妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

文字の大きさ
44 / 190
Chapter2(フラ編)

Chapter2-⑨【ごめんね】後編

しおりを挟む
雨雲は通り過ぎ、強い陽射しが戻ってきた。
ダイヤモンドヘッドへ虹が向かう。
「海へ行こうか?」
嗽をして戻ると、ユーリは帰り支度を始める。
結局不発に終わり、ぽっかり空いたアナルが異物を欲していた。
「ここでもいいんじゃないか?」
ワタルはユーリの荷物に目を向け言う。
「何、その物欲しそうな目付きは?
あんな馬鹿デカいウナギ入れてもまだ足りないの?」
嫌味だっぷりな言い方にそれ以上の抵抗を諦めた。
 
芝の上に荷物を置くと、びしょ濡れのTシャツを脱ぐ。
尋常でない汗の量だ。
ユーリは途中で買ったハンバーガーを齧り付いていた。
口の周りにケチャップを付け、態とらしく舌を伸ばす。
ムラムラした性欲が沸々と沸き上がる。
ワタルは短パンを脱ぎ捨て、Tバック姿を晒す。
「あれっ、随分大胆になったじゃん。」
ユーリは指で口の回りのケチャップを掬うと、その指を目の前に伸ばす。
ワタルは周囲を省みず舌を伸ばした。
「すっかり従順になったね。
だったらご褒美をあげようか?」
ワタルは指を咥えたまま頷く。
 
ユーリはワタルの下半身をビーチタオルで覆う。
「なら、これアナルに入れていいよ。
夜になったら、昨日の店でもっとデカいハリガタを買ってあける。
もうこれじゃ物足りないだろ?
もっと、もっと大きいのが欲しいんでしょ?
欲しい物は何でも買ってあげる。」
ワタルは何度も頷く。
汗だくのアナルは簡単にディルドを飲み込んだ。
股を開き、前屈をする。
刺激を受ける為なら、何でも出来た。
「いいな、その淫乱さ。
益々の僕好みだ。
その薬、何処で手に入るんだろ?
こんなに効き目があるなら毎日飲ませるしかないな。」
ユーリの独り言は欲情したワタルの耳には届かない。
 
ピアスを付けたワタルを想像する。
股間が熱い。
妻にも付けて欲しかったが、結局言う事は出来なかった。
美しい物を飾り立てる。
それは至極当然の思考だ。
『僕の一挙一動で欲情するワタルはもう僕なしではいられなくなる筈だ。
もう大切なモノを失いたくない!』
ピアスを引っ張ると、尻尾を振って喜んでいたケイジを思い出す。
『そうだ、只のハリガタでなく、デカい尻尾にしよう!』
その思い付きに満足し、夜が来るのが待ち遠しくなる。
滝の様な汗を流しながら前屈し、アナルを刺激している男が愛おしい。
『ずっと、ずっと僕の側で飼ってあけるよ。
もう僕は失敗しない。』
 
溢れ出る汗を愛撫したい衝動に抗う。
ユーリは汗やその臭いに興奮を覚えた。
滴り落ちる汗をじっと見詰める。
それはワタルと出会う迄、自覚のない性癖だった。
妻は汗の代わりに涙を流す。
それは酷くしょっぱく、美味しくなかった。
今日の汗は薬の所為か、特にきつい。
特上のご馳走を前にじっと我慢する。
今晩のディナーを更に美味しく食べる為に。
熱り起つマラは他人の物の様だ。
昨夜はワタルの臭いに包まれて、久し振りに安眠出来た。
浅い眠りの日々が続いていた。
楓の訪問が眠りを妨げていたのだ。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

処理中です...