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第0章 ~スライム・リフレ~
異世界転移
大学の講義が終わって、駅に向かう途中。
濡木 達は一人つぶやいていた。
「あー、なんか面白いことねえかなあ」
特別なとりえもなく、かといって大きな欠点もない。普通程度に友達は作り、普通に恋愛をしていろいろ経験し、普通に大学でしっかり学んで生活してきた。
単位を落とす可能性もないに等しい。日々、ゲームをしたりラノベを読んだりして過ごしてきた。
達は暇だった。
何か、新しい刺激が欲しい。
神様がそれを聞いたのかどうかは分からないが、足元に直径1mほどの魔法陣が突如として出現した。
「え、えええええええええええーーーー!?!?」
もしかしたら飛び跳ねれば魔法陣を避けられたかもしれないが、好奇心からその場に突っ立ってしまった。
そして、ここからはお決まりである。
「あんたは……誰だ?」
「ワシはこの国の王じゃ。おぬしは、我が国の、ひいては人類の救世主として召喚したのじゃ。」
要するに、魔王が人類を攻め滅ぼすために侵攻してきており、厳しい状況にある。だから勇者を呼んで倒してもらおう、それだけの話だった。
達はライトノベルもそれなりに読んでいたため内容は簡単に頭に入ってきた。
達はかなり怖くもあった。平均寿命が80歳を超える異常な国・日本。
そこに生まれてしまえば、当然死の恐怖などというものに直面したことはほとんどない。
一番の恐怖を感じたのは、達が全力で自転車をこいでいるときに横から車が走ってきた時という話は置いておこう。
そんな日本に比べてしまえば異世界での人の命は儚く、脆い。そんな世界で暮らしていけるのだろうか。そんな葛藤が達の胸の中を渦巻いていた。
「魔王を倒すまでの制限時間とかはあるんですか?」
「今のペースで行けば、15年じゃな。それまでに魔王を倒さなければ、人類に深刻な被害が出るじゃろう。しかし10年くらいなら放っておいてもさして被害はない。ワシも古代書を研究して、早めに召喚したからのう! ふぉっふぉっふぉ」
達にとっては助かる話だった。何事も短い時間で行おうとすると上手くいかないのだ。
10年もあれば落ち着いて研究し、自己強化に励むことが出来るだろう。
「わかりました。俺、頑張ります!」
「そういえば、おぬし、名はなんというのじゃ?」
「タツシです。名字は……」
この後聞くことによると、この世界では名字は一部の貴族しか持つことが出来ず、一般人は名字は持てないらしい。
濡木という名字はなかったことにして生きていくことにした。
その後、能力の鑑定をするためにタツシは神殿に連れていかれた。
「ようこそ、勇者様。私は聖女のクラリスと申します。これからこの神殿内をご案内しつつ、『スキル』の鑑定を行います。それではついてきてください!」
タツシは聖女クラリスの話を全く聞いていなかった。見惚れてしまったのだ。
美しい銀髪に、サファイヤの如く輝く蒼い瞳。程よく美しく透き通るその声に。176cmあるタツシと、そこまで変わらない身長。
すらりと伸びた良いスタイルが、彼女の着ている服で強調されていた。
白色で統一された、ドレスのような異国風の着物。だが一時の会で使うものなのではなく、それが聖女としての職服なのはすぐにわかる。
年はいくつ位なのだろうか。
そんなしょうもないことを考えながらタツシは聖女についていった。
「それでは、この水晶に手をかざしてください」
「わかりました」
タツシはそっと水晶に手をかざした。水晶がボーっと光る。次の瞬間、水晶が透明な輝きを発し始めた。
どこにも光源が見当たらないのに、光が出ている不思議な感覚に戸惑いながらも、タツシは聖女に尋ねた。
「どうなんですか??」
「はい、どうやらタツシさんは火・水・土・風などの基本属性の魔法ではなくて、空間属性に対する適応が高いようです。ちなみに私は光属性でした。」
「クラリスさんはいつこの水晶を使ったんですか?」
「ええと……14歳の時だから……3年前ですね」
「へっ!?……へえ、そうなんですかーーー」
(まだ17!? 嘘だろおい! 日本だったらまだJKじゃ……)
驚愕の事実に驚きつつも、タツシは聖女から魔法の使い方、ステータスやスキルを見る方法などを教わった。
魔力の制御の仕方を教わる時に、優しく手を繋がれた。タツシはそのときの感触を絶対に忘れないと決心した。
しばらく後にギルドマスターのおっさんに握手されたのは無かったことにしよう。
ギルドで戦術についてや、勇者は冒険者を兼ねれば収入も相当得られる、ということなどを教えてもらって、その日から王城で与えられた一室で暮らすことになった。
濡木 達は一人つぶやいていた。
「あー、なんか面白いことねえかなあ」
特別なとりえもなく、かといって大きな欠点もない。普通程度に友達は作り、普通に恋愛をしていろいろ経験し、普通に大学でしっかり学んで生活してきた。
単位を落とす可能性もないに等しい。日々、ゲームをしたりラノベを読んだりして過ごしてきた。
達は暇だった。
何か、新しい刺激が欲しい。
神様がそれを聞いたのかどうかは分からないが、足元に直径1mほどの魔法陣が突如として出現した。
「え、えええええええええええーーーー!?!?」
もしかしたら飛び跳ねれば魔法陣を避けられたかもしれないが、好奇心からその場に突っ立ってしまった。
そして、ここからはお決まりである。
「あんたは……誰だ?」
「ワシはこの国の王じゃ。おぬしは、我が国の、ひいては人類の救世主として召喚したのじゃ。」
要するに、魔王が人類を攻め滅ぼすために侵攻してきており、厳しい状況にある。だから勇者を呼んで倒してもらおう、それだけの話だった。
達はライトノベルもそれなりに読んでいたため内容は簡単に頭に入ってきた。
達はかなり怖くもあった。平均寿命が80歳を超える異常な国・日本。
そこに生まれてしまえば、当然死の恐怖などというものに直面したことはほとんどない。
一番の恐怖を感じたのは、達が全力で自転車をこいでいるときに横から車が走ってきた時という話は置いておこう。
そんな日本に比べてしまえば異世界での人の命は儚く、脆い。そんな世界で暮らしていけるのだろうか。そんな葛藤が達の胸の中を渦巻いていた。
「魔王を倒すまでの制限時間とかはあるんですか?」
「今のペースで行けば、15年じゃな。それまでに魔王を倒さなければ、人類に深刻な被害が出るじゃろう。しかし10年くらいなら放っておいてもさして被害はない。ワシも古代書を研究して、早めに召喚したからのう! ふぉっふぉっふぉ」
達にとっては助かる話だった。何事も短い時間で行おうとすると上手くいかないのだ。
10年もあれば落ち着いて研究し、自己強化に励むことが出来るだろう。
「わかりました。俺、頑張ります!」
「そういえば、おぬし、名はなんというのじゃ?」
「タツシです。名字は……」
この後聞くことによると、この世界では名字は一部の貴族しか持つことが出来ず、一般人は名字は持てないらしい。
濡木という名字はなかったことにして生きていくことにした。
その後、能力の鑑定をするためにタツシは神殿に連れていかれた。
「ようこそ、勇者様。私は聖女のクラリスと申します。これからこの神殿内をご案内しつつ、『スキル』の鑑定を行います。それではついてきてください!」
タツシは聖女クラリスの話を全く聞いていなかった。見惚れてしまったのだ。
美しい銀髪に、サファイヤの如く輝く蒼い瞳。程よく美しく透き通るその声に。176cmあるタツシと、そこまで変わらない身長。
すらりと伸びた良いスタイルが、彼女の着ている服で強調されていた。
白色で統一された、ドレスのような異国風の着物。だが一時の会で使うものなのではなく、それが聖女としての職服なのはすぐにわかる。
年はいくつ位なのだろうか。
そんなしょうもないことを考えながらタツシは聖女についていった。
「それでは、この水晶に手をかざしてください」
「わかりました」
タツシはそっと水晶に手をかざした。水晶がボーっと光る。次の瞬間、水晶が透明な輝きを発し始めた。
どこにも光源が見当たらないのに、光が出ている不思議な感覚に戸惑いながらも、タツシは聖女に尋ねた。
「どうなんですか??」
「はい、どうやらタツシさんは火・水・土・風などの基本属性の魔法ではなくて、空間属性に対する適応が高いようです。ちなみに私は光属性でした。」
「クラリスさんはいつこの水晶を使ったんですか?」
「ええと……14歳の時だから……3年前ですね」
「へっ!?……へえ、そうなんですかーーー」
(まだ17!? 嘘だろおい! 日本だったらまだJKじゃ……)
驚愕の事実に驚きつつも、タツシは聖女から魔法の使い方、ステータスやスキルを見る方法などを教わった。
魔力の制御の仕方を教わる時に、優しく手を繋がれた。タツシはそのときの感触を絶対に忘れないと決心した。
しばらく後にギルドマスターのおっさんに握手されたのは無かったことにしよう。
ギルドで戦術についてや、勇者は冒険者を兼ねれば収入も相当得られる、ということなどを教えてもらって、その日から王城で与えられた一室で暮らすことになった。
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