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Chapter12(青い鳥編)
Chapter12-②【覚醒アイデンティティ】
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リョウは年末以来、睡眠薬を持ち歩くようになった。
事ある事に病院に行き、眠れないと訴える。
そして処方された睡眠薬を溜め込んだ。
リョウがジムに現れたのは、一月最初の土曜日だった。
西日が一気に傾き、照明の操作盤へ向かう。
受付が目に入り、足が止まる。
そこに立っていたリョウを見て、ソウイチロウは背筋に寒気を覚えた。
ロッカーから出て来たリョウはシングレットとレスリングシューズを穿いている。
淡色のシングレットには派手な色のTバックが透けていた。
リョウが自分の所に来ると思い、身構える。
しかしリョウは反対側のパワーラックに向かっていく。
「グンさん、こんにちは。
今日からここへ通う事にしました。
ヨロシクお願いします!」
スクワットで汗を流しているグンジに声を掛けた。
「おう、リョウ君か!
入会したのですか!
頑張りなさい。」
グンの視線がリョウの股間に留まっているのが、遠目にも分かる。
「今日は何をやるんのですか?」
伏し目がちのグンジが聞く。
「今日は初日なので、会長が面倒見てくれるそうです。
明日からご一緒していいですか?」
リョウがにこやかに答える。
「勿論です。
明日は昼過ぎに来ますから、一緒にやりましょう。」
グンジが手を差し出した時、視線が泳いだ。
「リョウ待たせたな。
お前ならジュニアチャンピオンを狙えるぞ!」
会長が大声でやって来た。
ソウイチロウはリョウの面倒を見なくて済み、胸を撫で下ろす。
反面、面白くもない。
普段なら、入会者のオリエンテーションはソウイチロウの役目だった。
それが金の卵だと、会長自ら対応する。
裏を返せば、信用がないという事だ。
「ソウちゃん、頼むよ!」
グンジが手を振っている。
「はーい、今行きます。」
ソウイチロウは面倒臭そうに返事した。
「スクワットのサポート頼むよ。」
グンジが鏡越しに言う。
うっす!グンさん、気合いっす!」
ソウイチロウは両手を拳にすると、グンジの腋の下に差し込む。
「おっしゃ!」
グンジの勃起したペニスが応えた。
ここがグンジの嫌いな所だ。
日頃のグンジは腰の低い紳士を装っている。
ところがトレーニング中やポージングに熱中し出すと、必ず勃起させた。
ノンケはそんな事を気にしないのだろうが、ゲイは敏感に反応してしまう。
ここではノンケとして振舞っているソウイチロウにとっては、厄介者だった。
グンジがゆっくり腰を下ろす。
それに合わせ、ソウイチロウも腰を下ろした。
「うおぉう!」
グンジが大声を出し、撓るバーを持ち上げる。
鏡に映るスパッツが先走りで濡れていく。
染みが広がるに連れて、勃起したペニスが立体的になる。
「ぐぅおぉおう!」
全身真っ赤になったグンジだが、腰が上がり切らない。
ソウイチロウの腕に負担が掛かる。
「おらっ!気合いだ!」
後頭部に激を飛ばす。
「うぉりゃあ!」
グンジが力を振り絞って、バーをラックに掛けた。
『ガッシャーン!』
派手な音がジム中に響く。
「ダァーッ!」
グンジが大の字に寝転んだ。
荒い呼吸に合わせて、勃起したペニスが上下に動く。
『何でノンケはこんな大胆に勃起したマラを曝せるんだか。』
ソウイチロウは半ば呆れ、半ば羨ましく思った。
グンジには高校生の子供がいる。
勃起した親父が大の字になっている姿を見たら、仰天するだろう。
「ソウちゃん、ありがとう。
今日はこれで上がるよ。」
立ち上がったグンジが礼を言った。
「お疲れっす。
腿パンパンじゃないっすか!
グンさんの大腿が羨ましいっすよ。」
最後は持ち上げる事を忘れない。
「まだまだ会長には程遠いさ。」
グンジは顔の前で手を振ると、シャワー室に消えて行った。
横目でリョウの様子を伺う。
会長が付きっ切りでベンチプレスの指導をしていた。
綺麗なフォームで既に100キロを挙げている。
「そうだ。胸を張って、挙げる!
リョウ、いいぞ!」
会長の方が気合いが入っていた。
(つづく)
事ある事に病院に行き、眠れないと訴える。
そして処方された睡眠薬を溜め込んだ。
リョウがジムに現れたのは、一月最初の土曜日だった。
西日が一気に傾き、照明の操作盤へ向かう。
受付が目に入り、足が止まる。
そこに立っていたリョウを見て、ソウイチロウは背筋に寒気を覚えた。
ロッカーから出て来たリョウはシングレットとレスリングシューズを穿いている。
淡色のシングレットには派手な色のTバックが透けていた。
リョウが自分の所に来ると思い、身構える。
しかしリョウは反対側のパワーラックに向かっていく。
「グンさん、こんにちは。
今日からここへ通う事にしました。
ヨロシクお願いします!」
スクワットで汗を流しているグンジに声を掛けた。
「おう、リョウ君か!
入会したのですか!
頑張りなさい。」
グンの視線がリョウの股間に留まっているのが、遠目にも分かる。
「今日は何をやるんのですか?」
伏し目がちのグンジが聞く。
「今日は初日なので、会長が面倒見てくれるそうです。
明日からご一緒していいですか?」
リョウがにこやかに答える。
「勿論です。
明日は昼過ぎに来ますから、一緒にやりましょう。」
グンジが手を差し出した時、視線が泳いだ。
「リョウ待たせたな。
お前ならジュニアチャンピオンを狙えるぞ!」
会長が大声でやって来た。
ソウイチロウはリョウの面倒を見なくて済み、胸を撫で下ろす。
反面、面白くもない。
普段なら、入会者のオリエンテーションはソウイチロウの役目だった。
それが金の卵だと、会長自ら対応する。
裏を返せば、信用がないという事だ。
「ソウちゃん、頼むよ!」
グンジが手を振っている。
「はーい、今行きます。」
ソウイチロウは面倒臭そうに返事した。
「スクワットのサポート頼むよ。」
グンジが鏡越しに言う。
うっす!グンさん、気合いっす!」
ソウイチロウは両手を拳にすると、グンジの腋の下に差し込む。
「おっしゃ!」
グンジの勃起したペニスが応えた。
ここがグンジの嫌いな所だ。
日頃のグンジは腰の低い紳士を装っている。
ところがトレーニング中やポージングに熱中し出すと、必ず勃起させた。
ノンケはそんな事を気にしないのだろうが、ゲイは敏感に反応してしまう。
ここではノンケとして振舞っているソウイチロウにとっては、厄介者だった。
グンジがゆっくり腰を下ろす。
それに合わせ、ソウイチロウも腰を下ろした。
「うおぉう!」
グンジが大声を出し、撓るバーを持ち上げる。
鏡に映るスパッツが先走りで濡れていく。
染みが広がるに連れて、勃起したペニスが立体的になる。
「ぐぅおぉおう!」
全身真っ赤になったグンジだが、腰が上がり切らない。
ソウイチロウの腕に負担が掛かる。
「おらっ!気合いだ!」
後頭部に激を飛ばす。
「うぉりゃあ!」
グンジが力を振り絞って、バーをラックに掛けた。
『ガッシャーン!』
派手な音がジム中に響く。
「ダァーッ!」
グンジが大の字に寝転んだ。
荒い呼吸に合わせて、勃起したペニスが上下に動く。
『何でノンケはこんな大胆に勃起したマラを曝せるんだか。』
ソウイチロウは半ば呆れ、半ば羨ましく思った。
グンジには高校生の子供がいる。
勃起した親父が大の字になっている姿を見たら、仰天するだろう。
「ソウちゃん、ありがとう。
今日はこれで上がるよ。」
立ち上がったグンジが礼を言った。
「お疲れっす。
腿パンパンじゃないっすか!
グンさんの大腿が羨ましいっすよ。」
最後は持ち上げる事を忘れない。
「まだまだ会長には程遠いさ。」
グンジは顔の前で手を振ると、シャワー室に消えて行った。
横目でリョウの様子を伺う。
会長が付きっ切りでベンチプレスの指導をしていた。
綺麗なフォームで既に100キロを挙げている。
「そうだ。胸を張って、挙げる!
リョウ、いいぞ!」
会長の方が気合いが入っていた。
(つづく)
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