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7.ロックオン
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でもクスミの考えも一理ある。
相手からの要求があればそれに応えようとするけど、その要求がレベルアップしてくると、応えるのが面倒になる。
ということは、オレは茉に無理難題を押し付ければ良いのだ。
もっとこういうオムライスを作れ、とか偉そうに言えばそのうち向こうからもういい!と切ってくれる可能性はある。
「でかした、クスミ!その方法でいこう]
名付けて「無理なオムライス要求大作戦」だ。
「直接言ったら口喧嘩になりそうな気がするからメールを使おう」
オレは携帯電話を取り出した。
幸い茉のメールアドレスはわかっている。
なぜか向こうが勝手にオレのアドレスをゲットしていて、メールを送ってきたからだ。
茉が情報通なのは有名だが、どういうルートでアドレス獲得に至ったかは謎だ。
こうして個人情報は知らないうちに盗まれるのだろう。
恐い。
「もう2度とオムライス作ってくるんじゃねーよって送っとけよ」
文字を入力しようとすると、横から兄キが口を出してきた。
「兄キ、人の話聞いてた?それだと効果ないんだって」
「オムライスもっとちょうだい作戦ですよ」
「何ー!?」
兄キは一緒にいて話を聞いていたはずなのに、時々何で理解できていないんだろうと思うことがある。
「オムライスをいっぱい作らせて疲れさせる作戦です」
クスミが思う作戦とオレの作戦は微妙に違うが、兄キに説明する分にはそんな違いはどうでもいいだろう。
「メデューサが疲れなかったらどうするんだ?」
「疲れますよ。攻撃するとMPも一緒に削られますし」
「あー、そういえばあいつそうだったな」
何だかよくわからないゲームの話で2人は盛り上がり始めたので、オレはその隙に茉にメールを送った。
『えぬたまのオムリッチを作ってくれ』
シンプルにこれだけ入力してえいっと送信した。
どうだ、これは作れまい。
オムライス専門店、えぬたまのオムリッチは庶民、ましてや高校生なんぞが食べられる代物ではない。
オムリッチを知らない諸君に説明しよう。
まずはピザを想像してもらいたい。
丸い円を2等分してそれぞれ違う味が楽しめるやつだ。
オムリッチはそんなピザのオムライス版である。
つまり1つのオムライスでありながら真ん中を境目に味が異なる。
真ん中から左側がチーズインオムライス。
包まれた卵の中にチーズが入っており、ライスはケチャップライスだ。
そして右側が鶏肉ゴロゴロオムライス。
デミグラスソースが絡んだライスの中に鶏肉がゴロゴロ入っている。
見た目はただのオムライス。
しかし真ん中で分けるとそれぞれ左右で別の味になっているという豪華な作り!
しかもチーズと肉という腹ペコ状態にはたまらない組み合わせ。
一体1つのオムライスをどういうふうにして2種類に作り分けているのか謎だが、手間がかかっているのだろう。
えぬたまの中で1番高価なオムライスとなっている。
高校生のオレが気軽に出せる値段ではないので今まで注文したことはないが、1度は食べてみたいという願望はある。
だからこの際、これをリクエストしてみようという作戦だ。
もしかするとえぬたまのオムライスを習得した茉であればオムリッチも作れるのではないか?
そのオムリッチであればオレも喜んで受け取ろう。
茉に作る気を失わせる作戦だったはずなのに、オムリッチのことを考えるとちょっと期待が高まってきてしまった。
返信はすぐに来た。
ブーブーと着信を知らせる振動を止めて、画面を開く。
さぁどういう返事だ?
オレは胸が高まった。
『(^^)b』
返事はもはや文字ではなかった。
OKだと思われる顔文字1つで表されていた。
「おい、見てくれこれ・・・」
オレは結果を知らせたくて顔を上げたが、そこには既に2人の姿はなかった。
メデューサの話からえぬえぬクエストのことで盛り上がり始めた2人は、知らない間に兄キの席へ移っていたのだった。
何だよ、昼食が済んだらオレは放置プレイか。
まぁ、えぬえぬクエストの話をここでうるさくされても邪魔だから構わない。
オレは1人で明日の昼食を楽しみに待つとしよう。
相手からの要求があればそれに応えようとするけど、その要求がレベルアップしてくると、応えるのが面倒になる。
ということは、オレは茉に無理難題を押し付ければ良いのだ。
もっとこういうオムライスを作れ、とか偉そうに言えばそのうち向こうからもういい!と切ってくれる可能性はある。
「でかした、クスミ!その方法でいこう]
名付けて「無理なオムライス要求大作戦」だ。
「直接言ったら口喧嘩になりそうな気がするからメールを使おう」
オレは携帯電話を取り出した。
幸い茉のメールアドレスはわかっている。
なぜか向こうが勝手にオレのアドレスをゲットしていて、メールを送ってきたからだ。
茉が情報通なのは有名だが、どういうルートでアドレス獲得に至ったかは謎だ。
こうして個人情報は知らないうちに盗まれるのだろう。
恐い。
「もう2度とオムライス作ってくるんじゃねーよって送っとけよ」
文字を入力しようとすると、横から兄キが口を出してきた。
「兄キ、人の話聞いてた?それだと効果ないんだって」
「オムライスもっとちょうだい作戦ですよ」
「何ー!?」
兄キは一緒にいて話を聞いていたはずなのに、時々何で理解できていないんだろうと思うことがある。
「オムライスをいっぱい作らせて疲れさせる作戦です」
クスミが思う作戦とオレの作戦は微妙に違うが、兄キに説明する分にはそんな違いはどうでもいいだろう。
「メデューサが疲れなかったらどうするんだ?」
「疲れますよ。攻撃するとMPも一緒に削られますし」
「あー、そういえばあいつそうだったな」
何だかよくわからないゲームの話で2人は盛り上がり始めたので、オレはその隙に茉にメールを送った。
『えぬたまのオムリッチを作ってくれ』
シンプルにこれだけ入力してえいっと送信した。
どうだ、これは作れまい。
オムライス専門店、えぬたまのオムリッチは庶民、ましてや高校生なんぞが食べられる代物ではない。
オムリッチを知らない諸君に説明しよう。
まずはピザを想像してもらいたい。
丸い円を2等分してそれぞれ違う味が楽しめるやつだ。
オムリッチはそんなピザのオムライス版である。
つまり1つのオムライスでありながら真ん中を境目に味が異なる。
真ん中から左側がチーズインオムライス。
包まれた卵の中にチーズが入っており、ライスはケチャップライスだ。
そして右側が鶏肉ゴロゴロオムライス。
デミグラスソースが絡んだライスの中に鶏肉がゴロゴロ入っている。
見た目はただのオムライス。
しかし真ん中で分けるとそれぞれ左右で別の味になっているという豪華な作り!
しかもチーズと肉という腹ペコ状態にはたまらない組み合わせ。
一体1つのオムライスをどういうふうにして2種類に作り分けているのか謎だが、手間がかかっているのだろう。
えぬたまの中で1番高価なオムライスとなっている。
高校生のオレが気軽に出せる値段ではないので今まで注文したことはないが、1度は食べてみたいという願望はある。
だからこの際、これをリクエストしてみようという作戦だ。
もしかするとえぬたまのオムライスを習得した茉であればオムリッチも作れるのではないか?
そのオムリッチであればオレも喜んで受け取ろう。
茉に作る気を失わせる作戦だったはずなのに、オムリッチのことを考えるとちょっと期待が高まってきてしまった。
返信はすぐに来た。
ブーブーと着信を知らせる振動を止めて、画面を開く。
さぁどういう返事だ?
オレは胸が高まった。
『(^^)b』
返事はもはや文字ではなかった。
OKだと思われる顔文字1つで表されていた。
「おい、見てくれこれ・・・」
オレは結果を知らせたくて顔を上げたが、そこには既に2人の姿はなかった。
メデューサの話からえぬえぬクエストのことで盛り上がり始めた2人は、知らない間に兄キの席へ移っていたのだった。
何だよ、昼食が済んだらオレは放置プレイか。
まぁ、えぬえぬクエストの話をここでうるさくされても邪魔だから構わない。
オレは1人で明日の昼食を楽しみに待つとしよう。
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