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Chapter1(光明編)
Chapter1-⑦【世界はどこまで青空なのか?】前編
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「おい、罰とか言ってねぇで、即噛ましちまえよ。
どうせ、こいつは射精するさ。
約束なんか守る玉じゃねぇ。
断言出来る。」
しゃがみ込んだシンが煙をアナルに吹き掛ける。
「そうだな。
卵と鶏、どちらが先かだな。
どの道、装着するんだ。」
ワタルには二人の会話の意味が分からない。
たた青空が消えた事だけは確かだった。
「お前の悪趣味にはマジ呆れるよ。
まあ、それが俺達の唯一の共通点だがな。」
シンの卑陋な笑い声がワタルを苛立たせる。
爬虫類系の風貌に嫌悪感を覚えた。
「店はいいのか?
もう昼時だぞ。」
ランマが静かなトーンで聞く。
「こんな面白い場面に出くわしたんだ。
今日のランチは休みだ。
グダグダ言ってねぇで、さっさと貞操具を噛ませよ。
またお前のコレクションに新たな染みを加えんだろ。
あー、こいつも不憫だな。
もうオナニーも出来ねぇなんてな。」
「五月蝿い奴だな。
少しは黙ってろ!」
ランマが声を荒げる。
「はいはい、俺は静かに扱くとするか。」
ランマの後方にだらりとぶら下がったペニスが見えた。
その長さと亀頭を貫通するピアスに目を見張る。
睾丸の付け根に冷たさを感じると、同時に締め付けてきた。
視線を落とすと、睾丸が赤く染まっている。
息苦しさで、真っ赤になった顔と同じだ。
蝶番付きのリングが孫悟空の緊箍児の如く噛ませられていた。
目の前で揺れるPAと真っ赤になった睾丸が青空に似合わない。
白昼夢の中の出来事だと、自分に言い聞かせた。
「どうだ、気分は?」
その言葉を夢の中で聞く。
瞳を開けると、青空は戻っていた。
うたた寝をしてしまった様だ。
馬鹿な夢を見たと、起き上がる。
股間が俄に痛む。
己の股間に視線を向ける。
ロングタイツが歪に隆起していた。
その窪みに染みが広がっている。
「これって?」
質問すら浮かばない。
夢ではなかったのだ。
「俺の好物は悶々とした野郎だ。
射精を止められ、それをする為ならどんな好色なプレイも厭わない奴だ。
淫乱、それはMにとって、最高の賛辞だ。
この貞操具はその一歩目だ。
今月の家賃はダラダラ垂らした先走りでいいぞ。」
ランマが青空を見上げながら言う。
丸で昔話を語る様に。
ワタルは風呂場にあった染みだらけのウェア達の意味を理解する。
同じ境遇の男達の染みに自分のが加わった事実を。
「さあ、存分に汚してくれ。
もうそのユニフォームはお前の専用だ。
さあ、そろそろ帰るか。」
昔話はエンディングに向かっている。
めでたし、めでたしとはいかない。
「ちょっ、ちょっと待って下さい。
こっ、こんなの俺は…。」
突然、体内で震え出す。
腸内に取り残された異物が唸っていた。
「あっ、ああっ…。」
身体と声が揺れた。
便意に似た感覚で足に力が入らない。
「さあ、戻るぞ。
しっかり歩け。」
ランマが掌で弄ぶ物を見入る。
それが震源の送信機である事が直ぐに分かった。
「ちょ、ちょっと…、待って…。」
伸ばした手は綿雲を掴めない。
雲は瞬く間に大きくなっていた。
(つづく)
どうせ、こいつは射精するさ。
約束なんか守る玉じゃねぇ。
断言出来る。」
しゃがみ込んだシンが煙をアナルに吹き掛ける。
「そうだな。
卵と鶏、どちらが先かだな。
どの道、装着するんだ。」
ワタルには二人の会話の意味が分からない。
たた青空が消えた事だけは確かだった。
「お前の悪趣味にはマジ呆れるよ。
まあ、それが俺達の唯一の共通点だがな。」
シンの卑陋な笑い声がワタルを苛立たせる。
爬虫類系の風貌に嫌悪感を覚えた。
「店はいいのか?
もう昼時だぞ。」
ランマが静かなトーンで聞く。
「こんな面白い場面に出くわしたんだ。
今日のランチは休みだ。
グダグダ言ってねぇで、さっさと貞操具を噛ませよ。
またお前のコレクションに新たな染みを加えんだろ。
あー、こいつも不憫だな。
もうオナニーも出来ねぇなんてな。」
「五月蝿い奴だな。
少しは黙ってろ!」
ランマが声を荒げる。
「はいはい、俺は静かに扱くとするか。」
ランマの後方にだらりとぶら下がったペニスが見えた。
その長さと亀頭を貫通するピアスに目を見張る。
睾丸の付け根に冷たさを感じると、同時に締め付けてきた。
視線を落とすと、睾丸が赤く染まっている。
息苦しさで、真っ赤になった顔と同じだ。
蝶番付きのリングが孫悟空の緊箍児の如く噛ませられていた。
目の前で揺れるPAと真っ赤になった睾丸が青空に似合わない。
白昼夢の中の出来事だと、自分に言い聞かせた。
「どうだ、気分は?」
その言葉を夢の中で聞く。
瞳を開けると、青空は戻っていた。
うたた寝をしてしまった様だ。
馬鹿な夢を見たと、起き上がる。
股間が俄に痛む。
己の股間に視線を向ける。
ロングタイツが歪に隆起していた。
その窪みに染みが広がっている。
「これって?」
質問すら浮かばない。
夢ではなかったのだ。
「俺の好物は悶々とした野郎だ。
射精を止められ、それをする為ならどんな好色なプレイも厭わない奴だ。
淫乱、それはMにとって、最高の賛辞だ。
この貞操具はその一歩目だ。
今月の家賃はダラダラ垂らした先走りでいいぞ。」
ランマが青空を見上げながら言う。
丸で昔話を語る様に。
ワタルは風呂場にあった染みだらけのウェア達の意味を理解する。
同じ境遇の男達の染みに自分のが加わった事実を。
「さあ、存分に汚してくれ。
もうそのユニフォームはお前の専用だ。
さあ、そろそろ帰るか。」
昔話はエンディングに向かっている。
めでたし、めでたしとはいかない。
「ちょっ、ちょっと待って下さい。
こっ、こんなの俺は…。」
突然、体内で震え出す。
腸内に取り残された異物が唸っていた。
「あっ、ああっ…。」
身体と声が揺れた。
便意に似た感覚で足に力が入らない。
「さあ、戻るぞ。
しっかり歩け。」
ランマが掌で弄ぶ物を見入る。
それが震源の送信機である事が直ぐに分かった。
「ちょ、ちょっと…、待って…。」
伸ばした手は綿雲を掴めない。
雲は瞬く間に大きくなっていた。
(つづく)
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