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第17話『再び炎樹の森へ』
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「あ、レンナさんですか。こんばんは、ランスです。今大丈夫ですか? ありがとうございます。早速、お伺いしたいことが。炎樹の森の仕事のことで、その後何かフォローしましたか? ああ、すぐに詫び状を出したんですね。その返事は――? そうですか……仕方ないですね。実は私たちで信頼回復に努めていきたいと考えてまして……任せていただけませんか? はい……はい、わかりました。すみません、急に。失礼します」
マルクもアロンも二の句が継げないでいた。半ば強引に進行してしまうランスは、大変頼もしかった。
「……レンナさんは仕事の中止後、すぐに詫び状を出したそうなんですが、返事は届かなかったそうです。降霊界を通じて、最優先事項を推進するように進言があったそうですが。とても寂しい思いをなさったんだろうと。それ以上何もできなくて、気になっているのだけれども、ということでした」
「ほらな、お年寄りをないがしろにすると、ツケが回ってくるだろ」
ノリヒトは言って、生ビールをガ―ッと呷るとまた言った。
「今からみんなで往っちゃどうだい」
「ええっ」
「今から?」
マルクとアロンは呆気に取られたが、ランスは言った。
「それはいいですね。お土産は何がいいでしょうか?」
「やっぱ酒だろ。あれがいい、大吟醸『情合い』」
「早速、買ってきます」
「俺んちの近くのほろや酒店なら置いてるぜ」
「畏まりました」
「二本な! 一本は森への神酒だ」
「はい」
言ってランスは店の出口へと千鳥足で歩いていった。
「お姉ちゃん、勘定!」
ノリヒトが大声を上げると、女性店員が飛んできた。
「今日は早いんですね」
「悪りぃなぁ。ちと寄るところができちまってな。料理詰めてくれ」
「畏まりました」
店員が貸し出し容器を取りに行く。
「ほれ、行くぞ」
ノリヒトが二人を促す。マルクが席から見上げながら言う。
「いや、ノリヒトさん、日を改めた方が……先方にも失礼じゃないですか」
「失礼してんのはこっちだろ。それにな、老人には一人の夜が殊の外堪えんのよ。困惑すんのは最初だけ。へへっ、きっと喜ぶぜぇ」
確信を持ってノリヒトは断言した。
アロンの「どうするんだよ」という視線に首を振るマルク。
二人にはどうにも止められなかった。
店の前で待っていると、ランスが通りの向こうから走ってきた。
手には二本の酒瓶が。
「お待たせしました!」
「お、あったかい?」
「ええ、ちょうど待ってたみたいに二本ね」
マルクとアロンは二人しておもたせを持ちながら、二人して溜め息をついた。
これで決定だ。
気が進まない二人に対し、ノリヒトとランスは大乗り気だ。
「んじゃ、出発——!」
店の脇道の陰からテレポートするのだった。
マルクもアロンも二の句が継げないでいた。半ば強引に進行してしまうランスは、大変頼もしかった。
「……レンナさんは仕事の中止後、すぐに詫び状を出したそうなんですが、返事は届かなかったそうです。降霊界を通じて、最優先事項を推進するように進言があったそうですが。とても寂しい思いをなさったんだろうと。それ以上何もできなくて、気になっているのだけれども、ということでした」
「ほらな、お年寄りをないがしろにすると、ツケが回ってくるだろ」
ノリヒトは言って、生ビールをガ―ッと呷るとまた言った。
「今からみんなで往っちゃどうだい」
「ええっ」
「今から?」
マルクとアロンは呆気に取られたが、ランスは言った。
「それはいいですね。お土産は何がいいでしょうか?」
「やっぱ酒だろ。あれがいい、大吟醸『情合い』」
「早速、買ってきます」
「俺んちの近くのほろや酒店なら置いてるぜ」
「畏まりました」
「二本な! 一本は森への神酒だ」
「はい」
言ってランスは店の出口へと千鳥足で歩いていった。
「お姉ちゃん、勘定!」
ノリヒトが大声を上げると、女性店員が飛んできた。
「今日は早いんですね」
「悪りぃなぁ。ちと寄るところができちまってな。料理詰めてくれ」
「畏まりました」
店員が貸し出し容器を取りに行く。
「ほれ、行くぞ」
ノリヒトが二人を促す。マルクが席から見上げながら言う。
「いや、ノリヒトさん、日を改めた方が……先方にも失礼じゃないですか」
「失礼してんのはこっちだろ。それにな、老人には一人の夜が殊の外堪えんのよ。困惑すんのは最初だけ。へへっ、きっと喜ぶぜぇ」
確信を持ってノリヒトは断言した。
アロンの「どうするんだよ」という視線に首を振るマルク。
二人にはどうにも止められなかった。
店の前で待っていると、ランスが通りの向こうから走ってきた。
手には二本の酒瓶が。
「お待たせしました!」
「お、あったかい?」
「ええ、ちょうど待ってたみたいに二本ね」
マルクとアロンは二人しておもたせを持ちながら、二人して溜め息をついた。
これで決定だ。
気が進まない二人に対し、ノリヒトとランスは大乗り気だ。
「んじゃ、出発——!」
店の脇道の陰からテレポートするのだった。
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