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第8話『人魚たちの引っ越しと本たちの行方』
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「私たちの世界でも、世界の大変革に関する人界の一連の流れは理解しております……」
エメラはこう切り出した。
「ちなみに私たち人魚は真央界の六つの異世界、アニミズムに住まいを許された幻獣、ということになるのですが。ご存知の通り、私たちも虹球界に居を移すことになりました。ですから、マーメイドリーフから人魚はいなくなる、ということになります」
「あ、そうか。そういうことになるのか」
キーツがなんのてらいもなく言った。
「そうですよね。世界の大変革後の因果界には、無法者しか住んでないんだから。おちおち昼寝もできないですもんね」
ルイスの言葉にクスクス笑うエメラ。
「そうなんですの。一応、私たちも皆さんと同じで、因果界から虹球界まで自由に往き来できるんですが。海の大神からのお言いつけで、因果界には関知しないことになったのです」
「えっ? じゃあ因果界の海は誰が管理するんですか」
オリーブが問うと、エメラは畏まって云った。
「海が海たる理由は、生命の揺りかごたらんと水満てるから。つまり、水の精霊界が管理致します」
「なるほど」
エメラの話は続く。
「私たちは自由に動けますが……不憫なのは童話の里に集められた童話たちです。これらは里の真力を宿すために、因果界へ往かなくてはならないのです」
「あ……」
ナタルが虚を突かれた。
顔を見合わせる面々。
みんな生産修法にかかりきりで、誰もそこに気がついていないのではないだろうか。
実際、これだけの魔法を宿す本だ。これらがなくなったら里の体面が崩れてしまう。
「そうか……僕たちがしばらく因果界にいるとはいっても、その後は虫干しなんかの手間をかけるような人間がいるかどうかは甚だ疑問だよね」
「そもそも本を読んで育った人間が何人いるのか、ってことですよ」
キーツとルイスの意見が一致する。
「私たちが因果界に往く目的は、呪界法信奉者の更生ですが――そこまで気が回るかどうか」
「えっ、万世の秘法の大義名分じゃなかったの⁈」
ランスの言葉にオリーブがぎょっとすると、キーツが人差し指を横に振った。
「甘いよ、オリーブ。万世の秘法は更生って大見得切ったからには、どんな無茶でも推進するよ、たぶん」
「うっそーん」
両頬を挟んでオリーブが言ったのを見て、悲しそうにエメラが云った。
「皆さんくらい抱負に燃えている方々でも、難しい因果界の行く末です。本たちはどんなに辛く苦しい思いをするでしょう」
「う、うーん」
「かと言って俺たちがどうこうできる問題じゃないよ」
思わず唸るキーツ。結論づけるナタル。
「そこで――皆さんは万世の魔女とはお友だちですよね」
「えっ、レンナちゃん? 彼女ならなんとかできるんですか」
オリーブが聞くとエメラは頷いた。
「はい。万世の魔女が5年ほど前、地に成さしめた大十字。その御力を貸していただきたいのです」
「?」
全員、云われたことがわからなかった。
エメラはこう切り出した。
「ちなみに私たち人魚は真央界の六つの異世界、アニミズムに住まいを許された幻獣、ということになるのですが。ご存知の通り、私たちも虹球界に居を移すことになりました。ですから、マーメイドリーフから人魚はいなくなる、ということになります」
「あ、そうか。そういうことになるのか」
キーツがなんのてらいもなく言った。
「そうですよね。世界の大変革後の因果界には、無法者しか住んでないんだから。おちおち昼寝もできないですもんね」
ルイスの言葉にクスクス笑うエメラ。
「そうなんですの。一応、私たちも皆さんと同じで、因果界から虹球界まで自由に往き来できるんですが。海の大神からのお言いつけで、因果界には関知しないことになったのです」
「えっ? じゃあ因果界の海は誰が管理するんですか」
オリーブが問うと、エメラは畏まって云った。
「海が海たる理由は、生命の揺りかごたらんと水満てるから。つまり、水の精霊界が管理致します」
「なるほど」
エメラの話は続く。
「私たちは自由に動けますが……不憫なのは童話の里に集められた童話たちです。これらは里の真力を宿すために、因果界へ往かなくてはならないのです」
「あ……」
ナタルが虚を突かれた。
顔を見合わせる面々。
みんな生産修法にかかりきりで、誰もそこに気がついていないのではないだろうか。
実際、これだけの魔法を宿す本だ。これらがなくなったら里の体面が崩れてしまう。
「そうか……僕たちがしばらく因果界にいるとはいっても、その後は虫干しなんかの手間をかけるような人間がいるかどうかは甚だ疑問だよね」
「そもそも本を読んで育った人間が何人いるのか、ってことですよ」
キーツとルイスの意見が一致する。
「私たちが因果界に往く目的は、呪界法信奉者の更生ですが――そこまで気が回るかどうか」
「えっ、万世の秘法の大義名分じゃなかったの⁈」
ランスの言葉にオリーブがぎょっとすると、キーツが人差し指を横に振った。
「甘いよ、オリーブ。万世の秘法は更生って大見得切ったからには、どんな無茶でも推進するよ、たぶん」
「うっそーん」
両頬を挟んでオリーブが言ったのを見て、悲しそうにエメラが云った。
「皆さんくらい抱負に燃えている方々でも、難しい因果界の行く末です。本たちはどんなに辛く苦しい思いをするでしょう」
「う、うーん」
「かと言って俺たちがどうこうできる問題じゃないよ」
思わず唸るキーツ。結論づけるナタル。
「そこで――皆さんは万世の魔女とはお友だちですよね」
「えっ、レンナちゃん? 彼女ならなんとかできるんですか」
オリーブが聞くとエメラは頷いた。
「はい。万世の魔女が5年ほど前、地に成さしめた大十字。その御力を貸していただきたいのです」
「?」
全員、云われたことがわからなかった。
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