妄想日記3<<RISING>>

YAMATO

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Chapter3(Stargazer編)

Chapter3-⑥【LUNCH TIME WARS】

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仁藤は黙ったままフォークを動かす。
チラチラとタカユキを見ては、何かを言い掛ける。
しかし言葉は発さず、開いた口にランチを運ぶ。
苦渋を味わう表情が面白かった。
「これからジムに来られますか?」
食べ終わった所を見計らい、聞いてみる。
尿道の痛みは薄れ、猥らさだけが残っていた。
「そのつもりで来たのですが…。
タカユキさんとランチを食べれて、思わぬ収穫でした。」
照れ顔の仁藤が伝票に手を伸ばす。
タカユキはニンマリ笑うと席を立つ。
 
「お帰りなさい。
どうですか?」
ジムに戻ると、岩佐が声を掛けてきた。
「おかげさまで、大分落ち着きました。」
タカユキは頭を下げる。
「それは良かった。
新しいウェアをスタッフルームに置いておきました。
折角ならお客様に見て頂いた方がいいですから。」
岩佐が安堵の表情を浮かべた。
「同じペニスプラグの在庫を持って来ました。
お客様に聞かれたら、是非勧めて下さい。」
最後はしっかりと商売気を見せた。
 
仁藤がロッカールームから出て来た。
岩佐は既に事務所に戻っている。
暫くはつきっきりでサポート出来そうだ。
「す、凄い…、ですね。」
正に絶句という単語がピッタリだった。
タカユキのウェアを見た仁藤は言葉が続かない。
タンクトップのガーゼ地以上に目の荒いショートパンツを目にしたからだ。
仁藤が亀頭の突起物を確認しようと、目を凝らす。
「今日のトレーニングはどうしますか?」
視線を無視して尋ねる。
「週末以来なので、胸中心に行います。
サポートお願いできますか?」
仁藤がYバックの紐のポジションを直す。
そのカラー、デザインに見覚えがあった。
昨晩、日焼けサロンで見掛けた時に穿いていた物だ。
ココナッツの香りが鼻を擽る。
「そ、それは…、どうなっているのですか?」
ベンチに寝そべった仁藤が聞いてきた。
「それって、どれですか?」
突起物の先にある顔を見下ろす。
「その亀頭に嵌まっている物です。
もしかしてピアスですか?」
横たわった股間は、もう小さなポーチでは覆い切れない。
パンパンに膨張した亀頭が顔を見せていた。
「あっ、これですか?
ペニスプラグです。
ピアスより手軽に装着出来るので、流行っているんですよ。」
適当な事を嘯く。
「い、痛くないのですか?」
爛々と目を輝かせ、質問は尚も続く。
「ええ、全く痛くありません。
良かったら、ひとつどうですか?」
指を一本立てて、ニッコリ微笑む。
「じ、直に見せて貰えませんか?」
声が震えている。
「ええ、構いませんよ。」
バーの下に腰を突き出す。
仁藤の震える手が短パンに掛かる。
荒い息遣いが心地好く、耳に届いた。
 
自動音声が静寂を破った。
タカユキは身を翻し、カウンターに向かう。
入って来たのは宅配のユニフォームを着たムサシだった。
「ちわ!お届け物です。」
威勢のよい声がジムに響く。
「先輩、今日もエロ全開っすね!
昨日はあれから大変だったすよ。」
ムサシは面白おかしく前日の経緯を話し出す。
相槌を打ちながら、話に聞き入る。
背後からの燃え滾る様な視線に、全く気付かなかった。
疼く股間はムサシに向いていたのだ。
会員が入って来たのを機に、ムサシは出て行った。
夕方が近付きケンゴ目当ての会員が次々にやって来る。
瞬く間にジムは会員で溢れた。
忙しさにかまけて、仁藤の存在を忘れてしまう。
迷彩柄のタンクトップを来たケンゴが現れた。
「チィース!休み明けで、めちゃ混んでるな。
朝からこんなか?」
出社早々愚痴を零す。
「今日は昼間調子悪くて、中抜けしたんだ。
少し残業して行くよ。」
質問を無視して、話をすり替える。
ケンゴが股間の変化に気付くか、ドギマギしながら顔色を窺う。
「だったらサポートは頼むわ。
昨日羽目を外し過ぎて、気持ち悪いんだ。
完全な二日酔い…。」
ケンゴは欠伸をすると、スタッフルームへ消えて行った。
 
 
(つづく)
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