頭の上に現れた数字が平凡な俺で抜いた数って冗談ですよね?

いぶぷろふぇ

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3.様子がおかしい白田君

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「え~っと、白田君? これはどういう……」

「う~ん、そうだね。今佐藤君を押し倒しているところだよ?」

 だからそれがどういうことって聞きたかったのに、白田君は綺麗な笑顔のまま俺を見つめるだけ。一体全体、どうしてこうなった!?


 待ちに待った放課後、白田君の家に行ったとこまでは良かったんだ。ちょうど部活も休みの日だったし、いつも一緒に帰ってるアイツらには先に帰ってもらって。歩いて10分ぐらいだったかな。見えてきたのは小綺麗な一軒家で、白田君流石なんて思いながらお邪魔して。
 で、今この状態。何故か白田君に押し倒されている。え? 俺なんかした? って咄嗟に思ったけど、思い当たる節は無い。白田君は変わらず笑顔で見つめてくるけど、その笑顔が急に怖く感じた。

「だって、佐藤君数字の意味が知りたかったんでしょ? ちゃんと俺の目見てる?」

「目ならちゃんと見て……って、アレ!?」

 白田君に言われてみて改めてじーっと見つめてみて、頭の上にぽかんと現れたその数字。そう、なんと1個進んで101になっていたのだ。

「えっ!? なんで!? 何したの!?」

「なんだと思う?」

 そんな事言われても、さっき白田君の家に着いたばっかりだし、準備があるから待ってて~って白田君が部屋から出てって、5分か10分かそれぐらい、ほんのちょっと1人で待ってたぐらいだ。こんな短時間で数字が変わったのを見たのは初めてだったから驚きすぎて何が何だか……

「ヒントは?」

「それを言ったらすぐ分かっちゃうよ」

 何一つピンと来なくて悩む俺をよそに、白田君はいやに楽しそうだ。……あれ、というか、そもそも押し倒さなくても良くないか? なんとなく流されてたけど、つまり白田君は目を合わせてって事を言いたかったんだよね? それなら、わざわざこんな平凡な、ましてや男同士でこんな格好とらなくてもいいはず。

「だって、こっちの方が佐藤君とよく目が合うから」

 えぇ……それは、まぁ、そうだけど。逆に俺が意識しすぎなのかってぐらい、白田君は当たり前でしょっていう態度で。
 うん、分かった。深く考えるのはやめよう、きっとアレだ、イケメンだから、こう……、近い距離でも大丈夫みたいな、そんなやつだ。うん、そうに違いない。
 自分を宥めるように必死に言い聞かせる。だって、そうでもしないとこの距離感に耐えられなくなるじゃん。白田君、かなりのイケメンだよ? 目の前で見つめられていい存在じゃないからね? もう、毛穴あるのっていうつるつるお肌だし、そんな所まで見えちゃう距離だからね?
 平静を装ってるつもりだけど、俺の気持ちがバレてるのか、白田君がくすくす笑う。イケメンの至近距離での笑顔、破壊力すごい。思わず釣られて愛想笑いみたいな、変な笑い方で笑っちゃった。

「佐藤君、さっきから考えてないでしょ?」

「ンっ!? そんな事は、ないよ。うん」

 そういえば数字の謎を当てるんだった。目の前の白田君に気を取られて、ついつい。
 でも、正直検討もつかないんだよなぁ。数字、数字……割とパッと変わる事も出来る何か……

「しょうがないなぁ。答えはね、オナニーだよ」

「へっ?」

「だから、オナニーの数」

 やっと答えを聞けると思ったら、白田君の口からはとんでもない言葉が出てきた。オナニー? え? いや、言葉自体は別に存在するけどさ、え?


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