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YAMATO

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Chapter5(楽園編)

Chapter5-⑫【天国のキッス】

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「ああぁぁ…。」
甘美に満ちたイオリの呻き声を潮風が運んできた。
トウマは歯を食いしばり、疼くアナルに抗う。
身体が熱く、脚が震える。
我慢出来ずに、憤る股間へ手を伸ばす。
ペニスに刺激を与えると、一層アナルは欲しがった。
そっと舐めた指を競パンの切れ込みに突っ込む。
唾液で濡れた指をアナルに宛がう。
びしょ濡れのアナルがすかさず食らい付く。
簡単に第二関節まで飲み込むが、こんな刺激では何の役にも立たない。
天国行きの拳が欲しかった。
 
「お前…、もしかして拳が欲しいのか?」
そんな姿を見て、ジョージは訝しいげに聞く。
「ジョージ…さん、フィスト出来る?」
熱に魘されたトウマが聞き返す。
「もう呼び捨てでいいぜ。」
ジョージは微笑むと、人差し指をトウマの目の前に翳す。
トウマはその指を美味そうに頬張る。
唾液がたっぷり付いた人差し指をアナルに突き刺した。
「穴開き競パンか!
全く気付かなかったぜ。
お前もかなりの変態だな。」
ジョージは薄笑いを浮かべる。
何の抵抗もないアナルに、中指と薬指も入れてみた。
「おおっ!」トウマが声を漏らす。
それを聞いたジョージは三本の指の間隔を徐々に広げる。
緩いアナルは簡単に開く。
指を窄めると、緩慢に収縮した。
唾液塗れのキスをする。
トウマは全ての唾液を受け入れた。
陽射しが後頭部を照り付ける。
唾液塗れのキスとアナル責めは天国の扉をノックした。
 
浜の雰囲気が変わった事をソウイチロウは感じ取った。
辺りに目配せすると、少し離れた砂浜にジョージの姿があった。
「何であいつがここに?偶然か?」
疑念を抱きながらも、更に観察を続ける。
一緒にいるのは、先程吊す事をアドバイスした青年だ。
二人の組み合わせに違和感を覚えた。
ソウイチロウはイオリを抱えて浜へ戻る。
 
ソウイチロウが砂浜に上がると、ジョージの視線と搗ち合う。
複雑な表情だった。
「ようっ!」ジョージが先に言葉を発した。
「尾行してたのか?」
ソウイチロウが睨む。
「ああ、まあな。」
視線を逸らしたジョージが答えた。
「どうしてもイオリを沖縄に連れて行く必要があるんでな。」
ジョージが燃えるような視線で見返す。
そこに怯んだ様子はない。
ソウイチロウはジョージの心裏を察する。
裏にゴウの存在が垣間見えた。
「そいつじゃ、ダメなのか?
沖縄で絡む相手は?」
急にジョージが不憫に思えた。
隣にいる青年を繁々と眺める。
かなり前にトウマを征服していた事を思い出す。
「ショーに出る相手はイオリでなくていいんじゃないか?」
ジョージは雷に打たれた様に、目を見開く。
青い鳥が身近にいた事に気付いた様子だ。
「そうするぜ。助かったよ。」
ジョージが礼を言う。
「ついでと言っちゃなんだが、手袋を貸してくんねぇか?」
安堵感から、厚かましい依頼をしてきた。
「ああ、いいぜ。ゼリーも使え。」
ソウイチロウは満面の笑みで、新しい手袋を差し出す。
ひとつのシートの上で二匹の雄が、拳に悶え狂う。
端から見ると、二匹の雄は双子の様に似通った顔立ちだ。
その二匹は互いの唇を貪りながら、体内の拳に翻弄されていた。
イオリは心地好い潮騒をBGMにして、快楽に身を任せる。
もうひとりのイオリも同じ想いなのが伝わってきた。
伸びた舌に自分のを絡める。
楽園は四人を快く迎え入れてくれた。
 
 
(完)
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