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3.喜多村本家に居候
106.なんか増えました
しおりを挟む「だ、大丈夫……。なんかどんどん負担が増えて胃がきりきり痛くなっちゃって……」
「も、申し訳ありません。我らがご負担であれば、この腹かっ捌いてお詫びいたします!」
「ううっ……やめて。それが負担になるんだってば」
今度の警護は……なんか重い。笹さん、打木さんが蹲るボクを抱えてくれる。
でも、肩はいいけど胸さわってる~。なんか揉まれちゃってるよ。
「貴様ら、キョウは一般人ぞ? 過剰な忠誠は心労を掛けると心得よ」
「そうだそうだ。ゆるゆるやってればキョウ様はいいんだから」
「いや、お前は弛みすぎ」
羽衣さんに気更来さんが突っ込む。
「わ、分かりました。ゆるゆる、ですね?」
「な、なんとかやってみます……」
笹さんと打木さんが萎れてしまった……。ボク、悪くないよね?
「まあ、それでキョウよ、早う母家に来るのだぞ? でん──ミヤビ様がお待ちじゃ」
「……は?──」
今なんて言った?
「──ええっと、ミヤビ様はもうお帰りになったのでは?」
「いや、居座──んぉほん、キョウと初床をすませねば帰らぬと申されてな……」
「初床、って何?」
「あ~有り体に言えば初夜の儀式、じゃな」
「……あの~意味が分からないんですけど~?」
「申しておられたろう。妻の一人にすると。ミヤビ様は二人の妻を男家っておられるが、まだお子が居られぬ──」
サキちゃんの話ではボクの子種で子を成したい御意向らしい。それはダメでしょ?
「サキちゃん、ミヤビ様って煌家の方ですよね?」
「そうじゃ。よく分かったの~」
サキちゃんを呼びよせ小声で話す。
「ダメでしょ? ボク、一般人だよ。その〝いと貴き〟お方の相手なんかできないよ?」
「構わん。ご本人がキョウが好いと申されておる。なあに、妻たちはいわゆる政略結婚。生まれた子はどちらかの子として育てられる──」
その配偶者たちは子種に問題があって、未だ妊娠に到っていないという。
「──じゃから、その方の代わりに種を仕込むだけの話じゃ」
「それってボクがお子を育てられないんだよね?」
「まあ……そうなる、かの~」
サキちゃんが虚空に目をやる。
「そんなのイヤだよ。精子提供でできた子は仕方ないとしても肌を合わせた人の子を育てられないなんて」
「そなた……。その気持ちは素晴らしいが、世の中には違う道理が罷り通っておるのじゃ。諦めよ」
「それじゃあ、本館には行かない。どうせ来週には新都に帰るんだし面倒くさい」
「そなた……堪えよ。それに帰れぬやも知れぬぞ?」
「調整を間違ったかの~」とサキちゃんが小さく嘆く。
「なんで帰れないのさ?」
「そなた監視衛星に接触したじゃろ?」
「何それ?……あ~! 宙のあれか~」
「そう、それじゃ。隣国、つまり不双から攻撃を受けたと、彼方から抗議されておる」
「え~? こっちを覗いてるヤツが悪いんじゃん。撃ち落としてやる。黒メガネ貸して?」
「今度はそうは行かん。カウンターを受けて脳が焼き切れるぞ?」
「まったく物騒なヤツじゃ」って、また嘆かれた。
「えっ? そんなに危険?」
神妙にうなずくサキちゃん。
「やるならば多重に防壁を張って……と、何をしゃべらせる。あのメガネでは実現できぬ。やめておけ」
「そうなんだ~。……ってことは、それが出来るメガネもあるんだね?」
「…………」
「しまった」って表情で、もうしゃべらぬとばかりにサキちゃんは口を噤む。
「話を戻すが、犯行者を捜しておる。国内・隣国ともに、じゃ。そなたは益々喜多村より出て行けぬようじゃぞ?」
「そんな~」
「まあ、ここに居て子作りしておればよい」
「じゃあ学校は? 友達にも会えないの?」
「友達くらいなら喚べばよい。学校はこちらで準備するか、自宅学習になるのぉ」
「と、そうだ。友達がこっちに向かってるの。喜多村で保護して欲しい」
「ほぉう? 今朝言っておったこと、じゃな?」
「そうそう」
「分かった。手配しておこう」
ほっ……これで一安心。無事だといいけど……
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