全ては、皆んなの為に、、、そして、彼女を好きになる

霜月麗華

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助け合い編

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8月11日 取手

純一郎が逮捕されて、3ヶ月が経った。鉄次らは学校生活を楽しんでいた。ある日のこと、遥は鉄次を誘い、とある場所へ、バスで向かっていた。
「どこに行くんだ?」
「、、、病院」
遥はそう言った。
「、、、」
鉄次は外の景色を見た。海が見える。
「降りるよ」
遥はそう言い、バスを降りる。鉄次は慌てて降りた。
「ここが病院?」
「うん」
2人は病院へ向かう。その時、遥が鉄次に聞いた。
「弟とかいたっけ?」
「姉がいるけど?」
「そう、、、」
遥は下を向き、歩いた。
(何かあったのか?)

病院内

彼女は105号室に入った。患者の名前は大咲舞おおさきまいと書いてあった。
「大咲舞、、、」
「私の妹よ」
「えっ?妹がいたのか」
「うん、病気なのよ」
「、、、そうなのか」
2人は病室に入った。
「お姉ちゃん!」
遥の妹の元気な声が聞こえた。
「舞、来たよ」
「お姉ちゃん、後ろの人は?」
「コイツは前言ってた人よ」
「なるほどー。ねぇねぇお姉ちゃん」
舞は遥の服の袖を掴み、頼んだ。
「チーズ食べたい!」
「ダメだよ」
「えー、」
舞は残念がった。
「、、、外に居る」
鉄次はそう言い、廊下へ出た。
「うん」
遥は舞を介護する。鉄次は廊下で携帯を見ていた。その時、どこかで聞いた事のある声が聞こえた。
「鉄次じゃねーか」
それは鉄次の姉、露子つゆこだった。
「姉さん、、、」
「何してんの?」
「見舞いだよ」
鉄次は面倒臭そうに言った。露子は更に聞く。
「誰の?」
「別にいいだろ?姉さんは?」
「アタイは母さんの見舞いよ」
「母さん?」
鉄次は戸惑う。
「知らんの?母さん、脳卒中で倒れたんよ」
「マジか」
鉄次は知らなかった様だ。露子は鉄次に聞いた。
「今までどうしてたの?」
「、、、」

ガラッ

「鉄次?その人は?」
遥が部屋から出てきた。
「俺の馬鹿姉貴だよ」
「馬鹿って何だ!」
露子は鉄次にキレた。
「はじめまして、大咲遥です。鉄次と同居してまーす」
遥は自己紹介した。
「同居?鉄次アンタ、こんな可愛い子彼女なの!凄いじゃん!」
「姉さん、失礼過ぎだ」
鉄次は露子にそう言い、遥の前に立った。
「2人共、仲が良いね!」
2人は、
「それはない!」
と言った。
「息が合ってるじゃん」
「うるさい!」
鉄次は露子にキレた。

取手駅

2人はエスカレーターでホームに降りようとしていた。
「鉄次のお姉さん、どこに住んでんの?」
遥は鉄次にエスカレーターに乗りながら、聞いた。
「ここ」
鉄次はエスカレーターを降りなが言った。ホームへ降りると、すでに上野方面の列車が止まっていた。
「そういえば、バスじゃなくてよかったのか?」
「うん」
2人は列車に乗り、四境へ帰ったのだ。

4日後ーー

ポタッ ポタッ

(何の音だろうか?水が垂れる音か?)
鉄次は恐る恐る暗闇を進んだ。そこには、露子の死体があった。
「姉さん?嘘だろ?おい、、、」
鉄次はショックのあまり、座り込んでしまった。その時、
「人殺しはお前だ」
と言う声が聞こえた。後ろを見ると、そこには身体の潰れた羽沢耕三が居た。羽沢耕三はずっと
「人殺しはお前だ」
と言っていた。
「違う、俺じゃない!俺じゃない!うあーーーー!」

バサッ

気がつけばそこは、家だった。
「夢、か」
鉄次はベッドから起き、歯を磨いた。
(リアルな夢だったなー)
鉄次はそう考えながら、鏡を見ていた。


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