獅子騎士と小さな許嫁

yu-kie

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獅子騎士の小さな花嫁へ編(1)

26.

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 ハリスは20歳、第2王子が27歳で二人は結婚した。遠縁の血縁者でありハリスは幼い頃からミナイとラパスとよく遊んでいた。ラパスは騎士を志した頃…ハリスは縁談が出た。ミナイとの婚約、そして結婚。騎士になり、祝いの席で再会したラパスにハリスは淡い思いを抱いた。ただ、目の保養。見ているだけで満足していた。だが、ラパスに来る縁談はラパスの性格が影響し破談。ハリスはラパスは永遠に独身でいるのではないかと…もしかしたら自分に恋をしていてずっとそのままなのかと…しかしそれはクランの登場により自分の妄想であったと思いしる。

 ミナイからラパスが本気になっている女性がいるときいていた…そして今日…少女クランと会い…ハリスは何故か励ましてしまった。

 迎えに来たラパスを見てハリスは目の保養の対象者であったラパスの満面の笑顔をはじめてみて…ラパスはクランにメロメロなのだと気付いた。

(ああ、もう私の目の保養にしてはいけないのですね。彼から卒業しなくてはね。)

 二人の後ろ姿を見送るハリスはひとつのケジメをつけた。ひっそりと。

 気付けは我が子が虫を沢山持って来て…膝に幼虫がウニョウニョ。

「ひやあ~む、むしぃ~!いやぁ~」

ハリスの悲鳴は庭一帯に響き渡った。



 ラパスはクランを連れ出し、少し歩くと、馬にまたがる黒騎士のアルトがもう一頭馬をつれ待っていた。

 大勢だと目立つため、1人クランたちにつけることになり、黒騎士のアルトが志願し、迎えに来た。流石に兜をしていると街の人間に警戒されるだろうとはずして…黒髪を後ろに束ね風に靡かせるアルトはラパスにひきつるような笑顔を向けた。

「私がついて行きますのでよろしく。」

 クランを飛び越し二人は火花を散らし睨み合った。

「アルトさん!睨んじゃダメです。」

 クランはアルトを見て叱ったあと、ラパスを見て…

「ラパス様も!」

 クランはしばしご立腹だった…とか。
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