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2章《旅・立》
(13)友への感謝。
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僕らは四つ国の森の中にて魔石コレクターの捜索中。
しかし、これまでの経緯から僕が一番狙われることがわかり、緊急時に備えて待機組。
荷馬車の屋根に飛び乗り僕は周辺を見下ろし警戒をしていた。
僕は空を見上げると、上空を旋回する白い鷹が舞い降りた。
『ジャズ!』
《ヤッホー!アイちゃん。見ないうちに大人になったね。》
『そうだね。』
《そーそー、アイちゃん、前世の記憶の方はどう?》
『あー、今はまったく思い出したりもしないし、記憶が薄れつつあるかな?』
《やっぱりか、上司からの知らせがあったんだ。アイちゃんの記憶が薄れてること。
記憶をなくすと、私が見えなくなるの。》
『なんで?』
《体に記憶されてることは消えないの。だけど脳内の記憶は本来ないはずのもの…だから、本当の意味で生まれかわったと言えるんだって。そうすると、自然に私はアイちゃんから去らなきゃいけないんだ。》
『せっかく仲良くなれたのに。』
僕は白い鷹、シャズを抱き締め二人で泣いた。
*
《お仕事中にゴメンね。またくるね。》
そう言ってシャズは空を旋回して遠くへと消えた。
たぶんもう…会えない気がした。
でも、自然なことなんだと、僕は理解した。
寂しかった頃いつもそばにいてくれた友達。
『シャズ、今までありがとう。』
僕は見えなくなった空へ向け呟いた。
しかし、これまでの経緯から僕が一番狙われることがわかり、緊急時に備えて待機組。
荷馬車の屋根に飛び乗り僕は周辺を見下ろし警戒をしていた。
僕は空を見上げると、上空を旋回する白い鷹が舞い降りた。
『ジャズ!』
《ヤッホー!アイちゃん。見ないうちに大人になったね。》
『そうだね。』
《そーそー、アイちゃん、前世の記憶の方はどう?》
『あー、今はまったく思い出したりもしないし、記憶が薄れつつあるかな?』
《やっぱりか、上司からの知らせがあったんだ。アイちゃんの記憶が薄れてること。
記憶をなくすと、私が見えなくなるの。》
『なんで?』
《体に記憶されてることは消えないの。だけど脳内の記憶は本来ないはずのもの…だから、本当の意味で生まれかわったと言えるんだって。そうすると、自然に私はアイちゃんから去らなきゃいけないんだ。》
『せっかく仲良くなれたのに。』
僕は白い鷹、シャズを抱き締め二人で泣いた。
*
《お仕事中にゴメンね。またくるね。》
そう言ってシャズは空を旋回して遠くへと消えた。
たぶんもう…会えない気がした。
でも、自然なことなんだと、僕は理解した。
寂しかった頃いつもそばにいてくれた友達。
『シャズ、今までありがとう。』
僕は見えなくなった空へ向け呟いた。
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