妄想日記7<<DAYDREAM>>

YAMATO

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Chapter4(傾斜編)

Chapter4-③【I wish】

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ふと顔を上げると、同じビキニが展示されていた。
熱り起つペニスが勇ましい。
奥をチラッと見て、二人が戻って来ない事を確認する。
手を伸ばし、ビキニを捲ってみた。
黒い血管が浮かぶディルドに目眩を覚える。
『これだ!』ホクトのサイズと酷似していた。
 
「幾ら何でも高い!
半額にしてくれないか?」
「それは無理よ。
先週、ロスで仕入れたばかりなんだから。
無理にとは言わないわ。
放っておいても、どうせ直ぐに売れるし。
只てっちゃんに見せてからと思っただけ。」
「えー、何とかならないか?」
二人の声が近付き、慌ててビキニを元に戻す。
 
「おい、これどうだ?
格好いいだろ。」
テツオの声に視線を向ける。
「なっ、何、それ?」
開いた口が塞がらないとは正にこの事だ。
迷彩柄のウェアは所々がメッシュで透けていた。
一見スポーティーだが、エロさが際立っている。
「うん、マジ格好いい…。」
吐息交じりに言う。
以前、夢に出てきた『ワタル』を思い出す。
『テツオがワタル?』
真相心理が無意識に懐かしむテツオをワタルに変換したのかもしれない。
 
「さあ、とっとと撮影しちゃいましょ。」
店員がカメラを向ける。
「今日は買い物に来ただけだ。
別の日でいいだろ?」
「てっちゃんが買わないなら、即サイトに載せたいの。
別に構わないでしょ?」
店員がシオンに聞く。
「ええ、別に。」
逆にテツオの撮影を見たい位だ。
「だったら俺が撮ってやろうか?」
値引きする気がないと知ったテツオが突っ慳貪に言った。
「アタシはモデルには不向きなの。
日焼けし過ぎてて、画像にすると見栄えしないのよ。
てっちゃん位の天然焼けが購買意欲をそそるのよね。」
店員はカメラを構えると、シャッターを押す。
黒光りしていた筋肉から汗が滴り落ちた。
確かにエロさは満点だが、このモデルが着ているウェアを自分に重ねる事は難しい。
『どうせ自分が着ても似合わない。』と思ってしまう。
 
「仕方ないな。ちゃんとバイト代寄越せよ。」
テツオは文句を口にしながらもポーズを取る。
「もっと股間を突き出して。
そう、亀頭を膨らまして!」
店員の注文が続く。
「こうか?」テツオも乗ってきた様子だ。
「そうそう、でも売り物だから先走りは厳禁よ。」
「うるせぇな。ガキじゃないんだから、そんな簡単に濡らさねぇよ。」
股間に浮かんだペニスの先端が見事に膨らんだ。
 
シオンはそっとジャケットの前ボタンを嵌めた。
二人にびしょ濡れの股間を悟られぬ様に場所を移動する。
奥に進むと、ウェアは更に過激になった。
股間を覆う布はなく、リングが付いているだけだ。
既にウェアの機能は失っていた。
直に見るのは初めての装具ばかりだった。
 
「これがハーネスか。」
手に持ってみると、ずっしりと重みが伝わってきた。
ビデオでしか見た事がない。
その迫力に圧倒された。
 
この辺りは大分照明が抑えられている。
買う人が恥ずかしくない様に考慮されていた。
その中に赤いピンスポットを浴びている一角がある。
妖しいエリアに目を凝らす。
「あっ!」声が漏れる。
様々なディルドが陳列されていた。
そろそろと近寄る。
通販で見掛ける陳腐なディルドではない。
どれもリアルで、重量感に溢れていた。
見覚えのあるディルドに手を伸ばす。
指先が震えていた。
 
 
(つづく)
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