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Chapter23(浮雲編)
Chapter23-⑨【ふいに】
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「やっぱ、変態は興奮するな。」
顔を離したリクが言う。
唇からザーメンが一滴落ちた。
「昨日の男は?」
フトシの事を聞いてみる。
「ああ、あいつなら朝方帰ったぜ。」
リクはスポーツドリンクを飲むと、口を拭う。
「どうだった?」
どうしても気になる。
「何でもヤラせてくれたぜ。」
リクがニヤり笑う。
「ただどんな事をしても、顔色を変えないんだよな。
最後はムキになって、ハードに責めたんだ。
それでも声ひとつあげねぇんだ。
お前みたく悶え狂う奴の方が興奮するさ。」
黒い指が乳首を引っ張る。
「うっ!」敏感になった乳首を責められ、つい声が漏れてしまう。
「お前みたいな変態マッチョを炎天下で狂わせたいぜ。
沖縄に来ないか?」
リクが誘ってきた。
来月は夏休みがある。
「航空券が取れたら、行ってみようかな。」
乳首の痛みが勝手に口を動かす。
「そうこなくちゃ!
昼間は海で、夜はジムで扱いてやるぜ。
お前も日焼けマニアだろ?
黒光りする筋肉を手に入れたいだろ?
沖縄の陽射しなら三日で真っ黒だ。」
最後に乳首を思い切り引っ張ってから、指が離した。
アドレスを書いて渡す。
「サンキュー。それじゃ、俺はそろそろ行くから。
後で連絡するんで、細かい事を決めようぜ。」
リクはタオルを肩に掛けると、階段を降りて行った。
誰もいなくなったスペースを見て、ジレンマに陥る。
真っ暗なラビリンスで、必死に道を探すが光は見えない。
ひたすら歩き続けるしかなかった。
出口で待っているのはフトシかリクか分からない。
翌日の日曜日も快晴だった。
時計を見ると、まだ6時前だ。
誰にも会わない所で、のんびり焼きたい。
海もプールも発展場も、誰かしらに会いそうだ。
トーストとコーヒーを作って、朝食を取る。
ラインの受信を知らせる音がした。
こんなに早い時間に誰だろう?
『おはよう。起きてるかな?
これからスーさんとドライブ行くんだけど、ヤマトさんも行かない?』
ユーキからのメールだった。
スーさんというのは、確か縛琉人で見掛けた警官らしき男だ。
「お気に入りとのドライブなのに、どうして二人で行かないんだろう?」
訝しく思いながらも、承諾の返事を返す。
いちゃ付き振りを見せ付けたいんだろうと、軽く考えた。
『良かった。後30分で迎えに行くから、家で待ってて。』
口にトーストを押し込むと、慌てて準備を始める。
フトシの温もりをアナルへ押し込んだ。
クラクションが鳴ったので、表に出て行く。
真っ赤なセレナが停まっていた。
助手席が濃いめのスモークガラスで、中が分からない。
近寄ると窓が下がり、ユーキが顔を見せた。
「おはよう。日焼け日和だね!
あれっ?ヤマトさん、結構焼けてない?
狡いなぁ!」
ユーキはバイト上がりらしく、六尺一丁でテンションが高めだ。
後部席のスライドドアが開く。
思いがけない人物が、後部席に座っていた。
「また会いましたね。
と言っても、今日は無理矢理ヤマトさんを呼んでもらったのですが。」
フトシが照れ気味に言う。
段々とフトシの包囲網が狭まってきている気がした。
後部座席に座ると、雄の臭いが鼻孔を擽る。
「朝方来たフトシちゃんを誘ったんだ。
遠出は大勢の方が盛り上がるからね。
ドライバーのススムちゃんは会ったことがあるよね?」
ユーキが紹介した。
複雑な思いで会釈する。
「海へ行くのは数年振りなので楽しみです。
夕方には先に帰りますが、今日は宜しくお願いします。」
フトシがしおらしく挨拶した。
いつもと変わらぬスパッツとタンク姿だ。
「じゃあ、準備はいいですか?
出発しますよ。」
ススムの掛け声で、セレナが滑らかに動き出す。
車内はユーキのカラオケで盛り上がっている。
「昨日のハリガタは入ってますか?」
不意にフトシが耳元で囁く。
バックミラーに目を向けて、小さく頷く。
フトシとの一体化を感じられるディルドを連れてきていた。
(つづく)
顔を離したリクが言う。
唇からザーメンが一滴落ちた。
「昨日の男は?」
フトシの事を聞いてみる。
「ああ、あいつなら朝方帰ったぜ。」
リクはスポーツドリンクを飲むと、口を拭う。
「どうだった?」
どうしても気になる。
「何でもヤラせてくれたぜ。」
リクがニヤり笑う。
「ただどんな事をしても、顔色を変えないんだよな。
最後はムキになって、ハードに責めたんだ。
それでも声ひとつあげねぇんだ。
お前みたく悶え狂う奴の方が興奮するさ。」
黒い指が乳首を引っ張る。
「うっ!」敏感になった乳首を責められ、つい声が漏れてしまう。
「お前みたいな変態マッチョを炎天下で狂わせたいぜ。
沖縄に来ないか?」
リクが誘ってきた。
来月は夏休みがある。
「航空券が取れたら、行ってみようかな。」
乳首の痛みが勝手に口を動かす。
「そうこなくちゃ!
昼間は海で、夜はジムで扱いてやるぜ。
お前も日焼けマニアだろ?
黒光りする筋肉を手に入れたいだろ?
沖縄の陽射しなら三日で真っ黒だ。」
最後に乳首を思い切り引っ張ってから、指が離した。
アドレスを書いて渡す。
「サンキュー。それじゃ、俺はそろそろ行くから。
後で連絡するんで、細かい事を決めようぜ。」
リクはタオルを肩に掛けると、階段を降りて行った。
誰もいなくなったスペースを見て、ジレンマに陥る。
真っ暗なラビリンスで、必死に道を探すが光は見えない。
ひたすら歩き続けるしかなかった。
出口で待っているのはフトシかリクか分からない。
翌日の日曜日も快晴だった。
時計を見ると、まだ6時前だ。
誰にも会わない所で、のんびり焼きたい。
海もプールも発展場も、誰かしらに会いそうだ。
トーストとコーヒーを作って、朝食を取る。
ラインの受信を知らせる音がした。
こんなに早い時間に誰だろう?
『おはよう。起きてるかな?
これからスーさんとドライブ行くんだけど、ヤマトさんも行かない?』
ユーキからのメールだった。
スーさんというのは、確か縛琉人で見掛けた警官らしき男だ。
「お気に入りとのドライブなのに、どうして二人で行かないんだろう?」
訝しく思いながらも、承諾の返事を返す。
いちゃ付き振りを見せ付けたいんだろうと、軽く考えた。
『良かった。後30分で迎えに行くから、家で待ってて。』
口にトーストを押し込むと、慌てて準備を始める。
フトシの温もりをアナルへ押し込んだ。
クラクションが鳴ったので、表に出て行く。
真っ赤なセレナが停まっていた。
助手席が濃いめのスモークガラスで、中が分からない。
近寄ると窓が下がり、ユーキが顔を見せた。
「おはよう。日焼け日和だね!
あれっ?ヤマトさん、結構焼けてない?
狡いなぁ!」
ユーキはバイト上がりらしく、六尺一丁でテンションが高めだ。
後部席のスライドドアが開く。
思いがけない人物が、後部席に座っていた。
「また会いましたね。
と言っても、今日は無理矢理ヤマトさんを呼んでもらったのですが。」
フトシが照れ気味に言う。
段々とフトシの包囲網が狭まってきている気がした。
後部座席に座ると、雄の臭いが鼻孔を擽る。
「朝方来たフトシちゃんを誘ったんだ。
遠出は大勢の方が盛り上がるからね。
ドライバーのススムちゃんは会ったことがあるよね?」
ユーキが紹介した。
複雑な思いで会釈する。
「海へ行くのは数年振りなので楽しみです。
夕方には先に帰りますが、今日は宜しくお願いします。」
フトシがしおらしく挨拶した。
いつもと変わらぬスパッツとタンク姿だ。
「じゃあ、準備はいいですか?
出発しますよ。」
ススムの掛け声で、セレナが滑らかに動き出す。
車内はユーキのカラオケで盛り上がっている。
「昨日のハリガタは入ってますか?」
不意にフトシが耳元で囁く。
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フトシとの一体化を感じられるディルドを連れてきていた。
(つづく)
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