愛され魔女の治療院

yu-kie

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愛され魔女の治療院

愛され魔女の治療院 

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 翌日。

 治療院にキアヌさんが会いに来てくれました。いつもの騎士のお姿とは違っていて…長袖の白いシャツに黒い長ズボンと、シンプルな感じです。

「シャロ様!」

 いつも手にしている挨拶のお花はありません。

「今日はお花が無いんですね…」
「実は…プレゼントがあります。」
「まあ。」

 キアヌさんが長方形の箱を私の前に…私は思わず受け取りました。

「開けてみてください。」

 箱を言われるまま開けると、そこには桃色の宝石が中心に嵌め込まれたネックレス。

「可愛い。」

 お花は好きです。なぜでしょうか…素敵なネックレスをプレゼントされて胸の奥がとっても暖かくて、なんだか恥ずかしくて顔が熱くなりました。

「どうしましょう。」
「つけてみてください。」

 私は動揺してしまい、あたふたしているとキアヌさんが私の首元に手を伸ばしてネックレスをつけてくれました。

「シャロ様、今日はあなたに思いを伝えに来ました。」
「ああ、そうでしたか。大事なお話しなんですね、中にどうぞ、待合室でもよいですか?」

 私は治療院の扉にお休みの札を付けて扉を閉め…お茶の用意をするためキッチンへ。キアヌさんはいつになく真剣なお顔をしています。

 ハーブティーを用意して向かい合わせに席に付けば彼は私との出会いを一つ一つ思い出して語り続けます。沢山褒めてくれました。

 私は優秀な魔女なんです。そんなに褒められたら照れてしまいます。

 いつも褒めてくれる人がいないから、自分で、私は凄い魔女なんだとアピールしているんです。

 見た目は強そうに見えないから余計に。

「…そんなあなたに心惹かれ続け、俺は決めました!あなたが好きです!結婚前提にお付きあいをしてください!」
「結婚ですか?キアヌさんはいつも私に優しくて~私も好きなんだと思います。でも…結婚は、キアヌさんのご家族が悲しまれるとおもいます。」

 そう。私の両親も…わけありだから私を手放したのだ。私の額にある模様もこの髪と瞳も…異種族な二人から産まれた証。この魔力の素質には感謝しているけど…

「家族はシャロ様のファンです。大賛成です!」
「へっ?」

 悩むキアヌさんの顔を想像していた私は…予想外の言葉に驚いて、思わず固まってしまったのでした。

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