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第9話『ナタルの案』
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ひっそりしているナタルの隣に来て、オリーブがこっそり話しかけた。
「……ナタルならどうしたい?」
「俺だったら――」
ナタルは静かに語る。
「俺だったら、一面の花畑をイメージするな。そこに一人の童子が現れるんだ……」
「童子——?」
「うん、その童子はね、名のない力の化身なんだ。海辺の砂粒を何億回も数えるほどの遠く彼方からやってきて、レンナちゃんに旅の話をするんだ。そして、六芒宇宙には過去に二度ほど訪れたことがあるけれど、良い世界だから仲間に入れてほしいって頼むんだよ。もちろん、レンナちゃんだから快く引き受けてくれる。そしたら童子は「ありがとう」って云って、天窓の鍵の中にポワンと入っちゃうんだ」
「フンフン、なるほど」
いつの間にか、全員が聞き耳を立ててナタルの話を聞いていた。
ポールが円卓の反対側で身を乗り出して言った。
「採用!」
「ナタル、そんないい話、小声で話すなよ。テレパスで補聴しちゃったじゃないか」
アロンが呆れつつ笑って言った。
「一番レンナさんに寄り添ったイメージじゃないでしょうか」
ニコニコしてランスが褒める。
「——やればできるんじゃねぇか!」
タイラーはそう言ったが、オリーブに優しく諫められた。
「ね? ナタルには猛々しくなっちゃダメなんだってば」
「なんだか絵本にしたくなっちゃうわね」
「それだ――!」
「どれ?」
キーツが反射的にボケると、ポールはがっくりしたがめげずに言った。
「いや、だからさ。俺たちがレンナちゃんに何ができるかって、いっつもぼんやり話してたじゃない。今の話、全部筋立てて絵本にするってのはどうだい⁈」
「……ナタルならどうしたい?」
「俺だったら――」
ナタルは静かに語る。
「俺だったら、一面の花畑をイメージするな。そこに一人の童子が現れるんだ……」
「童子——?」
「うん、その童子はね、名のない力の化身なんだ。海辺の砂粒を何億回も数えるほどの遠く彼方からやってきて、レンナちゃんに旅の話をするんだ。そして、六芒宇宙には過去に二度ほど訪れたことがあるけれど、良い世界だから仲間に入れてほしいって頼むんだよ。もちろん、レンナちゃんだから快く引き受けてくれる。そしたら童子は「ありがとう」って云って、天窓の鍵の中にポワンと入っちゃうんだ」
「フンフン、なるほど」
いつの間にか、全員が聞き耳を立ててナタルの話を聞いていた。
ポールが円卓の反対側で身を乗り出して言った。
「採用!」
「ナタル、そんないい話、小声で話すなよ。テレパスで補聴しちゃったじゃないか」
アロンが呆れつつ笑って言った。
「一番レンナさんに寄り添ったイメージじゃないでしょうか」
ニコニコしてランスが褒める。
「——やればできるんじゃねぇか!」
タイラーはそう言ったが、オリーブに優しく諫められた。
「ね? ナタルには猛々しくなっちゃダメなんだってば」
「なんだか絵本にしたくなっちゃうわね」
「それだ――!」
「どれ?」
キーツが反射的にボケると、ポールはがっくりしたがめげずに言った。
「いや、だからさ。俺たちがレンナちゃんに何ができるかって、いっつもぼんやり話してたじゃない。今の話、全部筋立てて絵本にするってのはどうだい⁈」
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