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しおりを挟む客殿のミアの部屋。
この日ミアはテイマス国の歴史を習っていた。キラ国で学んだことより深い知識を得るため、そしてカイトの役割を知るためでもあったのだが…教師として来ていた気品のある公爵夫人の女性にミアはふと質問をした。
「メリー婦人の馴れ初めを聞かせてください。」
「まあ、私はもともと王宮に仕えていまして…お城に仕えていた旦那様に街へデートに誘われましたの。そこでプロポーズをされまして~」
メリー公爵夫人は顔を赤くし両手で頬を覆い、恥じらうように部屋の隅に頭を埋めた。
「まあ。」
恋や恋愛を知らないミアにとって、その光景はとても不思議で、興味深いモノに見えていた。
(恋って不思議。街にデート?街?やっぱり外には見たことの無い楽しい事があるのね?)
ミアはふと窓の外から見えた城下町の様子が気になった。
(アンナは危ないと心配していたけれど…やっぱり外が気になる。どうやって外にゆこうかしら。)
ミアは再び外の世界に心弾ませ、メリー婦人の恋話から繋がってしまった外の世界への興味は更に膨らんだ。
(いい事を思いついた!あの方法なら皆に迷惑かけないわよね?)
「申し訳ございません取り乱しました。今日はこれで失礼いたします。」
「メリー婦人、ありがとうございました。」
ミアは部屋を出るメリー婦人を見送ると扉を閉めた。
窓の外はまだ明るい。ミアは悪戯っ子のように1人微笑んでいた。
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