151 / 203
3.喜多村本家に居候
151.みんなの糾弾
しおりを挟む「別に汚してはないはず、だよ? 汗かいたし、お風呂に入ったから着替えただけ」
冷や汗がにじんでくる。あ~汚れ物はどうしたっけ?
「メイドが愛しみ抱えて持ち去っておりました」
「えっ?──」
急いで笹さんを見ると……控えめに頭をふる。まあ、知るわけないよね。
「──さ、さあ? 回収ボックスに放りこんだから、そのあとは分かりません」
持ち去ったメイドに心当たりはある、けど……。どんだけアンテナ高いんだよ、あの人。
「不審な素振りでしたので検分したところ、寝具に包まれた中から襦袢が見つかりました。それが……その、あの……睦みあったあとのような……──」
あ~、そこまで見られたのか~!
「──それにキツい匂いを伴って……余は臭いでくらくらしてしまいましたぞ」
「キョウちゃん!」
「なるほど~、キョウちゃんはやっぱり凌辱されてた」
「いや、それは、その……おもらし、しちゃってた、かも?」
「正直に言った方がいいよ? 身内を庇うのは分かるけど」
「誰? 誰にヤられたの? そこの笹さん? それとも……」
タマちゃん……変な勘ぐりは身を滅ぼすよ? 向けた視線は警護・護衛たち、特に羽衣さんに注がれている。
「ごくり──だいたいボクのものとは限らないでしょう? 他に襦袢を着てる人、いっぱい居るよ、たぶん」
「それは……」っとレニ様の語威が弱まる。
「むむっ……騙されちゃだめ。キョウちゃん、論点を逸らしてる」
くう~っ、タマちゃんは一々するどい。
「もはやこれまで……──」
「笹さん?」
膝を折った笹さんが、その場で胡座を組むとジャケットを脱ぎ捨てる。
「──あの時、あまりにお可愛いらしいキョウ様に劣情を催し蹂躙してしまい……」
シャツを肌けると腹を露わにする。
「笹さん、ちょっと?」何言ってるの?
「打木、介錯を……」
「承った」
笹さんが腰から短刀を出すと刃を腹に当てる。打木さんも刀を取り出すと刃に目をやり透かして見る。
「この身を以てお詫びいたします」
「──ちょっとちょっと。何やってんの?」
「笹、お前だけに被せはしない」
「わ、私も……」
気更来さんも、その場に座りこむと前を肌ける。続いて、歩鳥さんも倣うと斎木さんまで追従する。
「ちょっと、みんなやめて?」
「いいんだ、みんな。その責めは私にある……」
奥から羽衣さんが最前に出て座りこみ、同じように前を開けると抜いた短刀の刃を腹に当てる。
「レニ様、もういいでしょう?」
「か、かようなこと、はったりに決まっておる。義兄上、そもそも御身を護る護衛が牙を剥いたのです。厳正に処罰してしかるべし、ですぞ?」
これはもう……言わなきゃ……。
「いいんです。これはボクが望んだから……。みんなは悪くない。だから……」
「なるほど……そうでしたか。ならば、仕方ありません」
「えっ?」
黙したレニ様が、口を開くと肯定する言葉を吐く。
「いつかはヤると思ってた。キョウちゃん、ゆるゆるだし~」
ええっ?
「見誤った……ゆるゆるどころか、がばがばだった……」
えええ~っ!?
「タマちゃん、ひどい。みんなのためにボクは……」
「「みんなのため?」」
「──いや、なんでもない」
「そうよね~。キョウは私たちのわがまま拒否しないし、来るもの拒まず、すべて受け入れる〝総受け〟だもの」
「タンポポちゃん〝総受け〟はひどくない?」
ゲームを止め論戦に加わりタンポポちゃんが言う。わがままって分かってたんだ。分かってたら、わがまましないでよ。
「キョウは、そうけ」
またマナちゃんが要らない言葉を覚えてしまった。アリサちゃんは……タンポポちゃんに代わってゲームしてるか。
「余はてっきり無理やり……。義兄上、濫行は程ほどになさいませ」
「は、はあ~? 自重します?……」
レニ様がダメな子を諭すように言う。ボクがする分には問題にならないっておかしくない? ボクならやりかねないって思われてるのも納得いかない。
「笹さん、自刃なんてボクは絶対許さないからね」
笹さんを立たせ、他のみんなにもキツく言いつける。
「皆のもの騒がせた。時間も頃合い。昼餉にいたそうぞ」
「そうだね。お腹減ってきた」
「うん、早く小説にまとめねば」
タマちゃん……小説はやめて?
「マナ、部屋に帰ろうか? アリサ、帰るよ?」
「うん……」
「──えっ? もうちょっとでクリアなのに~」
タマ・水無は迎賓館へ。タンポポちゃんたちは二階に下り、レニ様とボクは自室へ、護衛の待機部屋をあとにする。なんか振り回されただけの朝だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる