蜜を吸われて嬉しくなるツンデレな精霊の話

白木 白亜

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後編 青年と大精霊

28,起こせない

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(うーん、だめだ、これは起こせない……)

 自分の腕に抱き着いてすやすやと寝ているライアを見るアーロル。

 その可憐な容姿と、あどけない表情が相まって、奇跡的な美しさを醸し出している。

 さらにそこに周囲に浮かぶ無数の緑色の光球。

 もはや神秘的とまで言えるこの状況を手放すのはどうしても惜しく感じてしまう。

(くそっ……いやしかし、起こさないと蜜が……)

「ライア―、朝だぞー」

「んん~~」

「もっと寝ていてもいいけど、蜜はくれるよな?」

「んー。」

「くれるんだな?」

「んー。」

(やったぜ! これで寝顔を眺められるし、蜜ももらえるぞ!)

 ライアが寝惚けているのに乗じてせこいことをするアーロル。

 しかしライアが可愛すぎるのがいけないのだ。自分は悪くない。とアーロルは確信している。



 それから2時間ほどしたとき。

「…………あれ? おはよー。今何時?」

「11時だ。」

「ちょっと!? ねえ、起こしてって言ったでしょ!?」

「いやあそんな残酷なこと俺には……」

「ひどいよお! ねえ、もう本当に蜜あげないからね?」

「え? さっきくれるって言わなかった?」

「そんなの言ってな……あれ?」

 精霊は、他人との契約内容を厳守するという慣習があり、それに伴い自分のした契約は必ず覚えているのだ。

 最も、未だかつてここまでしょーもない契約が結ばれたことはないが。

「くれるよな?」

「いやっえっやだっ私、そんな――」

 ライアはすでに顔を真っ赤にしている。

「まあ、ライアが嫌だと言うならやめようかな……」

 そういいながらアーロルはライアの花弁に手を触れた。

「んっ……んっ……」

「やめてほしい?」

「ねえ、ひどい! こんなことされたら止めて欲しくなくなっちゃう……」

「じゃあやめなくていいな?」

「ううぅ……」

 彼女の淫裂からじわじわと溢れる蜜。

 あの事件があって以来出てくる蜜の量が少なくなってしまったが、それでも少しは出る。


「いただきまーす」

「どう…ぞ……」

 アーロルはライアの美しい花弁を舐めだした。

 ちなみに、大精霊の蜜を舐めた人間は前例がない。

「っん…っあ…んっあっん…!ああ!」

 しばらく舐めていると徐々に彼女の反応も大きくなってくる。


 開けた森の中心部で澄んだ声で鳴く精霊。

 もちろん近くに人間がいないことはライアはよくわかっているから問題ない。

「あっそろそろイク……。」

「はいはい、手をつないで欲しいんだろ?」

「うん」

 ライアはイク時に、必ずアーロルに触れていたのだ。

 自分の秘裂を舐めるアーロルから伸びてきた手をひしっと握る。

 そして

「あああ!あ!!っあ!…あっあ…!ん!ん…っ……あ!…!……んん…あん!ん…っん………!」

 ライアはビクンと体を震わせた。


「気持ちよかった?」

「まあ、それなりに……」

「じゃあ、明日の朝もくれる?」

「早く起こしてくれたらね?」

「あれ、起こさなくてもいいんじゃなかったっけ」

「あれは今日だけよ! 明日からはちゃんと早く起こしてよ!」

「うーん、まあ、善処するわ。」

 善処する。

 するように言いつつ絶対に実行しないときに使う逃げのパワーワードだ。

 果たして翌朝、彼はどうするのだろうか?
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