなってくると、俺は修法者を目指すのも一つの義務だと思うぞ」
タイラーの言葉にみんな唸った。
「確かにね。団体を別に持とうって考えてるわけじゃないけど。レンナちゃんをサポートする人間がいるに越したことはないよね」
キーツがやっぱり考えていたように言った。
「ルイス、エリックが本当に戻ってくるかどうかというのは、まだ不透明なのよね?」
トゥーラが聞くと、ルイスは本当のところを話した。
「はい……実はよくわからないんですよ。たまに手紙をやり取りするんですが、万世の秘法の裏事情がわかってきて、あっちにもこっちにも興味がわいてる状態みたいで」
「グローバルな考え方ができるようになったってことかしらね」
「そうだと思います」
「やっぱりあれか、修法者が一人で仕事を請け負うようになるのと関係あるかもな」
「そうですね、技術の向上に伴って、気構えそのものも変わるのかもしれません」
マルクとランスの意見が一致した。
「俺はさ……レンナちゃん、どこか別のところに引っ張られる気がしてしょうがないんだ。例えばPOAとか」
ナタルの言葉に何人かが頷いた。
「そうなんだよな。そういう話は一切したことがないけど、代表は裏の修法者でもあるわけで。POAにスカウトされないのが不思議なくらいだ」
マルクは連絡係をしている都合上、隠し立てがないことを明かした。
万世の秘法の裏とは、六大精霊界の力を得た戦闘技術のことで、総称を『万武・六色』という。
オリーブが続いた。
「まったく関わりがないというわけではないみたいなのよね。ウィミナリスで修法行してた時には、現統治者のヤヌアリウス様とも懇意だったみたいだし」
「あのPOA長官の?」
キーツが驚くと、オリーブは頷いた。
「そう、知らない? 初仕事の仕上げに霊長砂漠で植樹した時、わざわざレンナちゃんを訪ねていらしたのよ」
「知らなかった。えっ、じゃあさ、今のなぁなぁの状況って逆に不自然じゃない? 打って出ないのかなぁ」
「だからさ、つまりはそういうことだよ。打って出た時には、NWSの代表を続けけて行くのは無理があるんじゃないいかってこと」
ポールが述べて、キーツを納得させた。
「なるほどね。僕たちもいつまでもレンナちゃんに甘えてられない、と」
「うん」
何人かが頷く。
「じゃあ誰かが代わりを務める意味でも、準備は進めた方がいいよね。一番修法者に近いのは――マルクとアロン、それにランスさんか。我こそはという人は?」
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