獅子騎士と小さな許嫁

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番外編Ⅲ

幼女クラン③

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 こうして半年後、再びクアーズ国王を招待し、今回はようやく国王と王女を招いてお茶会を始めた。

 クランは年の近いクアーズ国の王女と親しくなり友達に。

 これを機にクアーズ国はハミン国王と親睦を深め…同盟を結ぶ約束をした。

 お茶会の後…

 クランは目にする。

 ナクシス国との国境近くの領地にフワンを後にしようと、馬車を走らせていると国境の門近くを通る際に…国境の門に駆け上がる獅子を目撃した。

 ウォォオ~ン!!

 馬車を引く馬は震え暴れて馬車を倒した。

 クランは馬車の中から飛び出すと…父王の制止を遮り獅子に駆け寄る。

 門前で、クランは獅子に向かい挨拶をした。

 スカートの裾をつまみ膝を折るように上品で可愛らしいお辞儀をした。

「白銀の獅子様。私はハミン国のクランと申します、どうしたのですか?」

 クランは首をかしげ、不思議そうに獅子を見上げた。

 国境の門の向こうには兵がいた。

 今攻め入ろうとしていたのだが…ハミン国のふわもこ魔法により門を潜れず攻撃の力が吸収され、兵のリーダーの獅子は煩わしさで遠吠えをしていたのであった。

「綺麗な獅子様お名前を教えてください。」

 クランは両手を広げ笑顔を向けた。

 女王という重責を背負い…ハミン国の王が近くに来る情報を受け…攻め入ろうとしていた獅子は…無垢な笑みに戦意をなくした。

 「ルイヴ女王だな?攻めいるなど諦めるのだな。」

 倒れた馬車からようやく出てきた国王は、服についた泥を払いながら、怯える事なく、獅子を見上げた。

「ああ、ルイヴだ。小さき姫。」

「おとうさま、私はルイヴ様とお話をしているの、静かにしてください。」

 幼いクランは頬を膨らませてぷんぷん怒った。

「ハハハ。たくましい姫だ。亡き父の命を受けて今まで攻めいる機会をうかがっていたが…馬鹿らしくなったわ!ハハハ。撤退!」

 獅子は指揮をとり、国境の門で待機中の兵たちが撤退する足音が響き渡り…獅子も降りようとしたとき、クランはまた声をかけた。

「待って!ルイヴ様!」

「なんだ?」

「おとうさま、今度ルイヴ様をお茶会にお誘いしてください!」

「何を言い出す!」

ハミン国王はクランを引き寄せ叱るなか…獅子はクスクスとわらった。

「わたしがおもてなしいたします!その時はルイヴ様、来ていただけますか?」

「…ああ。そなたと話すのも楽しいかもしれぬな。でわな。」

 獅子は門の向こうへ降り、姿を消した。

 ハミン国王は駆けつけた新しい馬車にクランをつれて乗り込むと王都へと帰路についた。

(やれやれ、クランは何をしでかすのやら…まあ、お茶会に誘ういい機会かも知れないな。いつまでも敵対するわけにいかないしな。)

 後に、ルイヴ女王を招待してのお茶会を行うこととなり…

クラン同席の中…ハミン国とナクシス国は同盟の約束をしたのだった。


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<挨拶>

 番外編お読みくださりありがとうございます。次のお話で終わりたいと思います。

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