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第22話『NWS女子の使命感』

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「ひとしきりうんざりしたところで、NWSはその時どうするかってことなんだが」
 マルクが改めて全員に問う。
「はい」
「どうぞ、オリーブ」
「私が考えていたのは……いくら悪党相手と言っても、NWSは女性メンバーが多いんだから、そうそう引っ込んでられないでしょう、ってこと。だから、護身術かそうでなければ自前でバリアー張れるくらいまでレベルを上げて、もしもの時に備える必要があると思うのよ」
「それはまさに付け焼き刃じゃんか! 考えてもみなよ、男に迫られていちいち逃げ回るんじゃ、仕事になんないでしょうが」
 ポールが即座に反対する。オリーブは引き下がらなかった。
「……みんな忘れてると思うけど。炎樹の森の仕事は危険と隣り合わせだったにもかかわらず、女子は全員参加だったでしょ? ウチの子たちは使命感に燃えてんのよ。……悪党だろうが何だろうが、大人しく黙っちゃいないと思うわよ。私も抑えきれないし」
「うーん」
 弱りきった様子のマルク。アロンがトゥーラに尋ねた。
「トゥーラの意見は?」
 トゥーラは首を振って言った。
「オリーブができないのに私にできると思わないで。今のところ、女子メンバーから話は出てないけれど、話題に上ったら……それを可能にする妙案・珍案が飛び出すこと請け合いね」
「タイラーの意見は?」
「基本的には反対だ。だが……」
「だが?」
「無謀なやつがいないとも限らんから、はけ口として万武・六色をレクチャーするのは別に反対しない。無理があるとわかれば、女性は意見を通そうとは思わないだろうからな」
「まぁね……」
 オリーブも同意する。どうやら意見のすり合わせは済んでいるらしい。
「なんかこう……悪党相手に後手に回るしかないってのが、げんなりだね」
 アロンがガクッと頭を項垂れる。
「女子はまだましかもしれないぞ。ウチの男の中には、99.9%安全な炎樹の森の仕事でさえ断ってるのがいるからな。どちらかというと、俺は男どもを鍛え直したいんだ」
 タイラーが腕を組みながら鼻を鳴らすと、オリーブがボソッと言った。
「タイラーがやる気出したら、別の理由で逃げだすメンバーが出てくるよ」
「別の理由——?」
「熱血指導についていけなくて。タイラーのリーダーシップは、NWSでは局所的なら効果があると思うわ」
「……」
「女子ウケはするんじゃないの?」
 キーツが藪を突いた。
「……それで女子に甘い顔したら……どうなるかわかってるんでしょうね⁈」
「好意もないのに他の女に甘い顔するやつと婚約したのか、君は?」
 形勢逆転。ボッと顔を赤くするオリーブ。
「はいはい、ご馳走さん」
 まったく取り合わないポール。他のリーダーも同様である。勝手にしなさい、と各々が言っている。
「いいなぁ、いいなぁ。リーダー会議にロマンスありきなんて、NWSくらいじゃないか?」
 ハンスがありがたくない感想を漏らした。


















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