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しおりを挟むスティアの旅立ちの日がやってきた。今回は国境で隣国からの襲撃があっ多様だとの報告を受け、リューイとライカは不在、身重のスティアの母であるルティーが執事と見送りに出た。
ルルとキキもお見送りに現れ、馬車は3人と一匹を連れて走り出した。
馬車の窓を開けたスティアは身を乗り出し、メディアン邸の人々に大きく手を振った。
(ライカ様、お父様…行ってきます。)
手を振る人々が見えなくなり、スティアは窓を閉じ席につき、今日会えなかった二人を思った。
<「スティア…君の思いは届いているよ。遠くても僕らはこうして繋がっている。」>
「はぅっ。」
スティアは突然のライカの念話に耳元で囁かれていると錯覚し、驚き小さく跳ねた。
「お嬢様?」
「大丈夫。ライカ様の念話が飛んできて、思わず反応してしまったの。」
「まあ。」
心配そうに声をかけたグローリアだったが、スティアの言葉を聞き微笑ましく思えた。
スティアはライカの声に答えるように心の中で、ライカを呼んだ。
<念話>
「ライカ様。すぐ側にいる気がします。」
「なら良かった。またスティア嬢の声を聞かせてもらうよ…」
「はい…ライカ様。」
「そろそろ念話が切れる…じゃあね。」
「…はい。」
そうして念話は終わった。
小さな休憩を取りながら長い時間走り続ける馬車。
夜が明け、少し長めの休憩を取って出発ししばらくするとスティアはみを乗り出し窓から外を覗けば、夕焼け空に王都の街並が見え始めた。
(明日から学園は始まるのね、今度は念話で、学園のことをお伝えしましょうっ!)
スティアは寂しがるどころか、前向きに、学園生活を楽しみにしていた。
それもそのはず。小さな2つの耳には、魔法を施してあるライカの思いの詰まったイヤリングがあるのだから。
††††
そして5年後、スティアは初等部、中等部を経て高等部になり、卒業式を間近に控えていた。
小さかった11歳の少女は体型も大人へと近づき、16歳の今、スティアは更に綺麗な小柄な女性へと成長…
卒業式を控えたスティア。
保護者も参加するのが主流だがリューイ達が参加できないため、メディアン家の祖父がスティアの卒業式に参加する事になった。
スティアは卒業数日前、王都にあるメディアン邸の自分の部屋でライカと日課となっていた念話をした。
<念話>
「スティア、もうすぐ卒業式だね。」
「はい!」
「学園の卒業式はパーティーみたいに華やかだろうね。」
……念話のタイムリミットは約10分、スティアはライカとの卒業式の話で盛り上がったが、あっと言う間に時間は来てしまった。
「スティア、異性の誘いには気をつけるんだよ。」
「(?)…はい。」
「おやすみ。」
「お休みなさい。」
こうして念話は終了し、スティアはライカの『異性の誘いには気をつけるんだよ』の言葉に、少しだけ?がついたが、心配してのことだと納得させ、ベットに入り眠り始めた。
年に3回学園の長期の休みがある時に辺境の地に戻るスティアを見てきたライカはますます綺麗になってゆくスティアの成長を見て、妹のように思う感情も徐々に違うものになっていたのだった。
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