異世界でオンラインライフ！

第一章新たな生活の舞台・ガルディア

閑話 神々のやり取り

Side空王
アースのとある場所。こじんまりとしたカフェに人間の姿をした彼はいた。傍らにスマートフォンを置いて…。

「お？行ったか？」
「その様ですね」

彼はそのような言葉をこぼす。
そしてそのスマートフォンは流暢に彼に返答ををする。

「そんじゃあ駄女神にお説教しに行きますかねぇ…。」

そう言うと彼はテーブルに千円札を一枚おき、店を出る。そのままの足で人の目がない路地へと入る。

「《次元間転移》」

すると彼の姿は地上から消え去った。

「こんにちは、カルディナ、イリアス。」
「わっ！だっ誰⁉」
「くっ空王様!?!?何故ここに⁉」
「なんだ？いちゃいけないってか？」
「！いえ！そんなことは…」
「冗談冗談。用があるのはそっちのガルディアの創造神、カルディナにだよ。」
「わ、私に空王様がどのような御用でしょうか！」

そう言う彼女の顔には、冷や汗が流れていた。

「用件の前に…アースの創造神、イリアス。済まないが少し席を外してもらってもいいかな？」
「か、かしこまりました！」



「さて、カルディナ、何の用かは分かってるかな？」
「う、うう…」
「大丈夫、責めるつもりはないから。」
「ほ、本当ですか⁉」
「ああ。
遊びに来た他の神の世界でこの世界の存在を殺してしまったことも、
事前準備無しに単体とはいえ世界間転移を行ったことも、
神ではない存在に第ナントカ世界という呼び方を知らせた事も、
一人の存在に創造神の加護＋三つものユニークスキルを与えたことも、
世界間通信が可能な状態の機械を与えたことも、
『魔術』を土台とした世界に『科学』の物品を持ち込ませた事も、
これらの事を全て隠そうとしたことも、
何一つ怒ってないから安心してくれ。」
「ぜっだいにおごってるじゃないですか…」

そう言うカルディナは恐怖の余りに泣いていた。
空王は別に威圧やや殺気を放っているわけでもないにも関わらず、得体のしれない恐怖心に襲われていた。

「ははっ！ごめんごめん。ほんと～に怒ってないから。一つだけお願いを聞いてくれれば許してあげるし、後始末もしてあげるよ。」
「ほんどうですか？」
「ほんとほんと。だから泣き止んで、ほら。」

そう言うと空王は空間収納からハンカチを取り出し、カルディナの涙を拭いた。

「ありがとうございます…それで、お願いというのは…？」
「ああ…彼の………

そうして無事、カルディナは空王に許してもらえるのだった…。