妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

文字の大きさ
7 / 190
Chapter1(光明編)

Chapter1-④【返事はいらない】前編

しおりを挟む
言われるままに口が開く。
そこに焼肉が押し込まれた。
「ゆっくり、しっかり噛むんだ。
俺のぺニスだと思ってな。
噛めば噛むほど、味が染み出すぞ。」
固くなったマラがブーツを押し返す。
いつしか脳裏から中嶋の笑顔は消えていた。
ワタルは肉を飲み込むと、唇に付いたタレを舌で舐める。
「おお、いい面だ。
そういう淫乱な奴を見ると、こいつも元気が出るぜ。」
ランマは立ち上がると、ロースターのスイッチを強く押した。
滞っていた煙が吸い込まれ、目の前のレザーパンツに竿が浮かび上がる。
厚い革を物ともしない力強さだ。
震える舌先を伸ばす。
直前でランマは腰を引き、席に座った。
「15年お預け食らったんだ。
もう暫く我慢しろ。
お預け食らった野郎は俺の好物だ。
何でも言う事を聞くからな。」
ランマはタンを箸で取ると、再びワタルの目の前にちらつかせる。
ワタルは舌を伸ばし、欲望を露にした。
 
「このホテルに泊まっているのか?」
食後のコーヒーを飲みながら、ランマが煙草を吹かす。
「ええ、早くアパートを見付けないといけないのですが、土地勘が全くなくて。
何処に住むかも決まってないんです。
ランマさんは何処に住んでいるのですか?
良かったら近所に引っ越してもいいですか?」
近所に知人がいれば心強い。
「だったら暫く俺の家に来るか?
嫌になったら、越せばいい。」
ランマの吐き出した煙がロースターに吸い込まれた。
「それは嬉しいけど、迷惑じゃないっすか?」
そこまで甘えるのは気が引ける。
「淫乱なお前なら大歓迎だ。
但し狭いワンルームだから、居心地は良くねぇぞ。
それでも良かったら来い。
アパート探しはそれからでも遅くねぇからな。」
ランマは伝票を持つと席を立った。
 
ワタルは部屋に戻ると、荷物をスーツケースに詰める。
実家の家財は処分したので、身の回りの物はこれだけだ。
パソコンをシャットダウンしようと、マウスを掴む。
明るくなったディスプレイが新着メールを告げた。
差出人を見て、目を見開く。
マッスルビートとなっていたからだ。
『ご無沙汰してます。
お元気でしょうか?
パソコンを整理していたら、ガテン野郎さんの画像が出てきました。
懐かしさに居ても立ってもいられず、メールしてみました。
返事は期待してないので、安心して下さい。
当時は結婚していまして、ゲイ活動はネットの世界だけでした。
会う事なく、連絡を続けられたのはガテン野郎さんだけです。
先日、妻が亡くなり、急に独り身となって戸惑っている所です。
自分勝手な事は重々承知しています。
ただ私が一方的にメールを送る事を許してもらえませんか?』
メールにクリップマークが付いている事に気付き、それをクリックする。
オレンジ色のシングレット姿のマッチョが現れた。
昔のスジ筋とは別人の様な筋肉に覆われている。
熱り起つペニスの先端が濡れていた。
画像を拡大し、股間を広げる。
薄手の生地には竿の血管が浮かび、粘着質な先走りで輝いていた。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

処理中です...