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第14話『長老への報告』

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「いやぁ驚いたねぇ。久々なんじゃない、新入生は」
 ポールはそう言ったが、マルクたち理性派は渋い顔だ。
「そんな能天気に言ってられる問題じゃないぞ」
「なんで?」
「どうしていきなり童話の里に来られるんだ? 新入生はこっちから迎えに行くのが基本だぞ」
「そういえばそうだね……たがが緩んでるんじゃないの?」
 キーツが言うと、アロンが聞き返す。
「このところの奇跡続きで?」
「そう。だってそうとしか思えないじゃん」
「まさか、もう生命の樹の選民が始まってるんじゃないだろうな」
 タイラーが言って、みんなざわつく。
「まさか……透視していたけれど、あの人たちは見るからに額に汗する善人そのものだったわ。思考もオーラも明快で何の問題もなさそうだったけれど」
 トゥーラが考え込む。
「それより何より長老に報告しなくては。私ちょっと行ってきます」
「あ、俺も行きます!」
 ランスとルイスは連れ立って集会所を出て行った。
「それなら一発でわかる方法があると思うんだけど……」
 ナタルが遠慮がちに言うと、マルクが聞き返す。
「なんだって?」
「ほら、あの生命の樹と万世の魔女の夢だよ。あれが通じる一般の人なら、童話の里に来られてもおかしくないよ」
 理性派はみんな目が点になる。
「あったまいい――!」
 ポールとキーツが声を揃える。
「いやぁ」
 照れるナタル。頭を振りながらマルクが言った。
「……よし、お三方が今度来た時確かめよう」
と、そこへ長老を伴ってランスたちが戻ってきた。
「みんなご苦労さん。また君たちが変化の波を捉えたね」
 セイル長老は席を勧められ座った。
「セイル長老……今、ナタルからの提案で、生命の樹と万世の魔女の夢を新入生に確かめては、という意見が出ました」
「なるほどの……その夢を見ていれば、疑いなく我々の協力者というわけじゃな」
「はい」
「フム……では、今後もそういう一般人が童話の里にやってくる可能性もあるわけだ」
「そうですね……どうしましょうか?」
「顧問を立てるか。君たちは忙しそうだから、修法者がいいだろう。アインスに就かせよう。そのお三方は農家だったんじゃな?」
 アインス・エターナリストは、長老を補佐する修法者で中堅の43歳だ。
「はい」
「では、農家のノウハウを手ほどきしてもらえる。持ちつ持たれつ、里の精神じゃよ」
 みんなから安堵の声が上がった。
「里に突然来られるなら、それを見つけて通す案内人が必要だが……NWSで引き受けてもらえんかね?」
「そうですね。噴水広場まで来てくれれば、私たちが一番目に入りますから、融通しやすいですし、な?」
 マルクに言われてみんな頷く。
「外で仕事してるリーダーを当番にしましょ。あとはNWS全員に共有ということで」
 オリーブが手を打って言って、全員が拍手で締め括った。
















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