8 / 8
一目惚れだよ
しおりを挟む
学年の問題児、中村くんが美術部にやってきたのは私がこの学校にやってきた頃と同じ、4月のことだった。問題児といっても素行が悪いというわけではない。うちの学校では必須の部活動に、彼は断固として参加しなかった。学年主任いわく、1年生の時からずっとらしい。どんなに担任が入るよう説得しても、彼は入部届に名前すら書かなかったそうだ。
「2年B組、中村宗介です。絵とかはあんまり得意じゃないし、美術も苦手だけど頑張ります」
新学期最初の部活動だというのにやってきた部員はひとりもおらず、新入部員も彼以外にはいなかった。美術室の真ん中で私ひとりだけの拍手が、ぱらぱらと桜の花のように散っていった。
単に活動が楽な部活、というなら他にもいくつかあった。彼が、急にどうして美術部に入部したのか。しばらくの間、職員室はその話題で持ちきりだった。
「中村くんね。私は三浦はるのです。私の担任はC組だから、ひとつ隣のクラスだね。今年採用されたばかりの新人だから色々至らぬところはあると思うけど、私も精一杯頑張ります!」
お互いに自己紹介を済ませてから、美術部の活動について軽く説明した。とはいっても、前任者の先生が言っていたことをそのまま伝えただけだ。
「うちの美術部は適当……じゃなくて生徒の自主性に任せているから、基本何をしてもオッケーです。一応、週に2日の活動日は決まっているけれど、そこも必ず来なくちゃいけないというわけではないから、気負わず気楽にやっていこうね」
ん、わかった。と彼は返事をした。今日は新学期のはじめだから、オリエンテーションをして終わりにする予定だったけれど、来たのが中村くんだけだったので予想外に時間が余ってしまった。そのまま解散、ということにしようかとも思ったけれど、開始3分で解散というのもなんだか寂しかった。
「一応、今日の予定はこれでおしまいなんだけど……どうする? 何か描いてみる? それか、立体を作ってもいいよ。粘土はたくさんあるから」
「じゃあ、絵を描くよ」
私は物置状態になっている美術室の後ろからまだ余りのあるスケッチブックを取り出して、鉛筆と練り消しゴム、カッターを彼に手渡し、道具の使い方を説明した。
「ええっと、モチーフはどうしよう。中村くん、何か描きたいものはある?」
この学校の美術室には、モチーフ用のフェイクフルーツや造花、花瓶や置物なんかがたくさんあった。選択肢が多すぎると逆に迷ってしまうのが人間というものである。初心者でも描きやすいもの、とふるいにかけてもモチーフは山のようにあって、私は困ってしまった。
「それじゃあね。俺は、三浦先生が描きたい」
「えっ……私を?」
うん、と彼は頷いた。どうして私なんかを……とは思ったけれど、もしかして人物が描きたいのかなと思い、私は納得した。絵が苦手だ、という生徒に人物画は少しハードルが高いかな、とも考えた。けれど初めは特にやりたいことをやるのが一番いいと思い、私はモデルを引き受けた。
私も少し描きたい気分だったので、お互いの顔を描き合うことにした。机をくっつけて中村くんと向かい合って座り、鉛筆を動かす。絵を描くときは対象をよく見て観察するから、モチーフとなる中村くんの顔をよく見ることになった。
「中村くんは、綺麗な顔をしているね」
それはお世辞でもなんでもなく、本心からの賛辞だった。そのくらい、彼は整った顔をしていた。きっと私が同い年だったら、一目惚れをしてしまうだろうと思うほどに。
「三浦先生だって、化粧っ気はないけど綺麗じゃん? 俺、可愛いと思うけど」
彼はなんの恥ずかしげもなく、そう言った。私はからかわれているのかと思い、大人をからかうんじゃありません。と真面目な態度で返した。
「そう? 案外、俺は真面目に言ってるのかもよ?」
一瞬どきりとさせられたけれど私はすぐに我に帰って、もう! と顔を赤くしたまま彼を叱った。なぜだか彼は満足げに、にこにこと私のことを眺めていた。
私たちは絵を描きながら、いろいろな話をした。彼氏いるの? なんて聞かれたりして、なんだか私まで高校生に戻ったような、そんな気分だった。休日の過ごし方や今までの恋愛遍歴(全くないが)を話したところ、彼は
「じゃあ、先生はあれだね。干物女ってやつ」
とズバリ言い切ってしまった。思わず喉がうぐ、となったものの事実には変わり無いためなんとか堪えて、そうかもねと相槌を打った。
「今日から三浦先生のこと、干物ちゃんって呼んでもいい? なんか、可愛いじゃん? 干物ちゃんって。それに、あだ名があると仲良くなれた感じがする」
干物ちゃん。言いやすいし、なんだか可愛いあだ名のような気がした。23で干物、と言われるのに全く不満がないわけではなかったけれど。
話しながら夢中で手を動かしているうちに、どんどんと絵が進んでゆく。ここ数週間は忙しくてまともに鉛筆を持てていなかったから、やはり腕が鈍っていた。大学時代の恩師がたびたび口にしていた、絵は毎日描け。3日も休めば下手になるぞ。という言葉が頭の中で再生された。
1時間半ほどで、私も中村くんも絵が完成した。お互いに描いた絵を見せ合うと、彼は目を丸くしてしげしげと私の絵を眺めていた。
「干物ちゃん、絵うっま。画家みたい」
そんなことないよ、と私は謙遜した。実際、私は大学の中では真ん中くらいの画力で、取り立てて個性もない平凡な画学生だったからだ。
それを伝えてもなお、彼は私を褒め称えた。無個性だし、大してうまくもないね。と意地の悪い教授になじられていた学生時代の私が聞いたら涙を流して喜ぶだろうな、と思った。
「中村くん、本当に絵が苦手なの? すごく上手に描けていると思うけど」
そんなふうに言いたくなるくらい、彼の絵は初心者離れしていた。もちろん荒削りな部分もあったけれど、それでもモチーフである私の顔の表情をよく捉えていて、私が同い年の頃よりもずっとうまく描けていた。
「なんていうか、俺さ。想像したものを描くのが苦手なんだ。頭にうまく浮かばないっていうか。見たものをそのまま描く方が楽しくて好きかも」
彼は続けた。
「でも絵ってさ、ゴッホとかピカソとかが素晴らしいって世界なんでしょ? 俺はそういうのがうまく描けないから。だから、絵が苦手って言ったんだ」
別に、抽象的だったり想像的なものだけが絵ではない、ということを彼は知らなかったらしい。見たまま描く写実絵画でも素晴らしい作品はたくさんあるということを伝えた。彼はそのことを聞いて、目を輝かせた。
「本当は俺、小さい頃、絵を描くのが結構好きだったんだ。いつの間にかやめちゃってたけど、またやってみようかな」
私は全力で、それを薦めた。そうしないと勿体無い、と思ったからだ。間違いなく、中村くんには美術の才能がある。大学でたくさんの才能を見てきた私の直感がそう告げていた。
「中村くんは、どうして美術部に来てくれたの? ずっと部活に入るのを拒否してたって聞いたけど……」
私の問いに彼は、にこりと笑って答えた。
「一目惚れだよ。干物ちゃんに、一目惚れしちゃったから。だから入ったんだ。なんとも不純な動機でしょ?」
どうやら彼は人をからかうのが好きらしい。私はもうその手には乗らないからね、と言ってぷいと首を振った。
「本気にしちゃった?」
と言って、彼はにしし、と笑った。
こんな会話をした半年後、彼に強引なキスをされるなんて。この時は想像もできなかった。
「2年B組、中村宗介です。絵とかはあんまり得意じゃないし、美術も苦手だけど頑張ります」
新学期最初の部活動だというのにやってきた部員はひとりもおらず、新入部員も彼以外にはいなかった。美術室の真ん中で私ひとりだけの拍手が、ぱらぱらと桜の花のように散っていった。
単に活動が楽な部活、というなら他にもいくつかあった。彼が、急にどうして美術部に入部したのか。しばらくの間、職員室はその話題で持ちきりだった。
「中村くんね。私は三浦はるのです。私の担任はC組だから、ひとつ隣のクラスだね。今年採用されたばかりの新人だから色々至らぬところはあると思うけど、私も精一杯頑張ります!」
お互いに自己紹介を済ませてから、美術部の活動について軽く説明した。とはいっても、前任者の先生が言っていたことをそのまま伝えただけだ。
「うちの美術部は適当……じゃなくて生徒の自主性に任せているから、基本何をしてもオッケーです。一応、週に2日の活動日は決まっているけれど、そこも必ず来なくちゃいけないというわけではないから、気負わず気楽にやっていこうね」
ん、わかった。と彼は返事をした。今日は新学期のはじめだから、オリエンテーションをして終わりにする予定だったけれど、来たのが中村くんだけだったので予想外に時間が余ってしまった。そのまま解散、ということにしようかとも思ったけれど、開始3分で解散というのもなんだか寂しかった。
「一応、今日の予定はこれでおしまいなんだけど……どうする? 何か描いてみる? それか、立体を作ってもいいよ。粘土はたくさんあるから」
「じゃあ、絵を描くよ」
私は物置状態になっている美術室の後ろからまだ余りのあるスケッチブックを取り出して、鉛筆と練り消しゴム、カッターを彼に手渡し、道具の使い方を説明した。
「ええっと、モチーフはどうしよう。中村くん、何か描きたいものはある?」
この学校の美術室には、モチーフ用のフェイクフルーツや造花、花瓶や置物なんかがたくさんあった。選択肢が多すぎると逆に迷ってしまうのが人間というものである。初心者でも描きやすいもの、とふるいにかけてもモチーフは山のようにあって、私は困ってしまった。
「それじゃあね。俺は、三浦先生が描きたい」
「えっ……私を?」
うん、と彼は頷いた。どうして私なんかを……とは思ったけれど、もしかして人物が描きたいのかなと思い、私は納得した。絵が苦手だ、という生徒に人物画は少しハードルが高いかな、とも考えた。けれど初めは特にやりたいことをやるのが一番いいと思い、私はモデルを引き受けた。
私も少し描きたい気分だったので、お互いの顔を描き合うことにした。机をくっつけて中村くんと向かい合って座り、鉛筆を動かす。絵を描くときは対象をよく見て観察するから、モチーフとなる中村くんの顔をよく見ることになった。
「中村くんは、綺麗な顔をしているね」
それはお世辞でもなんでもなく、本心からの賛辞だった。そのくらい、彼は整った顔をしていた。きっと私が同い年だったら、一目惚れをしてしまうだろうと思うほどに。
「三浦先生だって、化粧っ気はないけど綺麗じゃん? 俺、可愛いと思うけど」
彼はなんの恥ずかしげもなく、そう言った。私はからかわれているのかと思い、大人をからかうんじゃありません。と真面目な態度で返した。
「そう? 案外、俺は真面目に言ってるのかもよ?」
一瞬どきりとさせられたけれど私はすぐに我に帰って、もう! と顔を赤くしたまま彼を叱った。なぜだか彼は満足げに、にこにこと私のことを眺めていた。
私たちは絵を描きながら、いろいろな話をした。彼氏いるの? なんて聞かれたりして、なんだか私まで高校生に戻ったような、そんな気分だった。休日の過ごし方や今までの恋愛遍歴(全くないが)を話したところ、彼は
「じゃあ、先生はあれだね。干物女ってやつ」
とズバリ言い切ってしまった。思わず喉がうぐ、となったものの事実には変わり無いためなんとか堪えて、そうかもねと相槌を打った。
「今日から三浦先生のこと、干物ちゃんって呼んでもいい? なんか、可愛いじゃん? 干物ちゃんって。それに、あだ名があると仲良くなれた感じがする」
干物ちゃん。言いやすいし、なんだか可愛いあだ名のような気がした。23で干物、と言われるのに全く不満がないわけではなかったけれど。
話しながら夢中で手を動かしているうちに、どんどんと絵が進んでゆく。ここ数週間は忙しくてまともに鉛筆を持てていなかったから、やはり腕が鈍っていた。大学時代の恩師がたびたび口にしていた、絵は毎日描け。3日も休めば下手になるぞ。という言葉が頭の中で再生された。
1時間半ほどで、私も中村くんも絵が完成した。お互いに描いた絵を見せ合うと、彼は目を丸くしてしげしげと私の絵を眺めていた。
「干物ちゃん、絵うっま。画家みたい」
そんなことないよ、と私は謙遜した。実際、私は大学の中では真ん中くらいの画力で、取り立てて個性もない平凡な画学生だったからだ。
それを伝えてもなお、彼は私を褒め称えた。無個性だし、大してうまくもないね。と意地の悪い教授になじられていた学生時代の私が聞いたら涙を流して喜ぶだろうな、と思った。
「中村くん、本当に絵が苦手なの? すごく上手に描けていると思うけど」
そんなふうに言いたくなるくらい、彼の絵は初心者離れしていた。もちろん荒削りな部分もあったけれど、それでもモチーフである私の顔の表情をよく捉えていて、私が同い年の頃よりもずっとうまく描けていた。
「なんていうか、俺さ。想像したものを描くのが苦手なんだ。頭にうまく浮かばないっていうか。見たものをそのまま描く方が楽しくて好きかも」
彼は続けた。
「でも絵ってさ、ゴッホとかピカソとかが素晴らしいって世界なんでしょ? 俺はそういうのがうまく描けないから。だから、絵が苦手って言ったんだ」
別に、抽象的だったり想像的なものだけが絵ではない、ということを彼は知らなかったらしい。見たまま描く写実絵画でも素晴らしい作品はたくさんあるということを伝えた。彼はそのことを聞いて、目を輝かせた。
「本当は俺、小さい頃、絵を描くのが結構好きだったんだ。いつの間にかやめちゃってたけど、またやってみようかな」
私は全力で、それを薦めた。そうしないと勿体無い、と思ったからだ。間違いなく、中村くんには美術の才能がある。大学でたくさんの才能を見てきた私の直感がそう告げていた。
「中村くんは、どうして美術部に来てくれたの? ずっと部活に入るのを拒否してたって聞いたけど……」
私の問いに彼は、にこりと笑って答えた。
「一目惚れだよ。干物ちゃんに、一目惚れしちゃったから。だから入ったんだ。なんとも不純な動機でしょ?」
どうやら彼は人をからかうのが好きらしい。私はもうその手には乗らないからね、と言ってぷいと首を振った。
「本気にしちゃった?」
と言って、彼はにしし、と笑った。
こんな会話をした半年後、彼に強引なキスをされるなんて。この時は想像もできなかった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり
もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。
そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う
これが桂木廉也との出会いである。
廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。
みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。
以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。
二人の恋の行方は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる