パイオニアオブエイジ~NWSかく語りき〜

どん

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第20話『7班と8班』

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 右隣の7班では、キーツが男性メンバーにからかわれながら稲を刈っていた。
「キーツさん、いよいよデビューですね」
「うん、まぁね」
 キーツは心ここにあらずという感じだ。
「曲作りのために生産修法の仕事休んでますよね。——どんな曲書いてんですか?」
「ちょっとここで歌ってみてくださいよ!」
「ダメだよ、発表するまでは封印、封印」
「ちぇーっ、ケチ!」
 しかし、よくよく耳を澄ましてみると、小さくフレーズを確かめながら歌っているのだった。
「班長ー! そろそろ棒を立てて」
「稲が蒸れちゃうわ」
「OK!」
 軽い調子で女性メンバーのところへ行くキーツ。
 彼女たちは全員キーツより年上だった。どういうことが起こるかというと……。
「班長、私もう手が痺れちゃったわ」
「私も私も! ヒーリングして」
「ダメでしょ、ここは真央界なんだから」
「えーっ、久々なのに冷たい!」
「せっかくデビューのお祝いに、みんなで衣裳を進呈しようと思ってるのにぃ」
「……どうせキンキラキンの色物でしょ。それでなくてもちっこいのに、衣裳負けするなんて嫌ですよ」
「まっ、かわいくない。うふっ、そこがかわいいー!」
「ねーっ!」
 ささやかな抵抗がお姉さん的にツボなのだった。

(相変わらずナメられてるな……)
 右隣の8班リーダー、タイラーはキーツのことを苦々しく思っていた。
 彼の班は基本、私語厳禁。仕事も無駄なくスムーズ。理想的なリーダーシップだった。ちょっとでも威厳をキーツに分けたいくらいである。
 2mの棒を田んぼに突き立てるのに、他の男性メンバーが苦戦している中、タイラーだけは4度ほどで棒が立つのだった。手を貸しながらコツを教える。
「株元に近いところに刺そうとしても、根の張りが邪魔してうまく突き立てられないぞ。だから、株と株の中間あたりがポイントだ。やってみろ」
「はい!」
 従順なのはいいことだが、手応えがないな、などと思っていると珍客があった。
「タイラー!」
「……オリーブ、どうかしたのか?」
 オリーブが太陽みたいな笑顔を見せて言った。
「どうかしないと来ちゃいけないの? 陣中見舞いよ。相変わらず頭コチコチなんだから」
 プッ、クスクスと笑いが漏れる。それをタイラーがちらっと見ただけで、さっと仕事に集中するメンバー。
「あらら、まるで恐怖政治ね。——息抜きもたまには必要だよ?」
「といっても、メリハリがないのはな……」
「見てみて―! 稲が束ねられるようになったの。こうでしょ、こう、ほら!」
「——全然聞いてない」
 このやり取りに我慢できず、メンバーが吹き出して大笑いになった。
「アッハッハッハ」
「オリーブさん、最高!」
 途端に空気が和らぐ。オリーブ効果だった。
「ね? 弱みを見せてもいいんだってば。私なんかミルラに教えてもらってばっかりだよ。それでも班長として立ててくれるもん。怖い目してないで、わかった?」
「了解、奥さん」
「よろしい!」
 大いに満足してオリーブは戻っていった。
 タイラーは咳払いして、諦めたように言った。
「ま、何事もほどほどにな」
「はい!」


















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