竜騎士は魔女猫を溺愛中。

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5章〔繋がる二人の心とその行方。〕

逃げ腰のララ。

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ドレスを前に、ララは後ずさる。


只今猫の姿の私は、そのドレスの意図してることがわかるため、ギル様に驚いた。

「ギル様。気持ちが変わったんですか?」

「逃げないで着てみてよ。」

やや焦り気味のギル様は私を追い回し、私は部屋を飛び出し廊下を走り回った。

「嫌です!私には荷が重すぎます!」

私は半泣きで走り回った。

今のままじゃダメなの?

なんで?なんで?

この日私は屋敷の廊下の片隅で泣きながら眠った。

 *

目が覚めればギル様の部屋。

明け方だったが、ギル様はベットですやすや眠り、私はあの後誰かに発見されてベットに運ばれたのだろう。

部屋の隅の人形にドレスが掛かり、私はマジマジと見つめた。

部屋は明かりが灯ったまま、私は魔女のすがたになり、着てみることにした。

人形からそれをはずし身に纏えばぴったりで、姿見に写る私によく似合う。

「ララ。皆に形だけでも御披露目しよう。これから先も私たちの関係は恋人。そして主とペット。だから、怖がる事はない。」

寝ていたはずのギル様がベットから立ち上りゆっくりこちらに歩み寄る。

「ギル様がそうおっしゃるなら信じます。」

私は頷き、その日を迎えたのだった。

 *

形だけでもと、庭で身内だけの式をした。

変わり者のギル様が魔女と身を固めたと瞬く間に噂が流れたが、生活は特に変わった訳ではない。

私は猫ですごし、夜寝るときに魔女の姿になる回数は多少増えたかな?

まあ、私はそのお陰で安住の地を手に入れたと言って良いのかもしれない。

シャラ様には頭が上がらないなとつくづく思った私でした。

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