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王家だよ! 全員集合! 前編!
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王太子コクトーの花嫁で正妃となったナナであったが、第2王子であるリデル・ミケロット以外のコクトーの弟妹とはまだ面識がまったくなかった。
「輿入れして少し経つのに、女王陛下とミモザ殿下とリデル王子以外の嫁ぎ先の王家のメンツに会わないってダメだよな?」
気が強く、口調は荒いが、わりかし常識的であるナナが心配になり、モモに相談するとモモはナナの言葉を待っていたとばかりに、王家全員との顔合わせイベント詳細を語った。
「来週にはダイアナ女王陛下への表敬訪問として、王婿ミモザ殿下や王太子のコクトーを筆頭に現王室メンバーが女王陛下に挨拶する家族内イベントがある。そこにナナも強制参加となるから気にするな!」
女王陛下は多忙なので、子育ては殆ど、王婿であるミモザに任せているが、1ヶ月に1度くらいのタイミングでミモザ殿下をはじめ、王室メンバーが一同にかいして女王ダイアナに対して感謝する日をもうけているのだ。王婿であるミモザ殿下は子供たちよりはコンスタントに妻である女王ダイアナと一緒に生活して寝室も同じだが、子供たちは下手すると1ヶ月スパンで母王にお目通りする機会がない。
「女王陛下はあくまで国政が最優先! 子供たちのことはミモザ殿下に丸投げ……もとい、信頼して任せているからな」
王婿であるミモザ殿下の本名は、ミモザ・エルキュール――この王婿ミモザ殿下は実子ではなく、息子の嫁であるナナ対しても非常に優しくて、直々に東宮には来ないが、度々ナナ宛に心身を気遣う手紙をくれる。王太子コクトーにも頻繁に手紙を送ってくるので養育の責任以前にかなりの子煩悩なのだろう。
「ミモザ殿下は、昔から気難しいようで、めちゃくちゃ優しいんだ! 引きこもり王子だったが、西の離宮に仕えていた俺やシルフィや護衛のワト&ニノにも気さくで親切にしてくれた」
辛辣なモモがミモザ殿下のことだけは嘘偽りなく誉めまくる。ミモザ殿下はダイアナ女王の父で前国王の弟の息子であったが、生後まもなく両親を亡くしてからはその先代国王夫妻の養子となり、育てられたとナナはミモザ殿下の従者であったシルフィから聞かされた。
ダイアナ女王が即位前は、王位継承問題に巻き込まれたり、散々な目にあって結果、西の離宮に引きこもりをしたらしいが、即位前の現女王であるダイアナ王女と結婚してからは、ミモザ殿下を引きこもり王子と揶揄していた貴族たちが手の平を返したように、熱烈なミモザ殿下支持者となり、国民にも愛され、慕われている。
「コクトーは、そんなミモザ殿下に容姿だけは似てやがる。マジで容姿だけな!」
辛口のモモがそう言って笑うとナナは迷わず反論した。
「容姿だけではない! コクトーは東宮で働く者すべてに優しくて、俺のことも本気で愛してくれる。ミモザ殿下みたいな凛とした空気は皆無だが、コクトーは間違いなく立派な王太子だ!」
ナナがそう反論してキッと睨むと、モモは珍しく驚いたように美しい菫色の瞳を見開いたが、途端に嬉しそうに破顔した。
「そうだろう! ナナはわかってんな! コクトーはミモザ殿下と正反対なようで、実はクリソツなんだよ! 俺にとって、コクトーは自分の命より大切なんだ」
「モモ、その言葉は俺に言わないでコクトーに向けて言ってやれ。そうすれば、コクトーの自虐は改善する」
息を吐いてナナが突っ込むと、モモは悪戯っぽく、「言わねーよ。ナナには知っておいて欲しかったんだ。俺の本心を」、とだけ告げた。
そんなこんなしている内に、王室メンバー全員集合イベントの日が来てしまったのである。ナナは礼服を着て、同じく正装したコクトーと共にモモやマックスに付き添われながら馬車で、女王陛下とミモザ殿下が住まう王宮の本宮に向かった。王宮でも王太子コクトーと他の弟妹では本宮に入宮する順番や立ち位置、着席する席の順番や女王陛下に声を掛けるタイミングがすべて異なると、事前にナナはモモやマックスから教えてもらった。
「まずは、ミモザ殿下が王婿として女王陛下にご挨拶。次いで、王太子であらせられるコクトー殿下とその正妃であるナナ妃殿下がご挨拶する段取りです。後は第2王子リデル殿下から順番にご挨拶をいたします。全員の挨拶が終了したら女王陛下の許しをえて着席しますから、勝手に座ってはダメですよ?」
マックスに何度も念をおされたナナは、「俺だって北の大国の元第4王子だ。そういうルールはわかるって」と笑ったが、モモは甘い、と指摘してきた。
「女王陛下とミモザ殿下の御子はコクトー含めて6人。それにナナが加わり7人だ。挨拶も時間制現があり、短くても長くてもダメ! 全員の挨拶が終わって女王陛下が「楽にせよ」と仰るまで全員、跪いて平伏だからな? 腰を傷めるなよ?」
「そのくらいで腰をやられるほど俺はヤワじゃない!」
ナナが強がって言い切ると、コクトーは心配そうに声を掛けてきた。
「ナナ。母上への挨拶では決まって冒頭に、「偉大なる女王陛下にして、慈悲深き母上さま」、は必須だよ? それと今回は僕の花嫁であるナナに弟妹たちが、おのおの挨拶するから着席までがすごく長い。それまでナナは常に笑顔でいないと女王陛下である母上に無礼を働いた形になる。……できそう?」
「結構やること多いな!? でも、ここまで来たら立ち向かうしかないだろ! コクトー、そんな心配するな! 俺は王太子妃殿下としてちゃんとする!」
ナナがそう宣言すると、コクトーはまだ心配していたが、モモに視線で促され、それ以上は何も言わなかった。
果たして、ナナは王太子コクトーの花嫁として無事にダイアナ女王やミモザ殿下、そしてリデル王子を筆頭とするコクトーの弟妹たちと良好な関係を築けるのか?
「女王陛下の御前ではミモザ殿下も、ナナがオイタをしても流石にフォローしてはくれない。コクトー、ナナのことをキチンと守れよ? それも王太子の務めだ」
モモに真剣に言い聞かされて、コクトーは緊張していたが、決意したように口を開いた。
「ナナのことは僕が守るよ。妃を守るのは王太子として当たり前のことだから」
「いい子だ。ナナ、王室の家族内イベントでも、これは王家の立派な行事だ。コクトーを困らせたら、俺が殺すからな?」
今まではコクトーを脅すことはあっても、ナナを威圧しなかったモモが、初めてナナに対してプレッシャーを掛けてきた。
それくらい重要な行事なのだと、ナナはゴクリと唾を呑んだが、絶対に王太子であるコクトーを困惑させるマネはしないと心に誓ったのである。
緊迫する馬車のなかでマックスだけは妙にリラックスした様子で言ったのだ。
「王室の家族内イベントならば、リデル王子もストーキング行為は慎むから気が楽です。リデル王子は過去に女王陛下の御前で俺に投げキッスをして母上であるダイアナ女王に拳でボコボコに殴られてましたからね!」
「おい! 偉大なる女王陛下にして、慈悲深き母上さまにしては、子供への仕打ちがDV過ぎだろ!? ミモザ殿下も嫁が息子殴ったら流石に庇えや!」
「殴られたリデル王子が昏倒したので、ミモザ殿下が介抱していました。ミモザ殿下が止めなければリデル王子は女王陛下に撲殺されてましたよ?」
予想外にバイオレンスな王室の家族内イベントだったようで、ナナはモモが本気でコクトーの身を案ずる気持ちが深く理解できた。
「コクトー、俺は絶対に女王陛下にボコられないよう礼儀正しくするから安心しろ。負担はかけない」
「約束だよ? ミモザ父上が手紙で教えてくれたけれど、妹のファナが、その……女の子の月のものが来ちゃって、少し情緒不安定みたいだから優しくしてあげてね? あと末の妹のリラもミモザ父上が絵本100冊読み聞かせてから、夜眠れなくて、癇癪を頻繁に起こすみたいだけど、まだ5歳だから大目にみてあげて」
「ミモザ殿下……。冊数も大概だが、どんな絵本を読み聞かせたんだよ? とりあえず、コクトーの妹2名は情緒不安定ってことを胸に刻んで対応する」
コクトーの弟妹のうち、妹姫2名が早くもヤバイと察したナナに向かって、モモが追い打ちを掛けてきた。
「リデル王子は殴られたトラウマで女王陛下の御前ではおとなしくしてるが、9歳で双子のモニエ&ルクレール王子は共にヤンチャで、悪戯でバクチク投げてくるから警戒しろよ? ナナ」
「女王陛下とミモザ殿下の子供が総じてヤバイだろ!? 最もマトモなのが長男のコクトーだけかよ! もう、礼儀とかいらねーだろ? そんな王室メンバーに対して!」
馬車のなかでナナが叫んでも無駄であり、王宮の本宮が近づいてくる。
ナナは心のなかで、絶対に女王陛下ダイアナを怒らせず、ミモザ殿下にも行儀よくして、女王に拳でボコられる危機は回避しようとかたく誓った。そして、情緒不安定気味な義妹であるファナ王女とリラ王女にも優しくして、双子王子のモニエ&ルクレール王子のバクチクに警戒して、リデル王子は、マックスに投げキッスでも壁ドンでもして女王陛下に半殺しにされていいと思っていた。
「まもなく王宮の本宮にご到着でございます!」
馬車の御者の報告を耳にして、ナナは背筋を正してコクトーに手を添えた。
「お前の家族が総じてモンスターでも、俺は負けない!」
「ナナ、戦地に行くみたいな顔はしないで。いざとなればミモザ父上がいるから!」
ナナの緊張した様子をみて必死で励ましているコクトーを見守りながら、モモは内心で、「そのミモザ殿下が1番のくせ者だけどな!」、と思いつつ、王太子としての気概を見せているコクトーに満足していた。
こうして、「王家だよ! 全員集合!」なイベントが始まるのである。
【続く!】
「輿入れして少し経つのに、女王陛下とミモザ殿下とリデル王子以外の嫁ぎ先の王家のメンツに会わないってダメだよな?」
気が強く、口調は荒いが、わりかし常識的であるナナが心配になり、モモに相談するとモモはナナの言葉を待っていたとばかりに、王家全員との顔合わせイベント詳細を語った。
「来週にはダイアナ女王陛下への表敬訪問として、王婿ミモザ殿下や王太子のコクトーを筆頭に現王室メンバーが女王陛下に挨拶する家族内イベントがある。そこにナナも強制参加となるから気にするな!」
女王陛下は多忙なので、子育ては殆ど、王婿であるミモザに任せているが、1ヶ月に1度くらいのタイミングでミモザ殿下をはじめ、王室メンバーが一同にかいして女王ダイアナに対して感謝する日をもうけているのだ。王婿であるミモザ殿下は子供たちよりはコンスタントに妻である女王ダイアナと一緒に生活して寝室も同じだが、子供たちは下手すると1ヶ月スパンで母王にお目通りする機会がない。
「女王陛下はあくまで国政が最優先! 子供たちのことはミモザ殿下に丸投げ……もとい、信頼して任せているからな」
王婿であるミモザ殿下の本名は、ミモザ・エルキュール――この王婿ミモザ殿下は実子ではなく、息子の嫁であるナナ対しても非常に優しくて、直々に東宮には来ないが、度々ナナ宛に心身を気遣う手紙をくれる。王太子コクトーにも頻繁に手紙を送ってくるので養育の責任以前にかなりの子煩悩なのだろう。
「ミモザ殿下は、昔から気難しいようで、めちゃくちゃ優しいんだ! 引きこもり王子だったが、西の離宮に仕えていた俺やシルフィや護衛のワト&ニノにも気さくで親切にしてくれた」
辛辣なモモがミモザ殿下のことだけは嘘偽りなく誉めまくる。ミモザ殿下はダイアナ女王の父で前国王の弟の息子であったが、生後まもなく両親を亡くしてからはその先代国王夫妻の養子となり、育てられたとナナはミモザ殿下の従者であったシルフィから聞かされた。
ダイアナ女王が即位前は、王位継承問題に巻き込まれたり、散々な目にあって結果、西の離宮に引きこもりをしたらしいが、即位前の現女王であるダイアナ王女と結婚してからは、ミモザ殿下を引きこもり王子と揶揄していた貴族たちが手の平を返したように、熱烈なミモザ殿下支持者となり、国民にも愛され、慕われている。
「コクトーは、そんなミモザ殿下に容姿だけは似てやがる。マジで容姿だけな!」
辛口のモモがそう言って笑うとナナは迷わず反論した。
「容姿だけではない! コクトーは東宮で働く者すべてに優しくて、俺のことも本気で愛してくれる。ミモザ殿下みたいな凛とした空気は皆無だが、コクトーは間違いなく立派な王太子だ!」
ナナがそう反論してキッと睨むと、モモは珍しく驚いたように美しい菫色の瞳を見開いたが、途端に嬉しそうに破顔した。
「そうだろう! ナナはわかってんな! コクトーはミモザ殿下と正反対なようで、実はクリソツなんだよ! 俺にとって、コクトーは自分の命より大切なんだ」
「モモ、その言葉は俺に言わないでコクトーに向けて言ってやれ。そうすれば、コクトーの自虐は改善する」
息を吐いてナナが突っ込むと、モモは悪戯っぽく、「言わねーよ。ナナには知っておいて欲しかったんだ。俺の本心を」、とだけ告げた。
そんなこんなしている内に、王室メンバー全員集合イベントの日が来てしまったのである。ナナは礼服を着て、同じく正装したコクトーと共にモモやマックスに付き添われながら馬車で、女王陛下とミモザ殿下が住まう王宮の本宮に向かった。王宮でも王太子コクトーと他の弟妹では本宮に入宮する順番や立ち位置、着席する席の順番や女王陛下に声を掛けるタイミングがすべて異なると、事前にナナはモモやマックスから教えてもらった。
「まずは、ミモザ殿下が王婿として女王陛下にご挨拶。次いで、王太子であらせられるコクトー殿下とその正妃であるナナ妃殿下がご挨拶する段取りです。後は第2王子リデル殿下から順番にご挨拶をいたします。全員の挨拶が終了したら女王陛下の許しをえて着席しますから、勝手に座ってはダメですよ?」
マックスに何度も念をおされたナナは、「俺だって北の大国の元第4王子だ。そういうルールはわかるって」と笑ったが、モモは甘い、と指摘してきた。
「女王陛下とミモザ殿下の御子はコクトー含めて6人。それにナナが加わり7人だ。挨拶も時間制現があり、短くても長くてもダメ! 全員の挨拶が終わって女王陛下が「楽にせよ」と仰るまで全員、跪いて平伏だからな? 腰を傷めるなよ?」
「そのくらいで腰をやられるほど俺はヤワじゃない!」
ナナが強がって言い切ると、コクトーは心配そうに声を掛けてきた。
「ナナ。母上への挨拶では決まって冒頭に、「偉大なる女王陛下にして、慈悲深き母上さま」、は必須だよ? それと今回は僕の花嫁であるナナに弟妹たちが、おのおの挨拶するから着席までがすごく長い。それまでナナは常に笑顔でいないと女王陛下である母上に無礼を働いた形になる。……できそう?」
「結構やること多いな!? でも、ここまで来たら立ち向かうしかないだろ! コクトー、そんな心配するな! 俺は王太子妃殿下としてちゃんとする!」
ナナがそう宣言すると、コクトーはまだ心配していたが、モモに視線で促され、それ以上は何も言わなかった。
果たして、ナナは王太子コクトーの花嫁として無事にダイアナ女王やミモザ殿下、そしてリデル王子を筆頭とするコクトーの弟妹たちと良好な関係を築けるのか?
「女王陛下の御前ではミモザ殿下も、ナナがオイタをしても流石にフォローしてはくれない。コクトー、ナナのことをキチンと守れよ? それも王太子の務めだ」
モモに真剣に言い聞かされて、コクトーは緊張していたが、決意したように口を開いた。
「ナナのことは僕が守るよ。妃を守るのは王太子として当たり前のことだから」
「いい子だ。ナナ、王室の家族内イベントでも、これは王家の立派な行事だ。コクトーを困らせたら、俺が殺すからな?」
今まではコクトーを脅すことはあっても、ナナを威圧しなかったモモが、初めてナナに対してプレッシャーを掛けてきた。
それくらい重要な行事なのだと、ナナはゴクリと唾を呑んだが、絶対に王太子であるコクトーを困惑させるマネはしないと心に誓ったのである。
緊迫する馬車のなかでマックスだけは妙にリラックスした様子で言ったのだ。
「王室の家族内イベントならば、リデル王子もストーキング行為は慎むから気が楽です。リデル王子は過去に女王陛下の御前で俺に投げキッスをして母上であるダイアナ女王に拳でボコボコに殴られてましたからね!」
「おい! 偉大なる女王陛下にして、慈悲深き母上さまにしては、子供への仕打ちがDV過ぎだろ!? ミモザ殿下も嫁が息子殴ったら流石に庇えや!」
「殴られたリデル王子が昏倒したので、ミモザ殿下が介抱していました。ミモザ殿下が止めなければリデル王子は女王陛下に撲殺されてましたよ?」
予想外にバイオレンスな王室の家族内イベントだったようで、ナナはモモが本気でコクトーの身を案ずる気持ちが深く理解できた。
「コクトー、俺は絶対に女王陛下にボコられないよう礼儀正しくするから安心しろ。負担はかけない」
「約束だよ? ミモザ父上が手紙で教えてくれたけれど、妹のファナが、その……女の子の月のものが来ちゃって、少し情緒不安定みたいだから優しくしてあげてね? あと末の妹のリラもミモザ父上が絵本100冊読み聞かせてから、夜眠れなくて、癇癪を頻繁に起こすみたいだけど、まだ5歳だから大目にみてあげて」
「ミモザ殿下……。冊数も大概だが、どんな絵本を読み聞かせたんだよ? とりあえず、コクトーの妹2名は情緒不安定ってことを胸に刻んで対応する」
コクトーの弟妹のうち、妹姫2名が早くもヤバイと察したナナに向かって、モモが追い打ちを掛けてきた。
「リデル王子は殴られたトラウマで女王陛下の御前ではおとなしくしてるが、9歳で双子のモニエ&ルクレール王子は共にヤンチャで、悪戯でバクチク投げてくるから警戒しろよ? ナナ」
「女王陛下とミモザ殿下の子供が総じてヤバイだろ!? 最もマトモなのが長男のコクトーだけかよ! もう、礼儀とかいらねーだろ? そんな王室メンバーに対して!」
馬車のなかでナナが叫んでも無駄であり、王宮の本宮が近づいてくる。
ナナは心のなかで、絶対に女王陛下ダイアナを怒らせず、ミモザ殿下にも行儀よくして、女王に拳でボコられる危機は回避しようとかたく誓った。そして、情緒不安定気味な義妹であるファナ王女とリラ王女にも優しくして、双子王子のモニエ&ルクレール王子のバクチクに警戒して、リデル王子は、マックスに投げキッスでも壁ドンでもして女王陛下に半殺しにされていいと思っていた。
「まもなく王宮の本宮にご到着でございます!」
馬車の御者の報告を耳にして、ナナは背筋を正してコクトーに手を添えた。
「お前の家族が総じてモンスターでも、俺は負けない!」
「ナナ、戦地に行くみたいな顔はしないで。いざとなればミモザ父上がいるから!」
ナナの緊張した様子をみて必死で励ましているコクトーを見守りながら、モモは内心で、「そのミモザ殿下が1番のくせ者だけどな!」、と思いつつ、王太子としての気概を見せているコクトーに満足していた。
こうして、「王家だよ! 全員集合!」なイベントが始まるのである。
【続く!】
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