全ては、皆んなの為に、、、そして、彼女を好きになる

竜と黒炎の姫君編(魔法少女の恋愛)

30

俺は裸の遥を見た。
「遥、起きろ。朝だよ」
「う、うーん、おはよ」
遥はベッドから起き上がり、俺を見た。
「大丈夫？」
「あぁ、お前の羽は？」
「私は平気。羽も大丈夫よ」
「そうか、、、遥、服着てくれ」
「え？」
遥は慌てて自分の制服を着た。
「、、、羽は身体の中に入るんだな」
「そう。これで今まで生活してた」
「そうか、、、」
俺はそう言い。制服に着替えた。
「お前、学校行くのか？」
俺がそう聞くと、遥は頷いた。
「そうか、頑張れよ」
俺はそれしか言わなかった。
「一緒に行こうぜ」
「、、、うん」
遥はそう言い、1週間ほど使ってなかったバッグを持った。


学校・鉄次

俺は教室のドアを開けた。
「、、、やっほー」
元気のない声を、教室に向けて発した。そこには早苗が居た。
「あ、鉄次。おはよう、、、」
「おはよう。後ろ見てみな」
俺はそう言い、早苗を廊下に出す。
「えっ、、、遥、、、どうして」
「私もう、あんなバカな事、やんないから」
「遥、、、」
早苗は遥の身体を見た。
「アンタ、おっきくなった？」
「えっ？」
俺はすぐに早苗を教室に入れ、
「何聞いてんだ、何を」
「別によくない？」
「よくないです！」
俺はキッパリ言った。
「は、入っていい？」
「いいよ」
俺がそう言うと、遥は躊躇いながら教室に入った。
「ん？は、遥じゃん！」
京子が言った。クラスの皆は、やはり食いついた。
「遥だぁ！」
1番驚いていたのは、嘉代子だった。遥を見ると固まって、
「本物よね？」
と聞いた。
「そうよ」
「う、、、お帰り」
「、、、ただいま」
嘉代子は、泣いていた。


昼休み

俺達は集まって昼飯を食べていた。
「遥、今までどうやって生きてたの？」
嘉代子は遥の背中を摩りながら聞いた。
「羽を畳んで、空腹にならない様にしてた」
「その羽はどこに？」
今度は早苗が聞く。すると遥は、急に立ち上がり、制服を脱ぎ始めた。
「え、ちょ、遥？」
「見ないで」
遥は後ろを向き、俺達に背中を見せた。
「見てて、、、」
遥はそう言うと、背中から羽を生やした。
「き、綺麗。この黒い羽。綺麗」
「大丈夫なの？」
京子は遥に言った。
「大丈夫よ」
俺はボーッとしていた。その時、遥が言った。
「後で、楽園に行こ？」