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+ 序 章 +
no.1
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私の名前はミヤ・ルシファー。叔父は領地ビクターの領主。私の父の兄にあたるのです。
私の住む領地には魔法協会がある。どの領地にもあるけれど…それは上流階級の人々じゃなくても魔法を学べるようにって理由で養成所を設立してくれているの。
授業料は安い代わりに、個別指導は無くて優秀な魔道士様が講義と実演で教えてくれる。
魔力の無い子達は諦めて辞めてしまう。だから卒業できるのは生まれながらに魔力を持つ人々だけで…私もその中の一人。聡明な魔道士様は卒業式で私達の中に眠る魔力を引き出す試験をする。
その試験は過酷だったけど…試験を終えて気がつくと右手の甲紅い薔薇の模様が浮き上がっていた。魔道士様による審査で現れた事に驚かれた。
希少な魔法を使えると言われる15歳の私は今、その力を活かして自分なりに叔父の協力ができたらと仲間を集い自警団を発足したのでした。
*****
自警団発足1年後。
私は東西南北に分かれる自警団の西の団長。魔力が高い人が団長に選ばれて、団長達の右側の手の甲には様々な模様を現してる。私の模様は紅い薔薇。
自警団発足はしたのだけど、やっぱり皆が信頼できる大人に纏めてもらいたくて、結果…師匠でもある聡明な魔道士様にお願いした。私だけでは引き受けてくれなかったから、身内の力をお借りしました。
東の団長は剣使いの仲間、手の甲にある黒い模様は剣。
西の団長の私は植物魔法使い特技は薔薇使い、手の甲には赤い薔薇の模様。
南の団長は炎の魔法使い、手の甲にはオレンジ色の火の模様。
北の団長は雪使いの仲間、手の甲にある青い模様は氷の結晶。
基本私達4人は団員と決められた地域を巡回するのです。
私は昔から恥ずかしがりやで顔を見つめられるのが苦手。だからいつもお気に入りのワンピースの上にケープコートを身に着けていて、フードはいつも被ってます。理由は…なるべく人の視界に私の顔が映らないようにするため。さてそんなわけで…今日も仲間を連れて私は西側の巡回に出発しました。
*****
街を抜け西方面の巡回中、王都からの使者と思われる国の紋章を騎士服の腕に刺繍された騎士の一団を見た。
馬に乗る3人組の彼等の先頭には、獣耳のフサフサな尻尾を腰に巻きつけた青年がいた。
「団長、あれは?」
団員の一人、私より1歳年下の少年剣士ハルトは背が高い。私が小さいからフードから少しだけ見上げて教えてあげた。
「人狼騎士がいるから、王様直属の騎士団だよ。」
私達は自警団になってから初めて会う人狼の騎士率いる一団の行き先を塞がないよう横にそれ、彼らがさるのを見守っていると、ふと目の前で人狼騎士は馬を留めた。
「えっどうしたの?」
「何なに?」
私達は5人一組で行動していて、私以外のメンバーは騒いで私は少しだけ不安になった。
「子供だけでこんな場所を歩くのは危険だよ。」
騎士団の列、後方の青年騎士が優しく私達に声をかけたけど、なんだか上から目線に少し腹が立った。
私はフードを少しだけずらしてリーダーとして彼らに挨拶をすることにした。
「私達は自警団です。領主様より正式に能力を認められた集団です。気にかけて下さりありがとうございます。」
私は彼らにペコリと頭を下げると伸ばしている金色の髪が少しだけフードから顔を出していたけど気にしてはいなかった。
頭を下げたため顔は完全にフードに隠れてしまった。
「自警団の話は聞いている、苦労すると思うが…頑張りたまえ。行くぞ。」
「「はいっ!」」
人狼騎士の一声で騎士達は緊張感を漂わせて返事をして…人狼騎士を筆頭に馬を走らせ始めたのでした。
「人狼騎士様は理解されてるみたいだね、カッコイイなー」
ハルトは見えなくなった騎士達を思い出して呟き、私も同じ思いで、見えなくなった人狼騎士の向かった方角を見つめていた。
私の住む領地には魔法協会がある。どの領地にもあるけれど…それは上流階級の人々じゃなくても魔法を学べるようにって理由で養成所を設立してくれているの。
授業料は安い代わりに、個別指導は無くて優秀な魔道士様が講義と実演で教えてくれる。
魔力の無い子達は諦めて辞めてしまう。だから卒業できるのは生まれながらに魔力を持つ人々だけで…私もその中の一人。聡明な魔道士様は卒業式で私達の中に眠る魔力を引き出す試験をする。
その試験は過酷だったけど…試験を終えて気がつくと右手の甲紅い薔薇の模様が浮き上がっていた。魔道士様による審査で現れた事に驚かれた。
希少な魔法を使えると言われる15歳の私は今、その力を活かして自分なりに叔父の協力ができたらと仲間を集い自警団を発足したのでした。
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自警団発足1年後。
私は東西南北に分かれる自警団の西の団長。魔力が高い人が団長に選ばれて、団長達の右側の手の甲には様々な模様を現してる。私の模様は紅い薔薇。
自警団発足はしたのだけど、やっぱり皆が信頼できる大人に纏めてもらいたくて、結果…師匠でもある聡明な魔道士様にお願いした。私だけでは引き受けてくれなかったから、身内の力をお借りしました。
東の団長は剣使いの仲間、手の甲にある黒い模様は剣。
西の団長の私は植物魔法使い特技は薔薇使い、手の甲には赤い薔薇の模様。
南の団長は炎の魔法使い、手の甲にはオレンジ色の火の模様。
北の団長は雪使いの仲間、手の甲にある青い模様は氷の結晶。
基本私達4人は団員と決められた地域を巡回するのです。
私は昔から恥ずかしがりやで顔を見つめられるのが苦手。だからいつもお気に入りのワンピースの上にケープコートを身に着けていて、フードはいつも被ってます。理由は…なるべく人の視界に私の顔が映らないようにするため。さてそんなわけで…今日も仲間を連れて私は西側の巡回に出発しました。
*****
街を抜け西方面の巡回中、王都からの使者と思われる国の紋章を騎士服の腕に刺繍された騎士の一団を見た。
馬に乗る3人組の彼等の先頭には、獣耳のフサフサな尻尾を腰に巻きつけた青年がいた。
「団長、あれは?」
団員の一人、私より1歳年下の少年剣士ハルトは背が高い。私が小さいからフードから少しだけ見上げて教えてあげた。
「人狼騎士がいるから、王様直属の騎士団だよ。」
私達は自警団になってから初めて会う人狼の騎士率いる一団の行き先を塞がないよう横にそれ、彼らがさるのを見守っていると、ふと目の前で人狼騎士は馬を留めた。
「えっどうしたの?」
「何なに?」
私達は5人一組で行動していて、私以外のメンバーは騒いで私は少しだけ不安になった。
「子供だけでこんな場所を歩くのは危険だよ。」
騎士団の列、後方の青年騎士が優しく私達に声をかけたけど、なんだか上から目線に少し腹が立った。
私はフードを少しだけずらしてリーダーとして彼らに挨拶をすることにした。
「私達は自警団です。領主様より正式に能力を認められた集団です。気にかけて下さりありがとうございます。」
私は彼らにペコリと頭を下げると伸ばしている金色の髪が少しだけフードから顔を出していたけど気にしてはいなかった。
頭を下げたため顔は完全にフードに隠れてしまった。
「自警団の話は聞いている、苦労すると思うが…頑張りたまえ。行くぞ。」
「「はいっ!」」
人狼騎士の一声で騎士達は緊張感を漂わせて返事をして…人狼騎士を筆頭に馬を走らせ始めたのでした。
「人狼騎士様は理解されてるみたいだね、カッコイイなー」
ハルトは見えなくなった騎士達を思い出して呟き、私も同じ思いで、見えなくなった人狼騎士の向かった方角を見つめていた。
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