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Chapter8(宝物編)
Chapter8-⑨【トロピカル・ヒーロー】
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目印のコンビニを曲がる。
酷く狭い路地の突き当たりに店はあった。
ドアに『会員制 黒とかげ』と書いてある。
ここで躊躇したら、入るまでに時間が掛かってしまう。
深呼吸をすると、一気にドアを押す。
甘いトロピカルな香りが雪崩れ込んできた。
「いらっしゃい。
あらっ、早速来てくれたのね。」
クロはTバック姿で営業していた。
サンオイルの中に、あの刺激な香りが混ざっている。
「はい…。
あの、この様なお店は初めてなのですが…。」
「ようこそ、黒とかげへ。
黒とかげは明瞭会計だから、心配無用よ。
さあ、寛いでちょうだい。」
カウンターだけの小さな店だ。
L字の短い方に先客が座っていた。
「こちらへどうぞ。」
一つ置いた隣におしぼりを置く。
ネクタイにスーツを着た男は小刻みに揺れている。
黒縁眼鏡を掛けた男は40才前後だろうか。
脂ぎった顔はここが南国かと錯覚させた。
「ここは好きな格好で飲める店なのよ。
競パンはモチロン、Tバックやケツワレでお飲みになるお客様もいるわ。」
「はあ…。
とりあえずビールをお願いします。」
「黄色いビキニ似合ってたわよ。
もう一度見せて。」
「でも汗とオイルでびしょ濡れなんです。」
「あら、そんなの構わないわ。
さあ、とっとと着替えちゃって。
そこのカーテンの奥がフィティングルームになってるから。」
急かされた事が口実になった。
これは仕方なくなのだと、自分を納得させる。
ビルパンに着替え、席に座る。
少し暑い店内で飲む冷たいビールは頗る旨い。
緊張は直ぐに解けた。
クロの話術は巧みだ。
リヒトの願望を理解し、様々なアドバイスをしてくれた。
「この刺激的な香りは練り香水をここに仕込んでいるのよ。」
クロは突き出した尻を指差す。
「りっちゃんにも入れてあげるわ。
お尻出しなさい。」
興味はあるが、奥の男が気になる。
相変わらずテカテカした顔で、視点は定まってない。
ただ身体を揺らし、時たまビールを飲むだけだ。
「リョウキなら気にしないで。
放置中だから、周囲なんか目に入ってないわ。」
リヒトの視線に気付いたクロが奥の男を見て言った。
「奉仕…、中?」
「そう、リョウキの下半身見てみなさい。」
言われるままに身を乗り出し、下を眺める。
「えっ!」
下は裸だった。
ナイロンのソックスと革靴だけだ。
捲れたスーツから勃起したペニスが覗いている。
紐で縛られた睾丸は真っ赤に染まっていた。
「ウチではこういう飲み方も出来るのよ。
りっちゃんも縛ってあげましょうか?」
リヒトは慌てて大きく顔を振る。
それに比べたらアナルを晒す事など容易い。
練り香水を掬い、アナルに塗ってみた。
刺激的な匂いが身体を熱くする。
『もっと近くで匂いを嗅ぎたい。』
その願いはここで簡単に叶えられた。
「デカマラ好きの男を振り向かせたい訳ね。」
不思議な事にクロには何でも話せた。
「で、りっちゃんはサイズ的にはどうなの?」
「あの…、かなり…、小さいです。」
消え入りそうな声で答える。
「それは難問ね。」
黒い顔を傾け、タバコを燻らす。
カウンター下を盗み見る。
大きなペニスが反っていた。
真っ赤に染めて、喜んでいる様に見える。
このパンパンに膨らんだグロテスクなペニスがソラは好きなのだろう。
(つづく)
酷く狭い路地の突き当たりに店はあった。
ドアに『会員制 黒とかげ』と書いてある。
ここで躊躇したら、入るまでに時間が掛かってしまう。
深呼吸をすると、一気にドアを押す。
甘いトロピカルな香りが雪崩れ込んできた。
「いらっしゃい。
あらっ、早速来てくれたのね。」
クロはTバック姿で営業していた。
サンオイルの中に、あの刺激な香りが混ざっている。
「はい…。
あの、この様なお店は初めてなのですが…。」
「ようこそ、黒とかげへ。
黒とかげは明瞭会計だから、心配無用よ。
さあ、寛いでちょうだい。」
カウンターだけの小さな店だ。
L字の短い方に先客が座っていた。
「こちらへどうぞ。」
一つ置いた隣におしぼりを置く。
ネクタイにスーツを着た男は小刻みに揺れている。
黒縁眼鏡を掛けた男は40才前後だろうか。
脂ぎった顔はここが南国かと錯覚させた。
「ここは好きな格好で飲める店なのよ。
競パンはモチロン、Tバックやケツワレでお飲みになるお客様もいるわ。」
「はあ…。
とりあえずビールをお願いします。」
「黄色いビキニ似合ってたわよ。
もう一度見せて。」
「でも汗とオイルでびしょ濡れなんです。」
「あら、そんなの構わないわ。
さあ、とっとと着替えちゃって。
そこのカーテンの奥がフィティングルームになってるから。」
急かされた事が口実になった。
これは仕方なくなのだと、自分を納得させる。
ビルパンに着替え、席に座る。
少し暑い店内で飲む冷たいビールは頗る旨い。
緊張は直ぐに解けた。
クロの話術は巧みだ。
リヒトの願望を理解し、様々なアドバイスをしてくれた。
「この刺激的な香りは練り香水をここに仕込んでいるのよ。」
クロは突き出した尻を指差す。
「りっちゃんにも入れてあげるわ。
お尻出しなさい。」
興味はあるが、奥の男が気になる。
相変わらずテカテカした顔で、視点は定まってない。
ただ身体を揺らし、時たまビールを飲むだけだ。
「リョウキなら気にしないで。
放置中だから、周囲なんか目に入ってないわ。」
リヒトの視線に気付いたクロが奥の男を見て言った。
「奉仕…、中?」
「そう、リョウキの下半身見てみなさい。」
言われるままに身を乗り出し、下を眺める。
「えっ!」
下は裸だった。
ナイロンのソックスと革靴だけだ。
捲れたスーツから勃起したペニスが覗いている。
紐で縛られた睾丸は真っ赤に染まっていた。
「ウチではこういう飲み方も出来るのよ。
りっちゃんも縛ってあげましょうか?」
リヒトは慌てて大きく顔を振る。
それに比べたらアナルを晒す事など容易い。
練り香水を掬い、アナルに塗ってみた。
刺激的な匂いが身体を熱くする。
『もっと近くで匂いを嗅ぎたい。』
その願いはここで簡単に叶えられた。
「デカマラ好きの男を振り向かせたい訳ね。」
不思議な事にクロには何でも話せた。
「で、りっちゃんはサイズ的にはどうなの?」
「あの…、かなり…、小さいです。」
消え入りそうな声で答える。
「それは難問ね。」
黒い顔を傾け、タバコを燻らす。
カウンター下を盗み見る。
大きなペニスが反っていた。
真っ赤に染めて、喜んでいる様に見える。
このパンパンに膨らんだグロテスクなペニスがソラは好きなのだろう。
(つづく)
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