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四境市。都市から離れている田舎町。鉄道は無いし、バスもない。車でしか都心部に行けない。こんな悲しい町に、高一の男が転校してきた。
彼の名は松原鉄次。普通の高校一年生だ。彼の通う高校の名前は四境高校。普通の高校だ。クラスは一年六組。クラスメイトは優しかった。
「京都?からきたんだよね?」
クラスの一人、竹尾遥に聞かれる。
「うん」
「京都から遠かったんじゃないの?」
「いや、全然。2時間位で着いたし」
鉄次はこう答えた。その時だった。とある席だけが異常に古かったのだ。鉄次は古くさい席の話を聞いてみた。
「ねぇ?あの席は?」
クラスの一人、桑田純一郎に聞いた。すると彼は、
「関わんない方がいいよ」
と、言った。
その時だった。階段の方から悲鳴が聞こえた。全員で野次馬をしに行った。そこには、シャーペンが左眼に刺さった女子1年が居た。すると純一郎はこう言った。
「始まった、、、」
と。
痛々しい。シャーペンの刺さった左眼から、かなりの量の血が出ていた。階段の目の前なのに、何をどうしたらこんな事が起きたのだろうか?階段の前は、女子の血で、水溜りができている。先生達が来た。
「警察と、救急車を呼んで!」
と、言っていた。
そういえば、さっき純一郎が何か言ってたよな?
「なぁ?さっき何言ってたんだ?」
鉄次は桑田達に聞いてみた。
「始まったんだよ」
「何が?」
「君は転校初日だからまだわからないのか」
「何のことだ?」
「呪いさ。この高校のな」
純一郎はさらに説明した。
「毎年必ず死亡者やら負傷者やらが出るんだ。さらには、2週間に1回から3回位の死亡者が出たケースもあるんだ」
「怖いな。てことは、次がもしかしたら純一郎かもしれないってことかな?」
「やめろよ、、、でも、そうかもしれないな」
純一郎はそう言った。
その日はシャーペンの事件のせいで早く帰る事ができた。家は学校から2キロ程だ。家に着いた時、ばぁちゃんが出てきた。
「大丈夫かい?あんたのクラス子だろ?」
「うん」
「気をつけてなさいね」
と、言ってきた。気をつけるも何も呪いだから、防ぎようがない。鉄次は絶望した。
転校して1週間。思った事がある。それは四境市が変だという事。鉄次はあの呪いが、昔からあると考え、遥と一緒に四境市の歴史を調べることにした。勿論だが、純一郎達もだ。鉄次は遥、純一郎、クラスの学級委員の沢田圭一、放送委員の弘田早苗を学校の図書室に呼んだ。図書室で調べたい事があると、先生達に言えば解放してくれる。鉄次達はすぐに昔の記録を調べた。
「10冊持ってきた。調べようか」
と、鉄次は言った。
だが、そう簡単に呪いの話が出てくる訳が無い。2時間位した時。遥が何かを見つけた。
「これ見て、、、」
「どうした?」
鉄次達は遥の見ていた本を読んだ。
「15年前、四境市の名前は死境市であった。その頃から四境高校で2週間に約一人、死亡者が出ていた。なんだそれ?」
「わからない。でも、15年前から呪いが始まってたってことよね?」
「多分な」
鉄次達は更に読んだ。
「被害者は10%の確率で生きているが、90%の確率で死亡する。ここ15年間で、生存者は一人も居ない。」
「最悪だな」
純一郎はそう言った。
「生きて帰れないって事か」
圭一は言う。
その日は呪いの情報が少しだけ入手出来た。だが、呪いを防ぐ方法などは無かった。絶望的状況を打開することはできないに等しい。彼らは皆、死ぬ
ことしかできないのだ。その日はそれで解散した。鉄次が家にいた時、遥から電話がきた。
「なんだ?」
「ねぇ、聞いて」
「何?」
「クラスに日野涼子っていう女子生徒がいるじゃん」
「居るなぁ、それで?」
鉄次は更に聞く。
「学校から連絡がきたのよ」
「うん」
「下校中に死んだらしいの」
「は?」
鉄次は更に聞く。
「意味分からないんだけど」
「死因は轢殺。今週これで2人目ね」
「2人目?」
何故2人なのか?鉄次には理解できなかった。
「そう。シャーペンの女、覚えてる?」
「うん」
「病院に行った後死んだらしいよ」
鉄次はその場で倒れた。すでに2人死んでいる事に絶望したのだ。
すると、遥がまた話す。
「今週は事故死のようね」
「今週?」
「週によって死亡の仕方が違うのよ。次はどうなるか」
遥がそう言うと、電話が切れた。「、、、寝るか」
鉄次はそう言うのだった。何もできない。ただランダムな死を待つのみ。彼らは、生きる事ができないのだ。
次の日。鉄次は通学路を歩いていた。車に十分、気をつけて。周囲の人の目が何故か怖い。だが、そんなの関係ない。ただ、歩くのみ。
学校に着いた。何故か鉄次のクラスが騒がしい。その時だった。教室から全員がダッシュで出てきた。全員が叫んでいた。
「何があったの?」
「中、見てみ、、、」
遥に言われたので見てみた。
「!」
そこには、朝霞香代という女子が席に座って血を流して死んでいた。
「2週間、だろ?なんで、、」
そこに遥達が入ってきて、こう言った。
「今年は例外のようね、、、」
先生がきた。
「警察と救急車を!」
その後1週間は家にいろと学校から連絡がきた。家で鉄次は遥と連絡を取っていた。
「例外ってなんだ?」
「たまにあるのよ。1週間に何人も死ぬの」
「は?なんだそれ?あの本にそう書いてあったか?」
「例外って言ったでしょ?」
「そうか、、、」
「明日、会わない?」
「あ、うん、わかった。場所は?」
「喫茶店で」
「OK」
鉄次は電話を切り、寝た。
次の日。鉄次は喫茶店に行った。そこには遥が居た。
「やっほー、折角だしオシャレしてきた!」
「そうか、それでどうした?俺を呼んで?」
「話があるの」
2人は喫茶店の中に入った。
「マスター、コーヒーを2杯、それで話って?」
「例外の件よ」
「なるほど」
「普通は2週間に1人から3人が死ぬってあったじゃん?」
「うん」
「でもね、たまにあるのが1週間に何人も死ぬって言うのがあるの」
「へぇ~、何だそれ!」
「その例外が今年かぁ、、、」
「どうにかできねぇかなぁ?」
「無理だよ」
彼らはその後も喫茶店に居た。
死亡者は3人に増えた。クラスの皆は次の死亡者が、自分かもしれないことに怯えていた。あの後分かったことだが、死亡した朝霞香代の死因は、自殺と判明した。家に帰ると、玄関に警察がいた。鉄次は警察に色々質問された。
「朝霞香代さんにいじめなどはありましたか?」
鉄次は、
「見た限りではなかったですよ」
と、答えた。
「それでは、事件のあった日の学校の前の時間、あなたは朝霞香代さんを見ましたか?」
「いえ、見ていませんよ」
「そうですか、貴重な情報をありがとうございます。失礼しました。誰も見てないのか」
と言い、家を出た。これで鉄次はこう考えた。
(誰も朝霞の事を見ていないとすると、、、朝霞は学校にずっと居た?)
と。
後日、登校がOKされた。鉄次はすぐさま、学校へ行った。教室に入るなり、
「早苗!遥!純一郎!圭一!来て!」
と、言った。
「何?」
「朝霞はもしかしたら事件の前の日から学校にずっと居たと思うんだ」
「なんで?」
圭一が聞く。
「事件の日の朝、登校前に朝霞の姿を誰も見ていないとしたら?」
早苗は
「確かに。登校前は結構車多いから見つけやすい。けど、教室に居たらそうそう見つかる事はない。学校の先生みんな阿保だもん」
と、言った。
「でも、死に方がまた変なんだよな。腹の刺し傷がスゲェ深いんだよ?」
純一郎は言う。
「殺人?」
鉄次は言うと、
「怖い事、言わないでよ」
と、遥が言った。
5月15日金曜日、その日は何もなかった。ある意味、良い日だった。だが、謎はそのままだった。朝霞香代の死因も結局、自殺となった。その1週間は死亡者はいなかった。5月24日日曜日、鉄次達5人は純一郎に、とある雑居ビルの屋上に呼ばれた。
「なんだ?俺達をここに呼んで?」
鉄次は聞く。
「もう俺さ、こんな呪いに振り回されるのはもう嫌なんだ。」
と、言った。すると早苗は、
「そんなの、皆んな同じよ!皆んな呪いのせいで苦しんでる!あんただけじゃないのよ!苦しんでんのは!」
と、言った。
「そう、だよな、、」
すると、鉄次が、
「お前、右手に何か持ってないか?」
と、聞いた。
「あぁ、これ?包丁だよ、家から持ってきたんだよ」
「それ、何に使うんだよ?」
と、鉄次は聞いてみた。
「、、、わからねぇ、」
「あんた、、死ぬ気?」
遥が聞く。
「、、、、、」
「答えろよ」
圭一が言う。
「うるせぇ!俺はもう嫌なんだよ!自殺した方がマシだ!うああああ!」
「やめろ!」
だが、時すでに遅し。
純一郎はすでに包丁を腹に突き刺していた。血が出ている。鉄次達は救えなかったのだ、仲間を。目の前の光景に絶望したのだ。
純一郎は倒れ、すぐに死んでしまったのだ。
「息をしてない」
圭一はそう言った。皆が思った。
(今週は自殺か)
と。
5月25日月曜日。鉄次達は学校に居た。そして5人は彼の席を見ていた。
桑田の死体が見つかった。やはり、謎が残ったままだった。4人は謎を解く気力をなくしていた。目の前で人が死んだからだ。しかも、友人が。まもなく6月になる。6月も死者が出るとなると、もうどうすることも出来ない。絶望的状況を打開することも出来ない。彼らに残された運命は、死のみ。誰も生きようとはしなかった。バッドエンドなのだと。皆がそう思ったのだ。この呪いは、永久に続くのだ。終わりがない。彼らはもいずれ死ぬのだ。未来は、ない。
完
彼の名は松原鉄次。普通の高校一年生だ。彼の通う高校の名前は四境高校。普通の高校だ。クラスは一年六組。クラスメイトは優しかった。
「京都?からきたんだよね?」
クラスの一人、竹尾遥に聞かれる。
「うん」
「京都から遠かったんじゃないの?」
「いや、全然。2時間位で着いたし」
鉄次はこう答えた。その時だった。とある席だけが異常に古かったのだ。鉄次は古くさい席の話を聞いてみた。
「ねぇ?あの席は?」
クラスの一人、桑田純一郎に聞いた。すると彼は、
「関わんない方がいいよ」
と、言った。
その時だった。階段の方から悲鳴が聞こえた。全員で野次馬をしに行った。そこには、シャーペンが左眼に刺さった女子1年が居た。すると純一郎はこう言った。
「始まった、、、」
と。
痛々しい。シャーペンの刺さった左眼から、かなりの量の血が出ていた。階段の目の前なのに、何をどうしたらこんな事が起きたのだろうか?階段の前は、女子の血で、水溜りができている。先生達が来た。
「警察と、救急車を呼んで!」
と、言っていた。
そういえば、さっき純一郎が何か言ってたよな?
「なぁ?さっき何言ってたんだ?」
鉄次は桑田達に聞いてみた。
「始まったんだよ」
「何が?」
「君は転校初日だからまだわからないのか」
「何のことだ?」
「呪いさ。この高校のな」
純一郎はさらに説明した。
「毎年必ず死亡者やら負傷者やらが出るんだ。さらには、2週間に1回から3回位の死亡者が出たケースもあるんだ」
「怖いな。てことは、次がもしかしたら純一郎かもしれないってことかな?」
「やめろよ、、、でも、そうかもしれないな」
純一郎はそう言った。
その日はシャーペンの事件のせいで早く帰る事ができた。家は学校から2キロ程だ。家に着いた時、ばぁちゃんが出てきた。
「大丈夫かい?あんたのクラス子だろ?」
「うん」
「気をつけてなさいね」
と、言ってきた。気をつけるも何も呪いだから、防ぎようがない。鉄次は絶望した。
転校して1週間。思った事がある。それは四境市が変だという事。鉄次はあの呪いが、昔からあると考え、遥と一緒に四境市の歴史を調べることにした。勿論だが、純一郎達もだ。鉄次は遥、純一郎、クラスの学級委員の沢田圭一、放送委員の弘田早苗を学校の図書室に呼んだ。図書室で調べたい事があると、先生達に言えば解放してくれる。鉄次達はすぐに昔の記録を調べた。
「10冊持ってきた。調べようか」
と、鉄次は言った。
だが、そう簡単に呪いの話が出てくる訳が無い。2時間位した時。遥が何かを見つけた。
「これ見て、、、」
「どうした?」
鉄次達は遥の見ていた本を読んだ。
「15年前、四境市の名前は死境市であった。その頃から四境高校で2週間に約一人、死亡者が出ていた。なんだそれ?」
「わからない。でも、15年前から呪いが始まってたってことよね?」
「多分な」
鉄次達は更に読んだ。
「被害者は10%の確率で生きているが、90%の確率で死亡する。ここ15年間で、生存者は一人も居ない。」
「最悪だな」
純一郎はそう言った。
「生きて帰れないって事か」
圭一は言う。
その日は呪いの情報が少しだけ入手出来た。だが、呪いを防ぐ方法などは無かった。絶望的状況を打開することはできないに等しい。彼らは皆、死ぬ
ことしかできないのだ。その日はそれで解散した。鉄次が家にいた時、遥から電話がきた。
「なんだ?」
「ねぇ、聞いて」
「何?」
「クラスに日野涼子っていう女子生徒がいるじゃん」
「居るなぁ、それで?」
鉄次は更に聞く。
「学校から連絡がきたのよ」
「うん」
「下校中に死んだらしいの」
「は?」
鉄次は更に聞く。
「意味分からないんだけど」
「死因は轢殺。今週これで2人目ね」
「2人目?」
何故2人なのか?鉄次には理解できなかった。
「そう。シャーペンの女、覚えてる?」
「うん」
「病院に行った後死んだらしいよ」
鉄次はその場で倒れた。すでに2人死んでいる事に絶望したのだ。
すると、遥がまた話す。
「今週は事故死のようね」
「今週?」
「週によって死亡の仕方が違うのよ。次はどうなるか」
遥がそう言うと、電話が切れた。「、、、寝るか」
鉄次はそう言うのだった。何もできない。ただランダムな死を待つのみ。彼らは、生きる事ができないのだ。
次の日。鉄次は通学路を歩いていた。車に十分、気をつけて。周囲の人の目が何故か怖い。だが、そんなの関係ない。ただ、歩くのみ。
学校に着いた。何故か鉄次のクラスが騒がしい。その時だった。教室から全員がダッシュで出てきた。全員が叫んでいた。
「何があったの?」
「中、見てみ、、、」
遥に言われたので見てみた。
「!」
そこには、朝霞香代という女子が席に座って血を流して死んでいた。
「2週間、だろ?なんで、、」
そこに遥達が入ってきて、こう言った。
「今年は例外のようね、、、」
先生がきた。
「警察と救急車を!」
その後1週間は家にいろと学校から連絡がきた。家で鉄次は遥と連絡を取っていた。
「例外ってなんだ?」
「たまにあるのよ。1週間に何人も死ぬの」
「は?なんだそれ?あの本にそう書いてあったか?」
「例外って言ったでしょ?」
「そうか、、、」
「明日、会わない?」
「あ、うん、わかった。場所は?」
「喫茶店で」
「OK」
鉄次は電話を切り、寝た。
次の日。鉄次は喫茶店に行った。そこには遥が居た。
「やっほー、折角だしオシャレしてきた!」
「そうか、それでどうした?俺を呼んで?」
「話があるの」
2人は喫茶店の中に入った。
「マスター、コーヒーを2杯、それで話って?」
「例外の件よ」
「なるほど」
「普通は2週間に1人から3人が死ぬってあったじゃん?」
「うん」
「でもね、たまにあるのが1週間に何人も死ぬって言うのがあるの」
「へぇ~、何だそれ!」
「その例外が今年かぁ、、、」
「どうにかできねぇかなぁ?」
「無理だよ」
彼らはその後も喫茶店に居た。
死亡者は3人に増えた。クラスの皆は次の死亡者が、自分かもしれないことに怯えていた。あの後分かったことだが、死亡した朝霞香代の死因は、自殺と判明した。家に帰ると、玄関に警察がいた。鉄次は警察に色々質問された。
「朝霞香代さんにいじめなどはありましたか?」
鉄次は、
「見た限りではなかったですよ」
と、答えた。
「それでは、事件のあった日の学校の前の時間、あなたは朝霞香代さんを見ましたか?」
「いえ、見ていませんよ」
「そうですか、貴重な情報をありがとうございます。失礼しました。誰も見てないのか」
と言い、家を出た。これで鉄次はこう考えた。
(誰も朝霞の事を見ていないとすると、、、朝霞は学校にずっと居た?)
と。
後日、登校がOKされた。鉄次はすぐさま、学校へ行った。教室に入るなり、
「早苗!遥!純一郎!圭一!来て!」
と、言った。
「何?」
「朝霞はもしかしたら事件の前の日から学校にずっと居たと思うんだ」
「なんで?」
圭一が聞く。
「事件の日の朝、登校前に朝霞の姿を誰も見ていないとしたら?」
早苗は
「確かに。登校前は結構車多いから見つけやすい。けど、教室に居たらそうそう見つかる事はない。学校の先生みんな阿保だもん」
と、言った。
「でも、死に方がまた変なんだよな。腹の刺し傷がスゲェ深いんだよ?」
純一郎は言う。
「殺人?」
鉄次は言うと、
「怖い事、言わないでよ」
と、遥が言った。
5月15日金曜日、その日は何もなかった。ある意味、良い日だった。だが、謎はそのままだった。朝霞香代の死因も結局、自殺となった。その1週間は死亡者はいなかった。5月24日日曜日、鉄次達5人は純一郎に、とある雑居ビルの屋上に呼ばれた。
「なんだ?俺達をここに呼んで?」
鉄次は聞く。
「もう俺さ、こんな呪いに振り回されるのはもう嫌なんだ。」
と、言った。すると早苗は、
「そんなの、皆んな同じよ!皆んな呪いのせいで苦しんでる!あんただけじゃないのよ!苦しんでんのは!」
と、言った。
「そう、だよな、、」
すると、鉄次が、
「お前、右手に何か持ってないか?」
と、聞いた。
「あぁ、これ?包丁だよ、家から持ってきたんだよ」
「それ、何に使うんだよ?」
と、鉄次は聞いてみた。
「、、、わからねぇ、」
「あんた、、死ぬ気?」
遥が聞く。
「、、、、、」
「答えろよ」
圭一が言う。
「うるせぇ!俺はもう嫌なんだよ!自殺した方がマシだ!うああああ!」
「やめろ!」
だが、時すでに遅し。
純一郎はすでに包丁を腹に突き刺していた。血が出ている。鉄次達は救えなかったのだ、仲間を。目の前の光景に絶望したのだ。
純一郎は倒れ、すぐに死んでしまったのだ。
「息をしてない」
圭一はそう言った。皆が思った。
(今週は自殺か)
と。
5月25日月曜日。鉄次達は学校に居た。そして5人は彼の席を見ていた。
桑田の死体が見つかった。やはり、謎が残ったままだった。4人は謎を解く気力をなくしていた。目の前で人が死んだからだ。しかも、友人が。まもなく6月になる。6月も死者が出るとなると、もうどうすることも出来ない。絶望的状況を打開することも出来ない。彼らに残された運命は、死のみ。誰も生きようとはしなかった。バッドエンドなのだと。皆がそう思ったのだ。この呪いは、永久に続くのだ。終わりがない。彼らはもいずれ死ぬのだ。未来は、ない。
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