狂戦士は可憐な花嫁を溺愛する

yu-kie

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 こうしてルイとアイスは晴れて正式な婚約を交わし、アイスは一路ディスカ国へと帰還した。

     *

 数日後、バリージャ王はユイフ王の招待を受け意を決し、強者な兵達を護衛につけユイフ国へと旅立った。

 バリージャ王をのせた馬車が見送った王妃と王子達はなにかが足りないことに気がついた。

「まさかとは思うが…」

 王太子キトが王妃と顔を見合わせ、バトは駆け出し、近くにいた兵や外で落ち葉を掃く侍女へと声を掛けて回った。

「ルイを知らないか?もしかしたら変装していなかったか?」

 血相を変え聞いて回るバトは何人かに「すみません。みておりません!」と深々と頭を下げられるばかり。

「どうしました?あっもういかれたのですね。」

 ルイは不思議そうに庭の方角からとてとてと歩いて現れた。

「は~、良かった。」

バトはルイの肩を掴み、項垂れた。

「どうして見送りに来なかった?」
「すみません、安全のために少し仕掛けを…あっ!この先は秘密です!」

 ルイは人差し指を自身の口元に運び、小さく首を傾けくすりと笑った。

    *

 バリージャ王を乗せた馬車はユイフ国へと入国し、バリージャ王の馬車を警護する騎士達はピリピリと表情をひきつらせ緊張感が増し、馬車内の王もそれは同じで、ただ1人だけ特に緊張をしていない小姓が王と向き合い座っていた。

 見た目少年のトゥクルは最初兵士の身なりだったが、王のお世話をする小姓が鎧を着ていては不審がられる、その為、白いシャツに黒のベストとズボンを身に付けていた。

「王しゃま、リラックスっしゅ!」

「ああ、恐れいては判断が鈍る、わかってはいるが…」
「さっき、ルイ王女しゃまから『これ』預かってきたっしゅ。」

トゥクルが差し出した手には金色のリングの通されたネックレスがあり、王はそれをみにつけた。

「人数分ありましゅ!姫様特製防犯リングでしゅ。」
「そうか、その為に見送りできなかったのだな。」
「はい。」

 ルイの防御魔法のレベルは高い、そのためルイの配慮に、王は心を落ち着かせ、こわばった表情は堂々としたものへと変わって行った。

「もう大丈夫だ。トゥクル、もしもの時は頼みましたよ。」
「はい!」

トゥクルはやはり、子供にしか見えない、無邪気な笑顔で元気よく返事した。

 そうして馬車はユイフ国のお城へとたどり着く。

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