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しおりを挟むミアは王宮の一室を与えられたが、国王の家族が暮らす場所のため…警備は客殿のときよりも厳しくなっていた。
ミアはここに来てから数日、毎朝侍女アンナより、安全を考慮して組まれた1日の予定の発表を聞くのが日課となっていた。
「アンナ、王宮に来たのになぜかしら?まだ一度もカイト様を見ていないの…」
「今は姫を襲った者たちを突き止めたとかで、一掃しているそうですよ?」
「えっ、見に行きたい…アンナ、王宮に来てからも鳥になって外に出ようとしたのだけど…どうしてなのか…力が使えないの。」
「そうですね、王宮は魔導士様達による警備もされておりますし…敵の侵入を防ぐための結界をほどこしていると聞いております。姫のお供をする私や護衛騎士様方も安心してお守りできると言うもの。全てはカイト王子殿下のご配慮があってのことです。私は…自分の愚かさを恥じるばかりです…」
侍女アンナは無意識とはいえカイトに怯えてしまったことを恥じ、ミアを前にうつむいていた。
「アンナ、カイト様はいつ戻るか知らない?」
「そうですね、護衛騎士ギルム様ならカイト殿下の騎士様から何か聞いているかもしれませんね、それとなく聞いてくれないかお話ししておきます。」
「ええ。楽しみに待ってます。」
「今日は庭の散策と図書館への移動が可能ですが、どうされます?」
「じゃあ…庭に行きましょう?」
「かしこまりました。ではお出かけの準備をいたしましょう。」
こうして陽射し避け対策をしたミアはアンナと共に王宮敷地内の庭へと散歩にでかけたのだった。
「庭に出たら魔法は使えるかしら?」
「姫様!」
「ふふふ、冗談よ。」
「本気にならないでくださいね。」
アンナは悪戯っぽく微笑むミアに少し頬をふくらませ、目に涙をためて忠告した。
「ごめんね、アンナ。」
「はい。」
ミアはアンナに抱きつき、顔を寄せると上目遣いにアンナを見上げ笑顔を向ければ、アンナは頬を緩めて笑顔で答えた。
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