36 / 205
第36話 まずは、ふせから覚えよう
しおりを挟む
フランスが近づくと、赤い竜の瞳がこちらに向けられる。
大きな星みたいね。
きらきらしてきれいだわ。
近くまで行くと、赤い竜の姿はほどけて人のすがたになった。
人のすがたにもどったイギリスが、フランスのほうへと近づいて、不自然な距離で止まる。
ん?
なに、この微妙に遠い距離感……。
あ。
アミアン一人分⁉
……律儀に守るのね。
フランスは、天幕でのことに改めて礼を言ってから、目の前にひろがる湖を見つめて、言った。
「美しい場所ですね」
「ピュイ山脈の中腹あたりだ」
ピュイ山脈なのね。
教国にある山脈だが、教会からはかなり遠い。フランスにとっては、名前は知ってはいても、はじめて見る場所だった。
山だから、すこし冷えるのね。
フランスは湖に近寄ってのぞいてみた。まるでそのまま星空がそこにあるようだった。
陽の光の中でみたら、どんなに美しい湖なのかしら。
ピュイ山脈に湧く水は、得がたいほどに清い水だというもの。明日の朝が楽しみね。
それにしても……。
ここには騎士の姿はないのね。
フランスは不思議に思って訊いた。
「あの天幕は帝国の騎士たちが建てにきたのですか?」
「いや、人の足で来るには難しい場所だ。わたしが少し前に持ってきて、建てた」
「えっ」
まさか、あれ、全部、皇帝陛下がひとりで建てたの?
お菓子を用意して……、うさぎの人形まで持ってきて?
あまりにも、意外だわ。
言葉よりも、態度を注意深く見ないといけない方なのかもね。
「ありがとうございます」
フランスのことばに、イギリスが頷く。
フランスは空を見上げた。
こんな山の上まで来たのは、はじめてね。町から見るよりも、星がはっきりと見えるような気がするわ。
不思議ね。
入れかわって、とんでもないことの連続だけれど……。こうやって、素敵な景色を見られるのは楽しいわ。
肩にマントをかけられる。
あたたかい。
イギリスはかけるだけかけると、律儀にもアミアン一人分はなれて立った。
フランスは、思わずくすくすわらった。
おかしい。
イギリスが不愛想な表情のまま言う。
「なんだ」
「帝国の紳士は、素敵ですね」
イギリスがちいさく、ふんと言った。
*
前言撤回よ。
な~にが、帝国の紳士よ。
あんまり、むかつくようだったら、お尻にかみついてやるからね。
朝起きると、フランスは赤い竜の姿で湖のほとりにいた。
いつものように、のびをする。
なんで、最後に右後ろ脚をぴぴっとしないと、完了した気分にならないのかしら。これって、もしかしてイギリス陛下のくせか何か?
しばらくすると、天幕から聖女フランスの姿をしたイギリスが出て来た。
あ、髪がぼさぼさのままじゃない。
気になるわ。
陛下、なおしてください。
フランスは文句を言ったが、竜の口から不満げな唸り声が出るだけだった。
それを聞いて、イギリスが怪訝な顔をする。
竜の姿じゃ、伝えようがないわね。
イギリスは湖のほとりにある、大きな木の幹のうしろに隠れた。そこから顔だけひょっこり出して言う。
「まずは、ふせを覚えろ」
ふせ?
いや、それよりも、なんなの。
その、木に隠れるのは……。
もしかして、アミアンに『赤い竜の動きを予想して立ち回る』って言っていたのは、木に隠れてやりすごすってこと?
イギリスは、顔だけのぞかせる妙に愛らしい状態のまま、不愛想な表情で言う。
「まずは尻尾を持て」
尻尾ね。
フランスは尻尾を持とうとして、すこし身体を右にひねった。尻尾がにげる。
そのまま追いかけるように身体をひねった時、何かに当たったようなにぶい感覚がすると同時に、すごい音がした。
ふり向くと、赤い竜の尻尾が木にあたったようだった。イギリスの隠れていた木だ。
わ、あぶないわね。
イギリスは、尻尾が打ち付けられたのとは反対側の木の影に逃げていた。
なるほど。
これは、隠れていないと、大変なことになるわ。
そのあと、すこし木から離れて、尻尾を追いかけるが、つかまえられない。竜の手は短いから、なかなか届かない。
イギリスが、木の陰から言う。
「尻尾を身体にまきつけるようにしろ」
あ、そういえば寝るとき、そうしていたわ。
フランスはうずくまって、しっぽをくるりと身体にまいた。
できた!
あ、でも、この状態だと、手をどうやって出すのよ。
手は身体の下で地面にぴったりとつけられている。フランスはちょっと手をあげようとして、転がった。とたんに巻いていた尻尾が逃げる。
「さっさとしろ」
急かさないでよ。
尻尾なんて普段掴まないんだから!
容赦ないイギリスの言葉に、フランスの喉から威嚇するような唸り声が出た。
竜の姿だと言葉が話せないからかしら、そのまま感情が喉から出ちゃうわね。
イギリスが小ばかにする顔で言った。
「立派に話せて驚くよ」
むかつくーっ!
フランスは思わず尻尾をびたんと地にうちつけた。とたんに、地面がぐらぐらっと揺れる。
イギリスが立っていられずに、お尻からこけた。
思わず、うれしそうな音が、フランスの喉からでる。
イギリスが、にらみをきかせてこちらを見ていた。
そんな顔したって、こわくもなんともないわよ。
あら、やっぱり身体が大きくなると、気持ちまで大きくなっちゃうのかしら。皇帝陛下相手に、仕返しまでするなんて。
その後、しばらくしてから、なんとか尻尾をつかまえる。
「そのまま全身を地面につけろ。つばさもできるだけ地面につけるように」
フランスは、首をさげて身をふせた。
尻尾は持っているから、身体は問題ないが、翼が問題だった。
そもそも、こんなもの、人間の身体にはないのだから、動かす感覚が分からない。右の翼が下がったと思ったら、左の翼が上がったり、開いたりする。
イギリスがまた、もう何度も見た、小ばかにするような表情で言う。
「その様子じゃ、舞踏会でも人気だろうな」
なんですってぇ。
ほんと、むかつくわね。
フランスは、むかついた勢いでなんとか羽をたたんで、ふせの姿になり、地面にびたっと顎をつけたまま、イギリスをにらんだ。
素敵な紳士は撤回よ‼
赤い竜の鼻から、不満げな息がはかれる。
***********************************
おまけ 他意はない豆知識
***********************************
【ピュイ山脈】
ピュイ山脈とリマーニュ断層の地殻変動地域は、フランスの世界遺産。
地殻変動のプロセスを見ることのできる、素晴らしい自然があります。
【ピュイ山脈の得がたいほどに清い水】
ミネラルウォーターブランドの「ボルヴィック」が利用しているのは、ピュイ山脈の地下を流れる自然水です。
大きな星みたいね。
きらきらしてきれいだわ。
近くまで行くと、赤い竜の姿はほどけて人のすがたになった。
人のすがたにもどったイギリスが、フランスのほうへと近づいて、不自然な距離で止まる。
ん?
なに、この微妙に遠い距離感……。
あ。
アミアン一人分⁉
……律儀に守るのね。
フランスは、天幕でのことに改めて礼を言ってから、目の前にひろがる湖を見つめて、言った。
「美しい場所ですね」
「ピュイ山脈の中腹あたりだ」
ピュイ山脈なのね。
教国にある山脈だが、教会からはかなり遠い。フランスにとっては、名前は知ってはいても、はじめて見る場所だった。
山だから、すこし冷えるのね。
フランスは湖に近寄ってのぞいてみた。まるでそのまま星空がそこにあるようだった。
陽の光の中でみたら、どんなに美しい湖なのかしら。
ピュイ山脈に湧く水は、得がたいほどに清い水だというもの。明日の朝が楽しみね。
それにしても……。
ここには騎士の姿はないのね。
フランスは不思議に思って訊いた。
「あの天幕は帝国の騎士たちが建てにきたのですか?」
「いや、人の足で来るには難しい場所だ。わたしが少し前に持ってきて、建てた」
「えっ」
まさか、あれ、全部、皇帝陛下がひとりで建てたの?
お菓子を用意して……、うさぎの人形まで持ってきて?
あまりにも、意外だわ。
言葉よりも、態度を注意深く見ないといけない方なのかもね。
「ありがとうございます」
フランスのことばに、イギリスが頷く。
フランスは空を見上げた。
こんな山の上まで来たのは、はじめてね。町から見るよりも、星がはっきりと見えるような気がするわ。
不思議ね。
入れかわって、とんでもないことの連続だけれど……。こうやって、素敵な景色を見られるのは楽しいわ。
肩にマントをかけられる。
あたたかい。
イギリスはかけるだけかけると、律儀にもアミアン一人分はなれて立った。
フランスは、思わずくすくすわらった。
おかしい。
イギリスが不愛想な表情のまま言う。
「なんだ」
「帝国の紳士は、素敵ですね」
イギリスがちいさく、ふんと言った。
*
前言撤回よ。
な~にが、帝国の紳士よ。
あんまり、むかつくようだったら、お尻にかみついてやるからね。
朝起きると、フランスは赤い竜の姿で湖のほとりにいた。
いつものように、のびをする。
なんで、最後に右後ろ脚をぴぴっとしないと、完了した気分にならないのかしら。これって、もしかしてイギリス陛下のくせか何か?
しばらくすると、天幕から聖女フランスの姿をしたイギリスが出て来た。
あ、髪がぼさぼさのままじゃない。
気になるわ。
陛下、なおしてください。
フランスは文句を言ったが、竜の口から不満げな唸り声が出るだけだった。
それを聞いて、イギリスが怪訝な顔をする。
竜の姿じゃ、伝えようがないわね。
イギリスは湖のほとりにある、大きな木の幹のうしろに隠れた。そこから顔だけひょっこり出して言う。
「まずは、ふせを覚えろ」
ふせ?
いや、それよりも、なんなの。
その、木に隠れるのは……。
もしかして、アミアンに『赤い竜の動きを予想して立ち回る』って言っていたのは、木に隠れてやりすごすってこと?
イギリスは、顔だけのぞかせる妙に愛らしい状態のまま、不愛想な表情で言う。
「まずは尻尾を持て」
尻尾ね。
フランスは尻尾を持とうとして、すこし身体を右にひねった。尻尾がにげる。
そのまま追いかけるように身体をひねった時、何かに当たったようなにぶい感覚がすると同時に、すごい音がした。
ふり向くと、赤い竜の尻尾が木にあたったようだった。イギリスの隠れていた木だ。
わ、あぶないわね。
イギリスは、尻尾が打ち付けられたのとは反対側の木の影に逃げていた。
なるほど。
これは、隠れていないと、大変なことになるわ。
そのあと、すこし木から離れて、尻尾を追いかけるが、つかまえられない。竜の手は短いから、なかなか届かない。
イギリスが、木の陰から言う。
「尻尾を身体にまきつけるようにしろ」
あ、そういえば寝るとき、そうしていたわ。
フランスはうずくまって、しっぽをくるりと身体にまいた。
できた!
あ、でも、この状態だと、手をどうやって出すのよ。
手は身体の下で地面にぴったりとつけられている。フランスはちょっと手をあげようとして、転がった。とたんに巻いていた尻尾が逃げる。
「さっさとしろ」
急かさないでよ。
尻尾なんて普段掴まないんだから!
容赦ないイギリスの言葉に、フランスの喉から威嚇するような唸り声が出た。
竜の姿だと言葉が話せないからかしら、そのまま感情が喉から出ちゃうわね。
イギリスが小ばかにする顔で言った。
「立派に話せて驚くよ」
むかつくーっ!
フランスは思わず尻尾をびたんと地にうちつけた。とたんに、地面がぐらぐらっと揺れる。
イギリスが立っていられずに、お尻からこけた。
思わず、うれしそうな音が、フランスの喉からでる。
イギリスが、にらみをきかせてこちらを見ていた。
そんな顔したって、こわくもなんともないわよ。
あら、やっぱり身体が大きくなると、気持ちまで大きくなっちゃうのかしら。皇帝陛下相手に、仕返しまでするなんて。
その後、しばらくしてから、なんとか尻尾をつかまえる。
「そのまま全身を地面につけろ。つばさもできるだけ地面につけるように」
フランスは、首をさげて身をふせた。
尻尾は持っているから、身体は問題ないが、翼が問題だった。
そもそも、こんなもの、人間の身体にはないのだから、動かす感覚が分からない。右の翼が下がったと思ったら、左の翼が上がったり、開いたりする。
イギリスがまた、もう何度も見た、小ばかにするような表情で言う。
「その様子じゃ、舞踏会でも人気だろうな」
なんですってぇ。
ほんと、むかつくわね。
フランスは、むかついた勢いでなんとか羽をたたんで、ふせの姿になり、地面にびたっと顎をつけたまま、イギリスをにらんだ。
素敵な紳士は撤回よ‼
赤い竜の鼻から、不満げな息がはかれる。
***********************************
おまけ 他意はない豆知識
***********************************
【ピュイ山脈】
ピュイ山脈とリマーニュ断層の地殻変動地域は、フランスの世界遺産。
地殻変動のプロセスを見ることのできる、素晴らしい自然があります。
【ピュイ山脈の得がたいほどに清い水】
ミネラルウォーターブランドの「ボルヴィック」が利用しているのは、ピュイ山脈の地下を流れる自然水です。
9
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
引きこもり聖女は祈らない
鷹 綾
恋愛
内容紹介
聖女ポーラ・スターは、引きこもっていた。
人と話すことができず、部屋から出ることもできず、
彼女の意思表示は、扉に貼られる小さなメモだけだった。
「西の街道でがけ崩れが起きます」
「今日は、クラムチャウダーが食べたいです」
祈らず、姿も見せず、奇跡を誇示することもない聖女。
その存在は次第に「役立たず」と見なされ、
王太子リチャードから一方的に婚約を破棄され、聖女の地位も解かれる。
──だが、その日を境に、王国は壊れ始めた。
天候不順、嵐、洪水、冷害。
新たに任命された聖女は奇跡を演じるが、世界は救われない。
誰もが気づかぬまま、
「何もしない聖女」が、実はすべてを支えていた事実だけが残されていた。
扉の向こうで静かに生きる少女と、
毎日声をかけ続ける精神科医フォージャー。
失われていく王国と、取り戻されていく一人の人生。
これは、
祈らない聖女が選んだ、
誰にも支配されない静かな結末の物語。
『引きこもり聖女は祈らない』
ざまぁは声高でなく、
救いは奇跡ではなく、
その扉の向こうに、確かにあった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる