妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter4(下坂編)

Chapter4-④【I seek】後編

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姿勢を正すと、先走りが宙で揺れる。
「随分、粘着質だな。」
高木はそれを指に絡めると、ワタルの口元に持ってきた。
「どうするか、分かるな?」
「はい!」
舌を伸ばすと、その指が引っ込んだ。
手袋をした指が空振った舌を掴む。
ワタルは藻掻くが、その指は執拗に離さない。
冷たい視線が舌に向けられ、ゾクゾクした。
「ベロは荒れてないな。
次だ、寝そべろ。」
唐突に離され、尻餅を搗く。
 
ブーツが股を襲ってきた。
頑丈なヒールが股間を踏みつける。
「大した反発力だ。
だが、これならどうだ?」
高木の片足が床から離れた。
全体重がマラにのし掛かる。
「ぐわぁ!」
開いた口に手袋を押し込まれた。
ラバーの臭いが口一杯に広がる。
そしてチェーンが引っ張られた。
安定性しない高木は片足でバランスを保つ。
丸でバランスボールに乗ってる様に。
「いっ…。」
身体を仰け反らせ、フィニッシュへ向かう。
同時に高木が飛び降りた。
「ちっ、早漏の気がありか。
ここは不合格だ。
まあ、総合では合格にしてやる。
どうせ俺の奴隷になったら、射精は出来ないからな。
早漏でも遅漏でも関係ない。」
鼻呼吸を必死でする中、合格を知る。
ラバーの味を噛み締めながら、全身をキャットスーツで覆われる事に思いを馳せた。
 
タクはもういなかった。
「一時に上がる。
それ迄、しっかりトレーニングしてろ。」
高木がよそゆき顔になる。
階下に行き、空いているベンチにタオルを置く。
グローブをすると、力が漲る。
普段挙がらない重量を持ち上げられた。
寸止めを食らい、行き先を失った欲望が出口を求めている様だ。
全身に力が漲った。
お盆休みの所為か、知った顔はいない。
股を開いてブリッジすると、簡単にバーが持ち上がる。
薄いスパッツに竿が浮かび上がっている筈だ。
周囲の視線が心地好い。
「おりゃ!」
気合いが声になった。
 
「入れ。」
部屋は二階建てアパートの一階角だった。
高木はブーツのまま中へ入っていく。
ムッとするワンルームで、リモコンをエアコンへ向ける。
太鼓を乱れ打ちする様な騒音が部屋を満たした。
ベッドに座り、足を組んだ。
「正座しろ。」
言われるままに正座する。
目の前でブーツが揺れた。
「先を見ろ。」
ブーツの先端に目を向けると、小さな染みがある。
「それはお前の先走りだ。
汚したお前が拭け。」
ブーツが口元に伸びる。
ラバーを身に纏う為なら何でも出来た。
あの輝かしい日々を取り戻したい。
ざらっとした舌触りに欲望が活性化する。
 
大きな音の割りにエアコンの効き目は薄い。
瞬く間に汗だくになる。
フローリングに汗が滴り落ちた。
高木も同様だ。
全身から吹き出した汗がブーツの中へ吸い込まれていく。
「先ずは奴隷らしい格好になってもらおうか。」
その言葉に舌が止まる。
「と言っても全身ラバーはまだ先だ。
褒美はそう簡単にやらない主義だ。」
立ち上がった高木がクローゼットを開けた。
 
 
(つづく)
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