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第22話『アトラクション』
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エメラの申し出は、先ほどまでの倦んだ雰囲気を吹き飛ばすのに十分だった。
彼女は云う。
「皆さん、さすがですわ。これは土地の浄化が完了したパラティヌスだからできることなんです。国を丸ごと使ったアトラクションなんて、かつて実現したことはありませんでした。みんなで遊びましょう!」
「で、冒険でレベルアップして童話の里に入れる頃には、俺たちとまともに話し合いができるようになってるってことだな?」
こういうことが苦手なタイラーも、話し合いに参加する。
「その通りです。彼らにはたくさんお勉強していただきます。機会は今この時も与えられているはずなのです。気づかないのは、自らが光なのを知らないから。喩え魂が鍛錬のために敢えて不善に走ることを選択していても、平等にチャンスは隣で佇んでいます。そのための世界の大変革です。もし機会を逃したとしても、導きが絶えることはありません。それが世界の理です」
「わぁ……」
こういった神託に触れる機会は、童話の里でも滅多にない。
エメラの存在の奥の奥。
深き慈しみが生まれいずる処へ、十人は誘われた。
「人魚のエメラさんから聞くと、また格別ですね……」
ルイスが感動して溜め息をつく。
「内宮様の啓示が降りてきたみたい」
オリーブも頬に手を当ててポ~ッとする。
「本当にそうね」
エメラそっくりの柔和な笑みを浮かべて、トゥーラが言う。
「よーし、ノッてきた! みんなで因果界を盛り上げて、悪党を一人残らず笑かしてやろうぜ!!」
ポールが例によってリーダーたちを鼓舞する。
集会所に光が満ちた。
それはいつ弾けてもおかしくなかった。
アウェンティヌス因果界・風刺の里——。
一部始終を透視していたエンドルフィン・ハイアーは、椅子の背もたれに背中を預けてフウッと吐息をついた。
そしてニヤッと笑うと、側で伝票とにらめっこしているハンスに言った。
「ハンス、お茶!」
「はいーっ!」
「ったく、あの子たちと比べてあんたたちは、何の取柄もないんだから! 怠慢よ、怠慢」
「すっ、すみません」
そそくさとエンドルフィン好みの熱すぎで渋すぎる緑茶差し出して、ハンスはおずおずと聞いた。
「あの……NWSはどうでしたか?」
ズズッとお茶を啜って、エンドルフィンは言った。
「フン! やっぱり上からお声がかかるはずよ。手に負えないことでも何とかしましょうってひたむきさが、ちゃんと助けを引き寄せてるわ。あんたたちランドスケープオブメルシーもね、恵まれた身分に安住してたら、いつまで経ってもそのままよ。ちったぁNWSから学びなさい!」
「はぁ、ごもっともで」
「あんたたちと来た日にゃ、NWSから仕事もらって糠喜び……情なさすぎて涙ちょちょぎれよ。大体、棚ボタ期待してる時点で社会人失格じゃないよ。どうなの? このふてぶてしさ!」
「すみません……」
このお説教、始まると二時間はエンドレスなのだった。
ハンスはすっかり覚悟したが、この時は違った。
「しょうがないからあたしが面倒見てやるわよ。ほら、行くよ。長老に事情を説明しに。あんたは鞄持ち! ついてきな!!」
「はい――!!」
彼女は云う。
「皆さん、さすがですわ。これは土地の浄化が完了したパラティヌスだからできることなんです。国を丸ごと使ったアトラクションなんて、かつて実現したことはありませんでした。みんなで遊びましょう!」
「で、冒険でレベルアップして童話の里に入れる頃には、俺たちとまともに話し合いができるようになってるってことだな?」
こういうことが苦手なタイラーも、話し合いに参加する。
「その通りです。彼らにはたくさんお勉強していただきます。機会は今この時も与えられているはずなのです。気づかないのは、自らが光なのを知らないから。喩え魂が鍛錬のために敢えて不善に走ることを選択していても、平等にチャンスは隣で佇んでいます。そのための世界の大変革です。もし機会を逃したとしても、導きが絶えることはありません。それが世界の理です」
「わぁ……」
こういった神託に触れる機会は、童話の里でも滅多にない。
エメラの存在の奥の奥。
深き慈しみが生まれいずる処へ、十人は誘われた。
「人魚のエメラさんから聞くと、また格別ですね……」
ルイスが感動して溜め息をつく。
「内宮様の啓示が降りてきたみたい」
オリーブも頬に手を当ててポ~ッとする。
「本当にそうね」
エメラそっくりの柔和な笑みを浮かべて、トゥーラが言う。
「よーし、ノッてきた! みんなで因果界を盛り上げて、悪党を一人残らず笑かしてやろうぜ!!」
ポールが例によってリーダーたちを鼓舞する。
集会所に光が満ちた。
それはいつ弾けてもおかしくなかった。
アウェンティヌス因果界・風刺の里——。
一部始終を透視していたエンドルフィン・ハイアーは、椅子の背もたれに背中を預けてフウッと吐息をついた。
そしてニヤッと笑うと、側で伝票とにらめっこしているハンスに言った。
「ハンス、お茶!」
「はいーっ!」
「ったく、あの子たちと比べてあんたたちは、何の取柄もないんだから! 怠慢よ、怠慢」
「すっ、すみません」
そそくさとエンドルフィン好みの熱すぎで渋すぎる緑茶差し出して、ハンスはおずおずと聞いた。
「あの……NWSはどうでしたか?」
ズズッとお茶を啜って、エンドルフィンは言った。
「フン! やっぱり上からお声がかかるはずよ。手に負えないことでも何とかしましょうってひたむきさが、ちゃんと助けを引き寄せてるわ。あんたたちランドスケープオブメルシーもね、恵まれた身分に安住してたら、いつまで経ってもそのままよ。ちったぁNWSから学びなさい!」
「はぁ、ごもっともで」
「あんたたちと来た日にゃ、NWSから仕事もらって糠喜び……情なさすぎて涙ちょちょぎれよ。大体、棚ボタ期待してる時点で社会人失格じゃないよ。どうなの? このふてぶてしさ!」
「すみません……」
このお説教、始まると二時間はエンドレスなのだった。
ハンスはすっかり覚悟したが、この時は違った。
「しょうがないからあたしが面倒見てやるわよ。ほら、行くよ。長老に事情を説明しに。あんたは鞄持ち! ついてきな!!」
「はい――!!」
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