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獅子騎士の恋編(1)
15.
しおりを挟む次の日の朝、クランは何時ものように、ナクシス国の図書館にやってきた。
入口で、ラパスがクランを待っていた。クランが来ると…手のひらより少し大きな木箱を差し出した。
「クラン王女…昨日は渡せなかったんだが…よければ付けてみてくれないか?」
「わ、私にですか?」
「誕生日のプレゼントだ。店のものに何がいいか聞いたら…髪止めを勧められて…」
クランは差し出された箱を受け取り、ラパスの顔色を見ながら箱を開けると…そこには鮮やかな赤色の大輪のバラを模造した髪止めがあり、クランはそれを取り出しラパスに渡した。
「ラパス様つけていただけますか?」
「あ、あ。」
ラパスは顔を赤くし、クランの髪に触れ、前髪を後ろにするようにして髪止めをつければクランのおでこが現れ…クランがわずかに大人びて見えた。
「綺麗だ。」
「うふふ。ありがとうございます。ラパス様のお誕生日お調べしました!次は私がなにか考えますね。お仕事頑張ってください。それでわ。」
クランは可愛らしくお辞儀をし、笑顔で図書館内へと入っていった。
残されたラパスは顔を赤くしたまま…拳を握りしめ、ガッツポーズをして…背後ではラパスの兄である、第1王子のナディーが手にした資料で顔を隠しながら苦笑いをしていた。
「何をしているのだか…我が弟は。」
そう小さく呟いたナディーはラパスが去るのを見届けると…ラパスの変化の報告をもって…執務室へとむかった。
クランは図書館内に入ると、真っ先に先輩であるヤイバ・スーリアに挨拶をした。
「おはようございます。」
「ああどうも…ほぉ~王子さまはあげるものが高価ですね。クラン様の髪に映えますね…少し直しますよ。」
ヤイバはクランの前にたち止り、真上についた髪止めを左の耳の上辺りに止め直した。髪の束は右肩に垂れている状態。
「よし!」
クランはポカンとして何をするのかと驚いていたが、近くの壁に飾る鏡で自分の髪型をみて納得。
「ヤイバさん、凄いですね!ありがとうございます。」
クランが、作業をはじめたヤイバに向き直り目を輝かせ、ヤイバはわずかに顔を赤くしながら目をそらし…クランは無自覚に周りの者を翻弄させるのであった。
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