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第20話『NWS、稲刈りを体験す』
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宇宙の九月献舞の三十日、日曜日——。
真央界、南端国メーテス郊外のユーフォルビア地区にある、ノリヒトたちの田んぼにNWSメンバーが集合していた。
久しぶりにリーダー10人が顔を揃え、参加者も92人と、八割方参加している。
——真央界での集団テレポートは禁止されているので、現地集合と相成った。
名簿をチェックしていたトゥーラが、隣で新品の鎌をチェックしていたオリーブに声をかける。
「みんな気合十分ね。10分前どころか、1時間前に全員集合よ」
「そう? 普段は集会所と倉庫に詰めっぱなしだから、久々のイベントで浮かれてるんじゃないの」
「……オリーブもね」
白いTシャツにジーパン、腕カバーにショート丈の長靴。
カエリウスから帰ってきたばかりだというのに、準備万端である。
「わかる? アースフォローアップの余波で、気持ちが先走っちゃうのよねぇ」
ウキウキしながら笑う表情が、底抜けに明るい。
「向こうでいいことがあったんでしょ」
「まぁね! 手料理を食べてくれたら、その勢いでプロポーズされちゃった。
キャッ」
「ふーん」
トゥーラがその浮かれぶりに見物を決め込む。
「いいとこ見せられたんだ、よかったじゃない」
「それはトゥーラたちのおかげかな。前もって予習しておいたのがよかったみたい。料理が楽しくなってきたし、いいことずくめ! ありがとうね」
「どういたしまして。せっかく料理に目覚めたんだから、途中で放り出さないでね。道は険しいわよ」
「……どうしたの、トゥーラ。得意分野なのに落ち込んじゃって」
「今月の初めの頃の話なんだけど……ナタルの奥さんのクリスタさんに会ったの」
「へぇ……それで?」
「クリスタさんは表の修法者なんですって。知ってた? 修法者は降霊界の秘伝のレシピを検索し放題なのだそうよ」
「……それって、すごいの?」
「それはもう――異世界料理まで有してるみたいなの」
「……」
「ポールと二人で撃沈よ。だから、修法者の認定試験をリーダー間で一番最初の組にしてもらおうと思ってるわけ。——あまりわかってないでしょ?」
「だって、私はまだ料理の世界の入口に立ったばっかりだもん。トゥーラの境地には程遠いよ」
「早く到達してよ」
「無茶苦茶言わないでよ。じゃあ、プロポーズは認定試験受けるまでお預け?」
「えっ? それはちょっと。「結婚するんだぜ」ってその時宣言してたけれど」
「——状況がわかんないんだけど」
「ああ、ナタルの娘さんのマギーちゃんに私たちの関係を説明するのに、ちらっと言ってみたって感じだったな。ポールはあの通り語彙が豊富だし、冗談紛れにはしないと思うけど」
「なるほど。そこはやっぱり決めてほしいよね。キャラが三枚目でも」
「うん、まぁ……ね。ランスさんも婚約するって言うし、ルイスも彼女が見つかったみたいだし、なんていうか曖昧になりそうなのよね」
「えっ、何それ? 初耳なんだけど」
「ランスさんは同じ班のアヤさんとそういう関係だったみたいよ。永い春ってことね。それから、ルイスはハルニレちゃんのことをランスさんに焚きつけられて、その気になったらしいわ。来月のバザーの手伝いを頼まれた時にわかったの。アテられそうね……」
「はぁ、そう! あっちこっちで恋の火花が。どうしちゃったんだろうね、NWS」
オリーブが天を仰いだ。
真央界、南端国メーテス郊外のユーフォルビア地区にある、ノリヒトたちの田んぼにNWSメンバーが集合していた。
久しぶりにリーダー10人が顔を揃え、参加者も92人と、八割方参加している。
——真央界での集団テレポートは禁止されているので、現地集合と相成った。
名簿をチェックしていたトゥーラが、隣で新品の鎌をチェックしていたオリーブに声をかける。
「みんな気合十分ね。10分前どころか、1時間前に全員集合よ」
「そう? 普段は集会所と倉庫に詰めっぱなしだから、久々のイベントで浮かれてるんじゃないの」
「……オリーブもね」
白いTシャツにジーパン、腕カバーにショート丈の長靴。
カエリウスから帰ってきたばかりだというのに、準備万端である。
「わかる? アースフォローアップの余波で、気持ちが先走っちゃうのよねぇ」
ウキウキしながら笑う表情が、底抜けに明るい。
「向こうでいいことがあったんでしょ」
「まぁね! 手料理を食べてくれたら、その勢いでプロポーズされちゃった。
キャッ」
「ふーん」
トゥーラがその浮かれぶりに見物を決め込む。
「いいとこ見せられたんだ、よかったじゃない」
「それはトゥーラたちのおかげかな。前もって予習しておいたのがよかったみたい。料理が楽しくなってきたし、いいことずくめ! ありがとうね」
「どういたしまして。せっかく料理に目覚めたんだから、途中で放り出さないでね。道は険しいわよ」
「……どうしたの、トゥーラ。得意分野なのに落ち込んじゃって」
「今月の初めの頃の話なんだけど……ナタルの奥さんのクリスタさんに会ったの」
「へぇ……それで?」
「クリスタさんは表の修法者なんですって。知ってた? 修法者は降霊界の秘伝のレシピを検索し放題なのだそうよ」
「……それって、すごいの?」
「それはもう――異世界料理まで有してるみたいなの」
「……」
「ポールと二人で撃沈よ。だから、修法者の認定試験をリーダー間で一番最初の組にしてもらおうと思ってるわけ。——あまりわかってないでしょ?」
「だって、私はまだ料理の世界の入口に立ったばっかりだもん。トゥーラの境地には程遠いよ」
「早く到達してよ」
「無茶苦茶言わないでよ。じゃあ、プロポーズは認定試験受けるまでお預け?」
「えっ? それはちょっと。「結婚するんだぜ」ってその時宣言してたけれど」
「——状況がわかんないんだけど」
「ああ、ナタルの娘さんのマギーちゃんに私たちの関係を説明するのに、ちらっと言ってみたって感じだったな。ポールはあの通り語彙が豊富だし、冗談紛れにはしないと思うけど」
「なるほど。そこはやっぱり決めてほしいよね。キャラが三枚目でも」
「うん、まぁ……ね。ランスさんも婚約するって言うし、ルイスも彼女が見つかったみたいだし、なんていうか曖昧になりそうなのよね」
「えっ、何それ? 初耳なんだけど」
「ランスさんは同じ班のアヤさんとそういう関係だったみたいよ。永い春ってことね。それから、ルイスはハルニレちゃんのことをランスさんに焚きつけられて、その気になったらしいわ。来月のバザーの手伝いを頼まれた時にわかったの。アテられそうね……」
「はぁ、そう! あっちこっちで恋の火花が。どうしちゃったんだろうね、NWS」
オリーブが天を仰いだ。
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