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助け合い編
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ミィーン
セミの鳴き声がまだする。まだ暑い。遥は洗濯物を外に干す。鉄次は洗い物を洗う。
「今日さ、出掛けない?」
「どこに?」
遥は出掛けたいようで洗濯物を干し終わった後、鉄次の行きたいところを聞いた。
「うーん、京都かな?」
「遠いよ」
遥は鉄次の洗い物を手伝う。
「遥はどこに行きたいの?」
「、、、函館!」
「それこそ遠いわ!、、、まぁ、いいけどさ」
「いいの!じゃ行こ!」
遥は喜んだ。
1週間後ーー
2人は新幹線に乗り、函館に居た。
「涼しー」
「だな」
2人は函館の町を歩き回り、夜に函館山にも登った。
「綺麗、、、」
「なんか、泣けてくるよ」
鉄次は柵に寄っ掛かり、遥が飽きるまで待った。その時、電話が鳴った。相手は親父だった。
「鉄次か?いいか、落ち着いて聞けよ」
「オヤジ、なんだよ?」
「露子が、電車に、轢かれたんだ」
「え?」
鉄次は冗談だと思い、
「またまたー、嘘じゃないか?それ?」
と言った。
「、、、誰かに押されて、電車に轢かれたそうだ。露子の右手がホームに吹っ飛んで行ったそうだなんだ、、、」
「え?マジ?」
鉄次は震えてながら、親父に聞いた。
「マジだよ、クソ!なんで露子が先に逝くんだ!」
鉄次はその場に座り込んだ。
「すまんな、鉄次。こんな電話掛けて、、、」
親父は電話を切った。
「鉄次?どうしたの?」
「、、、馬鹿姉貴が、死んだ」
鉄次は泣きながら答えた。
「はい?ホントなの?それ、、、」
鉄次は頷き、すぐそこにあったセミの抜け殻を握り拳で潰した。
「クソがああああああー!」
1週間後
鉄次は家に引き籠った。
「、、、」
鉄次は寝ながらテレビを見て、菓子を食べながら、居た。ある日、家に早苗が来た。
「家、出なよ?」
「、、、帰ってくれ」
「なんで、、、」
「いいから帰ってくれ!」
早苗は黙り込むが、
「、、、分かったよ、帰るよ」
と言い、帰った。
「、、、出るか」
鉄次は立ち上がり、上着を羽織り、フードを被り、外へ出た。
「、、、どこ行こう」
鉄次は家の鍵を閉め、何処かへ向かった。
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