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Chapter6(十三夜編)
Chapter6-①【悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)】
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流石に月が変わると、気温は一気に下がった。
晴れても、焼きに行く気はもう起きない。
待ち合わせのジムに行くと、ソウイチロウが駆け寄って来た。
「今朝のニュース見たか?
お前、ツイてるな。」
普段落ち着いているソウイチロウが興奮気味だ。
「いや、朝方まで仕事してたから、さっきまで寝てた。
何があったの?」
イオリは欠伸を噛み殺して聞く。
「お前が出る筈だった沖縄の飲み屋が強制捜査で、その場にいた全員が逮捕だって。
あまりに逮捕者が多くて、留置場が一杯らしいぜ。」
ソウイチロウが声を殺して笑う。
イオリは寒気を覚え、身震いする。
一歩間違うと、今頃は牢獄の中だった。
安堵する反面、トウマに同情する。
ジョージに沖縄行きを誘われて、二つ返事で快諾していた。
初めての沖縄だと、喜んでいたのに。
「あのマスターはかなりのやり手だから、敵も多かったんだろう。
トウマも気の毒だな。」
ソウイチロウも同じ思いだった。
「もう、無理だよ。」
バーを担いだイオリの身体から汗が滴り落ちる。
「おまけの一回だ!
筋肉が喜んでいるぞ!」
ソウイチロウは檄を飛ばす。
イオリが腰をゆっくり落とし、尻を突き出す。
大腿に負荷を感じ、膝が奮えていた。
「一気に膝を伸ばすな。
堪えに堪えて、ゆっくり戻すんだ。」
腕を脇の下に入れ、サポート態勢に入る。
イオリは顔を上げ、歯を食い縛った。
この時、アホ面になる奴が多いが、イオリの整った顔立ちは崩れない。
ソウイチロウは鏡に映るイオリに魅入った。
苦悶を浮かべる表情に股間が熱くなる。
イオリの突き出た尻に股間を押し当て、全身を密着させた。
バーを戻すと、イオリは中腰の体勢で尻を突き出す。
荒い息は簡単に戻りそうもない。
白いスパッツが汗に濡れ、インナーのケツワレが透けて見える。
「どうだ、おいらのケツワレで筋トレする気分は?
気合いが入るだろ。」
黒いシングレットを着たソウイチロウは楽しげだ。
「はぁ、はぁ…。こ、これさ、ちゃんと洗ってる?
臭いが凄いんだけど。」
イオリは顔を上げ、鏡越しに睨む。
「イオリに穿かそうと思ってから洗ってないぜ。
中出しもしたしな。
お前もクセェの好きなんだろ!」
ソウイチロウは股間の盛り上りを確認し、言い放つ。
イオリは今まで、匂いに興奮を覚えなかった。
ヨウも体臭はなく、意識すらした事はない。
ところがソウイチロウのキツい体臭を嗅ぐと、何故か欲情した。
丸で媚薬の如く身体が火照り、性欲が増幅していく。
「早く拳が欲しいよ。」
イオリは甘えた声で訴える。
「悪いな。今日はラグビーの練習だ。
明日まで我慢しろ。
帰りもこのケツワレを穿いたままでいろ。
いいな?絶対に抜くなよ!」
尻を叩かれ、汗が床を濡らした。
ジムの前でソウイチロウと別れた。
湿ったケツワレの肌触りが、イオリを更に欲情させる。
明日まで射精を止められ、悶々としたまま電車に乗った。
生憎帰宅ラッシュと重なり、電車は混雑している。
イオリは吊り皮に掴まり、必死に態勢を保持した。
足が斜めの方向にあり、引き寄せられない。
その時、尻に何かが当たった。
気の所為かと思い、その場に踏み止まる。
また当たった。
今度はその感覚が長く続く。
『痴漢?』最初は指先が触れる程度だったが、次第に当たる部位が増えてくる。
終いには尻を鷲掴みされた。
背中に相手の胸が当たる。
分厚い胸板だ。
電車が揺れ、踏ん張りが利かず体勢が崩れた。
吊り皮を持ったまま尻を突き出す格好となる。
背後の男は身体を押し当て、イオリの股間に手を回す。
「おっ!」男が声を漏らす。
イオリの巨根を知ると、更に大胆になった。
(つづく)
晴れても、焼きに行く気はもう起きない。
待ち合わせのジムに行くと、ソウイチロウが駆け寄って来た。
「今朝のニュース見たか?
お前、ツイてるな。」
普段落ち着いているソウイチロウが興奮気味だ。
「いや、朝方まで仕事してたから、さっきまで寝てた。
何があったの?」
イオリは欠伸を噛み殺して聞く。
「お前が出る筈だった沖縄の飲み屋が強制捜査で、その場にいた全員が逮捕だって。
あまりに逮捕者が多くて、留置場が一杯らしいぜ。」
ソウイチロウが声を殺して笑う。
イオリは寒気を覚え、身震いする。
一歩間違うと、今頃は牢獄の中だった。
安堵する反面、トウマに同情する。
ジョージに沖縄行きを誘われて、二つ返事で快諾していた。
初めての沖縄だと、喜んでいたのに。
「あのマスターはかなりのやり手だから、敵も多かったんだろう。
トウマも気の毒だな。」
ソウイチロウも同じ思いだった。
「もう、無理だよ。」
バーを担いだイオリの身体から汗が滴り落ちる。
「おまけの一回だ!
筋肉が喜んでいるぞ!」
ソウイチロウは檄を飛ばす。
イオリが腰をゆっくり落とし、尻を突き出す。
大腿に負荷を感じ、膝が奮えていた。
「一気に膝を伸ばすな。
堪えに堪えて、ゆっくり戻すんだ。」
腕を脇の下に入れ、サポート態勢に入る。
イオリは顔を上げ、歯を食い縛った。
この時、アホ面になる奴が多いが、イオリの整った顔立ちは崩れない。
ソウイチロウは鏡に映るイオリに魅入った。
苦悶を浮かべる表情に股間が熱くなる。
イオリの突き出た尻に股間を押し当て、全身を密着させた。
バーを戻すと、イオリは中腰の体勢で尻を突き出す。
荒い息は簡単に戻りそうもない。
白いスパッツが汗に濡れ、インナーのケツワレが透けて見える。
「どうだ、おいらのケツワレで筋トレする気分は?
気合いが入るだろ。」
黒いシングレットを着たソウイチロウは楽しげだ。
「はぁ、はぁ…。こ、これさ、ちゃんと洗ってる?
臭いが凄いんだけど。」
イオリは顔を上げ、鏡越しに睨む。
「イオリに穿かそうと思ってから洗ってないぜ。
中出しもしたしな。
お前もクセェの好きなんだろ!」
ソウイチロウは股間の盛り上りを確認し、言い放つ。
イオリは今まで、匂いに興奮を覚えなかった。
ヨウも体臭はなく、意識すらした事はない。
ところがソウイチロウのキツい体臭を嗅ぐと、何故か欲情した。
丸で媚薬の如く身体が火照り、性欲が増幅していく。
「早く拳が欲しいよ。」
イオリは甘えた声で訴える。
「悪いな。今日はラグビーの練習だ。
明日まで我慢しろ。
帰りもこのケツワレを穿いたままでいろ。
いいな?絶対に抜くなよ!」
尻を叩かれ、汗が床を濡らした。
ジムの前でソウイチロウと別れた。
湿ったケツワレの肌触りが、イオリを更に欲情させる。
明日まで射精を止められ、悶々としたまま電車に乗った。
生憎帰宅ラッシュと重なり、電車は混雑している。
イオリは吊り皮に掴まり、必死に態勢を保持した。
足が斜めの方向にあり、引き寄せられない。
その時、尻に何かが当たった。
気の所為かと思い、その場に踏み止まる。
また当たった。
今度はその感覚が長く続く。
『痴漢?』最初は指先が触れる程度だったが、次第に当たる部位が増えてくる。
終いには尻を鷲掴みされた。
背中に相手の胸が当たる。
分厚い胸板だ。
電車が揺れ、踏ん張りが利かず体勢が崩れた。
吊り皮を持ったまま尻を突き出す格好となる。
背後の男は身体を押し当て、イオリの股間に手を回す。
「おっ!」男が声を漏らす。
イオリの巨根を知ると、更に大胆になった。
(つづく)
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