153 / 203
3.喜多村本家に居候
153.衣装替え
しおりを挟む『……キョ……キョウ様?』
「ふぇ? ヤバ。ぐっすり眠ってた! サザレさん、ちょっと待って?」
遠くからボクを呼ぶ声で目覚める。急いで起きてワンピースを着ると応接室へ向かう。
「申し訳ありません。お休みでしたか?」
「ああ、いいのいいの。ちょっと、深く眠ってしまってて」
「それでは、お茶を飲んでから着付けましょうか?」
「うん、それでお願い」
お茶でのどを潤し休んでから着付けてもらうことに。レニ様も起きてこられて一緒にお茶してから着付けてもらう。
「預かっておりましたものにされますか? それとも他のものにされますか?」
「それじゃ預けてたもので」
リネンに預けていた着物をサザレさんはわざわざ持ってきてくれていたので、そちらを選ぶ。
「それは……こちらに来てこられたものですね?」
「よくご存じで」
「ニュースで見ましたぞ。雑草の中に咲く一輪の花のようでした~」
「雑草って……」それってモールにいた女性たちのことだよね?
「Tバックにいたしますか?」
「え、ええ。ダメですか?」
素っ裸でTバックを穿いたらサザレさんに聴かれる。
「いえ、構いません」
「義兄上は穿くのですね? 余も穿いていいですか?」
「ええ、穿いてください?」そんなの好きにしていいですよ。
って、ボクのものの中から選ぶのね。
「着付けるならレニ様を先に」
「そう、ですか?」
「余は義兄上のあとで構いませんぞ?」
「いえ、レニ様を先にどうぞ」
レニ様を下着姿で待たせる訳にいかない。
「で、では、レイニ様を先に」
サザレさんはレニ様を着付けていく。ベッドに腰かけながら、それを眺める。
ミヤビ様は……同じく着付けを眺めながら寛いでいる。大丈夫そう。
肌襦袢の上にうす緑の襦袢でグラデーションさせ若草を表現してる。艶やかに花が咲き乱れてる墨染めの上衣をまとう。
帯締めはどうするのかな~って見てたらワンタッチに留めるものだった。すこしがっかり。
でも思ったより早くて楽そう。あとは、かつらだけどクローゼットから三〇センチ四方の箱を持ち出して、中からかんざしの挿さってないかつらを取り出す。
そこへ箱の下の引き出しから、かんざしを取り出し適当にぶっ挿していく。そんなのでいいのか?
「これでいかがですか?」
「うむ、なかなかじゃ」
「ではお召しください」
それで、よかったみたいだ。かつらをかぶると完成する。今は高下駄は履かないみたい。
「では、キョウ様ですね?」
「はい、お願いします」
ボクはあっさり、肌襦袢に襦袢を重ねて肉襦袢パッドを付けて上衣をまとうと帯を締める。これでもかなり重い。
レニ様は十キロくらい背負ってるんじゃなかろうか?
「それでは時間になりましたらホールにご案内いたします。それまでお休みください」
「うむ。大儀」
「ありがとうございました」
サザレさんが戻っていく。ええっと、ミヤビ様はどうするのかな?
そう思って聴くと「わらわは自分で適当にやる」らしい。シャツやズボンを着替えてるので大丈夫なのだろうけど。
今は臥せっているので、あとにして横になってる方がいい。
レニ様と二人でリビングに戻る。
「レニ様、裾を引きずってますけど」
レニ様は高下駄を履いておらず裾を引きずってる。
「室内なら構わぬであろう」
と言いつつレニ様は裾をつかんで持ち上げる。多少はましだけど後ろは相変わらず引きずってる。
まるで花魁そのもの。
リビングに戻っては、ボクのテレビデビューからのことを喋るしゃべる。
ボクは別にテレビに映りたくはなかったんだけど。
挙げ句、(下着)一人ファッションショーなど見せるものではないと説教を受ける。レニ様、それはもう聞きました……。
「失礼します……」
そうして、日が傾くころ一人の訪問を受ける。
「はじめまして、蒼屋キョウくん」
「はじめまして──」
リビングから応接室へ向かうとスーツ姿の四十代の女性がいる。
「──じゃないですね。マキナ──マキナさんの会社お会いしました、お義母様」
「ほぉう、覚えてくれてましたか。ミズキです、喜多村ミズキ」
「はい……ミズキ様」
「様はよしてください」
「じゃ、じゃあ、ミズキさん」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる