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第8話『グランドクロスの真相』
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エメラは云った。
「大十字は精霊界の領域を超えて、大地に生命の樹の恩恵をもたらし、働きを底上げしています。一部はこのマーメイドリーフにも御力が及んでいるのです。——ですから、こうして皆さんとお話しする機会を得たのですが。——つまり、大十字の御力を世界にある七つの里にも供給していただければ、本の魔力を強化・維持できるのです……」
「そうか! グランドクロスは世界の大変革の布石だったんですね。人間が考える象徴的な意味合いでなしに、その範疇を超えることを可能にするために地に下った。いわば生命の樹の御力を大きく引き出すためのツールということですね」
ランスが一息に言って、仲間に真相を伝える。
「グランドクロスが世界の大変革のツールってことは、他にも必要としている物事があるかもしれないね。例えば――因果界に住む幻獣がいなくなった後の、場の秩序を保つとか」
キーツが言って、ルイスも続く。
「例えば、妖精の働きがなくなった、因果界の生態系の維持とか」
「でも、因果界と真央界の鏡のように影響を与え合う関係って、世界の大変革後には遮断されるのよね? そうじゃないと、わざわざ住み分ける利点がないじゃない」
オリーブが疑問を口にすると、ナタルが拳をポンと打った。
「それでもグランドクロスの働きだけは持続されるんじゃないかな。生命の樹が因果界を管理する都合上、その方が配慮が行き届くよね」
「なるほどね。じゃあ考えつく限りのことを、レンナちゃんを通じて生命の樹に直訴した方がいいんだ。エメラさんが僕らを呼んだのは、力は求めなければ得られないからですよね」
キーツの言葉に、エメラが嬉しそうに笑む。
「その通りです。言葉を持たない本たちのように、生命の樹を強く感じていても、訴えることができないものはたくさんおります。どうか皆さんで懸け橋になって、彼らを救い上げてください」
「これは里全部に協力要請しないとね」
オリーブが言って、ルイスも頷く。
「降霊界にも声をかけてみたらどうでしょう? 声なき声を聴くのはやっぱり彼らの領分ですよ」
「私、レンナちゃんに連絡取ってみるわ。一連のあらましと用件を伝えればいい?」
オリーブが言うと、ナタルが付け加えた。
「出来れば生命の樹が要求に応えてくれるか、エメラさんはすぐ知りたいよね」
「了解。じゃあその辺りの事情も説明するわね。ちょっと待ってて」
言って、オリーブがレンナとテレパスを繋ぐ。
「大十字は精霊界の領域を超えて、大地に生命の樹の恩恵をもたらし、働きを底上げしています。一部はこのマーメイドリーフにも御力が及んでいるのです。——ですから、こうして皆さんとお話しする機会を得たのですが。——つまり、大十字の御力を世界にある七つの里にも供給していただければ、本の魔力を強化・維持できるのです……」
「そうか! グランドクロスは世界の大変革の布石だったんですね。人間が考える象徴的な意味合いでなしに、その範疇を超えることを可能にするために地に下った。いわば生命の樹の御力を大きく引き出すためのツールということですね」
ランスが一息に言って、仲間に真相を伝える。
「グランドクロスが世界の大変革のツールってことは、他にも必要としている物事があるかもしれないね。例えば――因果界に住む幻獣がいなくなった後の、場の秩序を保つとか」
キーツが言って、ルイスも続く。
「例えば、妖精の働きがなくなった、因果界の生態系の維持とか」
「でも、因果界と真央界の鏡のように影響を与え合う関係って、世界の大変革後には遮断されるのよね? そうじゃないと、わざわざ住み分ける利点がないじゃない」
オリーブが疑問を口にすると、ナタルが拳をポンと打った。
「それでもグランドクロスの働きだけは持続されるんじゃないかな。生命の樹が因果界を管理する都合上、その方が配慮が行き届くよね」
「なるほどね。じゃあ考えつく限りのことを、レンナちゃんを通じて生命の樹に直訴した方がいいんだ。エメラさんが僕らを呼んだのは、力は求めなければ得られないからですよね」
キーツの言葉に、エメラが嬉しそうに笑む。
「その通りです。言葉を持たない本たちのように、生命の樹を強く感じていても、訴えることができないものはたくさんおります。どうか皆さんで懸け橋になって、彼らを救い上げてください」
「これは里全部に協力要請しないとね」
オリーブが言って、ルイスも頷く。
「降霊界にも声をかけてみたらどうでしょう? 声なき声を聴くのはやっぱり彼らの領分ですよ」
「私、レンナちゃんに連絡取ってみるわ。一連のあらましと用件を伝えればいい?」
オリーブが言うと、ナタルが付け加えた。
「出来れば生命の樹が要求に応えてくれるか、エメラさんはすぐ知りたいよね」
「了解。じゃあその辺りの事情も説明するわね。ちょっと待ってて」
言って、オリーブがレンナとテレパスを繋ぐ。
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