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しおりを挟む宮殿内の王家の部屋。
ルイが飛び出した直後、国王は王子達と王妃に襲撃に関する書簡を兵に届けさせた時に起きたことを話始めた。
バリージャの兵を向かわせた際、アイスの提案で忍者兎を同行させた。バリージャ王は捕らえた兵士を返すことを早く伝えることで、親交のあるユイフ王との関係を修復させたかった。まだ、裏切られたとは信じられなかった。しかし、忍者兎が瞬間移動で慌ただしく連れて帰ってきたバリージャの兵は殺されかけ、軽傷だが傷を負い、酷く怯えていたのだった。
王はルイが先ほど叫んでいた過去の話にあった…『ユイフ国王も王太子も大嘘つきよ!昔からあの人達の言葉なら信じて、皆!私の言葉は信じてくれなかったでしょ!』その言葉は確かに昔何度かルイから聞いた話で、確かにユイフ国王はルイと違うことを言い、バリージャ王はそちらを信じ、ルイはそのうちユイフ国王達が来る際は警戒するようになっていたのだ。
「私たちはユイフを信じすぎてしまったのかもしれない。真実が見えていなかったのか…幼い頃のルイの言葉に耳を傾けていたら、ユイフの企みに気付けたのかも知れないな。」
バリージャ王は決意した。
「ユイフ国王にルイとの縁談はお断りしてこよう。少し前に襲撃にあっているから少し心配はあるが、バリージャは侵略に来たもの達を何度も打ち負かして国を守ってきたのだ。逃げることはしてはならない。」
そこへアイスとルイが部屋に戻り、キト王太子はアイスの腕に収まる、お姫様だっこのルイに驚き叫んだ。
「ルイ!」
キトの第一声に続いてアイスが口を開いた。
「バリージャ王、よろしければ我々ディスカにも協力させてくれませんか?」
アイスはルイを地上へと降ろしルイはぴょんぴょんと跳ねるように床に足を着地させた。
「アイス王子、どうするつもりです?」
「バリージャ王、バリージャ国は最強の軍により国を侵略から守ってこられた。そして、隣国との友好を大切にされている。ユイフへはいつもと変わらないお心で向かってください。危険にさらされるようなことがあれば…私がそちらに馳せ参じましょう。」
「あなたは他国の王子、ユイフとバリージャのいざこざにこれ以上巻き込むわけには…」
「ご心配なく。トゥクル、いるか?」
アイスの声に答えるように天井からポンっと忍者兎が出現して床に軽やかに着地した。
そして、忍者らしく、ドロン!と効果音と共に白い煙に包まれて、現れたのは黒い帽子に耳を隠した、バリージャの兵士の服を着た人間の男の子が現れた。
「王子しゃま!これでいいでしゅ?」
「ああ、君には期待してる。」
「お任せあれでっしゅ!」
ルイは目を輝かせて、少年に駆け寄ろうとし、アイスに行く手を遮られた。
「ルイ王女、駄目ですよ?」
「何故?」
ルイは少し拗ねたように頬を膨らませて見上げればアイスは手を伸ばしルイの髪に触れそのままふくれた頬を指でつついた。
「あなたは私の未来の花嫁。彼も獣人、彼に飛び付くのは耐えられない。」
「でも、私よりも幼い少年ですよ?まだ子供ですよね?」
ルイは引き留めるアイスに不思議そうな表情で首をかしげて問いかければ、アイスはまぶたを閉じ、溜め息をついた。
「王子しゃま…説明が必要かとおもいましゅ。王女しゃま!おいらは兎のじゅ~人の中でも小兎族の種類っしゅ。僕らはこれでもしぇいじん(成人)っしゅ!小兎族は代々王族にちゅか(使)えるっしゅ!瞬間移動はおいら達、小兎族の十八番なんっしゅ!」
アイスはルイをぎゅっと抱きしめその胸にルイは顔を埋めた状態で話始めた。
「バリージャ王、彼の活躍はご存知かと。兎の姿はばれてしまうので、小さな護衛兵として王の側においてはいただけないでしょうか?」
「うむ。兵士にしては小さすぎるな、そうだ、小姓としてなら…ディスカ国に甘えてしまって本当によろしいのか?」
「ええ。未来の花嫁の国のためですから。明日、帰還しましたらディスカ王には報告いたします。それで…ひとつお願いがあります。」
「なんだね?」
アイスはルイの家族を前に深々と頭を下げた。
「父王から預かっているものがあります。」
アイスの一声に、控えていた豹獣人現在人の姿の兵がアイスを横切り、バリージャ王の前に膝をつくと、筒を手渡した。
「婚約の誓約書か…」
バリージャ王は筒から紙を取り出し、テーブルに広げた。
アイスの思いが通じたのか、もう反論するものは誰もいなかった。
書面にはディスカ王のサインが既にあり、あとはバリージャ王のサインと、ルイとアイスのサインを書くのみとなり、静かに三人のサインが書面の空欄を埋めていった。ルイとアイスは婚約を成立させ、二人が喜びを共有するように微笑み合う。
それを目にしたルイの家族は、これで良かったのだとそう思った。
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